□◆□…優嵐歳時記(2657)…□◆□

  えのころのころころ光り道の辺に   優嵐

月曜日は残暑がぶりかえし、体温なみの暑さになりました。暑さ寒さも彼岸までですから、あと二十日ほどはこういう暑さが何日か戻ってくる日があるでしょう。ただ、昨年のような長期にわたる厳しい残暑はないだろうと思ってはいます。

残暑とはいえ、日差しは正直ですし、植物の歩みも的確です。稲は黄色く色づき、稲穂が垂れる田が増えてきました。えのころはエノコログサのことで、日本全土の道端や畑地、荒地に生える代表的な雑草です。ユーラシア大陸原産で、稲作の伝来とともに日本に入ったと考えられています。

高さ20〜70cmほどの一年草です。八月から十月にかけて茎の先に円柱形の穂が出ます。この様子が子犬の尻尾を連想させエノコログサと呼ばれます。また猫がたわむれるので、ネコジャラシとの別名もあります。

IMG_1795<傍観者>
子どものころからずっと私たちは
「何かをしなさい」と言われて成長する
傍観者であってはならない
積極的に目標を立てて
それに向かって努力しなさい

それが望ましき人間のあり方だと思ってきた
這えば立て、立てば歩めの頃はそれでいい
しかしある時期を過ぎると
傍観者を呼び覚ますことが大事ではないか

いつの間にか人生の流れに飲み込まれて
目標や努力、さらにそこから生み出される
失望や苦悩、煩悶、不安、恐怖に取り込まれている
その濁流から岸辺にあがりじっと流れを見る
そういう傍観者だ

流れは流されるものがどうであろうと
流れるように流れていく
そのことがわかれば
流れに沿って身をまかせることができるだろう