夏の宵
一日が暮れて、まだ完全に夜になりきっていない時間を宵といいます。「夏は夜」といったのは清少納言でした。今から千年前の夏の平安京、熱帯夜はあったのでしょうか。人口密度ははるかに低かったでしょうし、コンクリートもアスファルトもエアコンもなかった。さらに、歴史的な流れで見ると、長い時間の中で平均気温は大きく変動しています。源平の争乱のころ、地球は温暖化していたといいます。グリーンランドにバイキングが植民し、集落を作っていました。

日本ではそのせいで西南日本に飢饉が多発し、それが平家への不満の一因になったとか。一方、中世は世界的に寒冷化が進み小氷河期のような状態にありました。こういうときは北東日本で飢饉になりやすいそうです。気温は千年程度で見てもかなり変動しています。豪雨や災害、猛暑などがあると、「最近の気候はおかしい」という話がすぐに出ます。しかし、人間の100年にも満たない人生経験では、「おかしい」といえるほど肌感覚を蓄積できないのは確かです。毎年どこかオカシイのであり、オカシイことが地球にとっては正常なホメオスタシスかもしれません。

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