□◆□…優嵐歳時記(240)…□◆□

   みな揺れに耳を澄ませる秋の暮    優嵐

台風の次は地震です。被災地のみなさまにはお見舞い申しあげ
ます。地震が襲ったとき、私は東京にいました。ビルの一階に
いましたが、窓のブラインドがゆらゆら揺れていました。部屋
にいた人全員が一瞬言葉をなくして、揺れをおしはかっていま
した。地震が多いといわれる関東でさえ、こんなに長く続くこ
とはあまりない、とのことでした。

「秋の暮」これは季節の終わり(暮秋)をあらわす場合と1日
の終わりをあらわす(秋の夕暮れ)を意味する場合があります。
元々は暮秋の意味として使われていたこの季語ですが、今では
ほとんどの場合「秋の夕暮れ」の意味で用います。

清少納言は「秋は夕暮れ」といいました。秋のしみじみとした
情趣は夕暮れにこそある、というのは日本人のいにしえからの
変わらぬ感覚ですね。