すがる虫
秋も末となり、夜の虫の声も途絶えがちになってきました。初秋のころ暗くなってくるといっせいに聞こえたさまざまな虫の声でしたが、昨日はかすかな声がちらっと聞こえただけでした。静寂の季節が訪れようとしています。

絵を描くのに使っているオイルパステル、これまではセヌリエ・オイルパステルとカランダッシュ・ネオパステルを使っていました。それに加えてクレパススペシャリストを購入しました。学童用のクレパスからアーティスト用のオイルパステルに切り替えていくのに、どの製品にすべきかあれこれ迷いました。webでいろいろ調べ、使った人の感想なども読み、思案した結果、最初はセヌリエを買い、その後カランダッシュ、そしてクレパススペシャリストも買ってしまいました。

IMG_6122この中でクレパススペシャリストは角型だったために最初は購入の対象にしていませんでした。昨年暮れに腕を痛め、それ以後オイルパステルを使うときは主にチョークホルダーにはさんで描いてきました。角型だと円筒形のチョークホルダーに挟めないという先入観があったのですが、これが、意外なことに角型の四隅がチョークホルダーの四枚の爪の間にぴたっとはまり、一番しっくりホールドできることに気づいたのです。

セヌリエとカランダッシュを購入しながらなぜあえてクレパススペシャリストも買ったかというと、一番は色の問題でした。セヌリエは48色のものを買いました。120色のセットもあるのですが、非常に高価で二の足を踏んでしまいました。ほんとうに自分にあっているかどうか少し使ってみてから考えようと思いました。

そこで、セヌリエ48色、カランダッシュ96色の色の展開なのですが、双方とも淡いピンク系統の色が少ないのです。セヌリエの48色には「無い」と言っていいくらいです。その一方でグレー系統には色が豊富にあります。クレパススペシャリスト84色とカランダッシュ96色を並べて写真を撮りました。クレパススペシャリストは全体の色が12色も少ないのに、ピンク系統はカランダッシュより多いくらいです。

IMG_6123これらのオイルパステルを比較したブログやHPを見ても、色彩のバリエーションについて書いてあるところはありませんでした。セヌリエとカランダッシュはヨーロッパの製品、クレパススペシャリストは日本製です。ヨーロッパの製品が持つグレーのバリエーションは大変ありがたいですが、それ以外の、特に淡い雰囲気の色はクレパススペシャリストが素晴らしい。

これは日本人とヨーロッパ人の色の好みの違いなのかもしれません。草の葉や緑を描く際の色も私に一番しっくりきそうなのはクレパススペシャリストの色です。描き心地はいずれも滑らかです。多くのwebで言われているほどセヌリエがダントツに滑らかとは感じません。セヌリエはぬらぬらした感触、カランダッシュとクレパススペシャリストはさらさらとした描き心地で似ています。これも好みの問題、どういう絵を描くかで違ってきそうです。結局、情報を集めてみても、買って使ってみないことには、自分にとってどうか、ということはわかりません。