□◆□…優嵐歳時記(2823)…□◆□

  薄氷を揺らし昼の陽揺らしけり   優嵐

昨日は、お昼ごろからは日差しが出てきました。三日連続で太陽の姿を見ませんでしたから、久しぶりの春の陽は明るく感じられました。「薄氷(うすらひ)」とは、春先にごく薄くはる氷、あるいは解け残った薄い氷をさします。氷は冬の季語ですが、薄氷を早春の季語としているところに微妙な季節のうつろいを愛しむ日本人の感性がありますね。

今、『優嵐スケッチブック』に描いている絵はクレオロールとゲルマーカーで彩色しています。基本的にはクレヨンと同類ですから、描いた後に定着させる必要があり、ホルベインのクレヨンコートを使っています。これは有機溶剤なので、吹きつけは屋外でおこなっています。このところ、雨続きで定着していない絵が何枚かたまっていました。

昨日はお天気が回復し、まとめて定着作業をしたあと、絵を並べて見ていました。今試している紙は全部で14種類あります。ゲルクレヨンは透明水彩ほど紙の影響は受けないと思っていますが、それでもずらっと並べると、紙のもともとの色、発色の差というのがわかります。発色が最も鮮やかだと思えたのはストラスモア・インペリアルでした。それに次ぐのがウォーターフォード、ラングトンあたりです。

やはり高価な紙はそれだけのことはあるようです。今描いているのはほぼSMという小さなサイズですから、大きな画面なら、その差はもっとはっきり出るのかもしれません。色合いはその人の好みもあり、鮮やかなのが即よいとは限りません。ただ、クレオロールは透明感があり、その透明さを生かして描きたいと思うと発色のいい紙を使うのが一番かもしれない、と思っています。

発色のほかには、描いたときの感触というのも重要です。これまで使ってきたマルマンのエコノミーな画用紙と、これらの水彩紙との違いは、発色と同時に、描いたときの手が受ける感触です。指にかえってくる描き心地の反応が、いい紙はやはりいいのです。人間の感覚というのはほんとうに微妙なものだと自分のことながらあらためて感心しています。

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