□◆□…優嵐歳時記(208)…□◆□

    すすき分け町見下ろせる峠へと   優嵐

すすきは秋の七草の尾花としても知られ、十五夜のお月見にも欠かせ
ないものとして、日本人の暮らしになじみの深い植物です。イネ科の
多年草で、山野のいたるところに群生します。尾花は黄褐色からしだい
に色あせて最後は白色となります。秋風になびくすすきの風景は日本
独特のさびしさの風情があり、万葉集のころからすでに歌に詠まれて
いました。

すすきは茅葺屋根の材料の茅でもあります。かつてはそれぞれの集落に
茅葺の材料のすすきを刈る「萱場」がありました。低地から亜高山帯
まで自生し、日本全土、朝鮮半島、中国に分布しています。青すすきは
夏の、枯すすきは冬の季語になります。