□◆□…優嵐歳時記(200)…□◆□

    葉鶏頭静かに炎ゆる風の日に   優嵐

ハゲイトウはケイトウに近縁の一年草です。秋になって葉が頭部から
紅、黄色、斑入りなどと色がつき始めるところを鑑賞します。緑色
の葉との対象が鮮やかです。雁がやってくるころに色づくことから、
緑色に紅がさす種を「雁来紅(がんらいこう)」、黄色になるものを
「雁来黄」、緑、赤、黄の三色鮮やかなものを「十様錦」と呼びます。

花は葉腋にかたまってつきますが、緑色で全く目立ちません。真っ赤
なハゲイトウの鮮やかな色彩は秋の陽の中でいっそう映え、なんだか
燃え上がる残り火を見るような気持ちになります。この赤さはやはり
秋のもので、春や夏の色とはまた異なる趣です。