□◆□…優嵐歳時記(2804)…□◆□

  暖かき色を持ちおり寒落暉   優嵐

「寒落暉(かんらっき)」とは、寒中の入日のことです。随分日が長くなりました。太陽の沈む位置がかなり北へずれてきました。夕日の色に気づいて窓から外を見たらちょうど山の端に太陽がかかろうとしているところでした。寒波は去り、昨日の朝は曇っていたせいで冷え込みはありませんでした。夕日も少し春めいて見えました。

このところ、右腕をいためたせいで画材を変え、絵も変化しています。右腕は実に不思議な感じです。何かをしたら痛むとかそういうことはほとんどありません。しいていえば、指先に力を入れてキャップをまわすとか、フライパンのようなものを片手で扱おうとすると違和感があります。しだいにそれも軽快していますが。

絵が変化したのは、指や腕の力を使わなくていい画材で描くようになったからです。力を抜いて描くことを覚えました。万年筆もゲルクレヨン(クレオロールとゲルマーカー)もほとんど重力のみで描けます。絵を描き始めたころ万年筆とクーピーペンシルで描いていたのですが、それとも少し違う描き方です。

細かなことにこだわらずさらっと描こうとしています。線描でものの形を示して、彩色で色合いを示し、あとは見る人の想像力で補っていただくのが絵としてはいいのではないか、と最近思います。現実世界に線で表される輪郭はありませんし、人間の識別できる色は何万色もあります。その通りに描こうとすることは不可能だし、絵として目指すことでもないでしょう。

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