□◆□…優嵐歳時記(241)…□◆□

  秋風に水輝きて流れけり    優嵐

快晴の姫路でした。兵庫県北部の豊岡では水害の、新潟では地震
の被災者が寒くなりはじめた空の下で不自由な避難生活を送って
いらっしゃることでしょう。こういうときはいいお天気が続いて
くれることを祈りたいですね。

「秋風」は秋の代表的な季語です。秋の訪れを告げる初秋の風、
万物を枯らしていく晩秋の風、いずれも凋落、零落のイメージが
あり、深く詩心を誘います。秋風は色にたとえて「白風」「素風」
ともいい、陰陽五行の金にあたるとして「金風」ともいいます。

秋を「飽き」とかけて、心理的な含みをもたせる解釈をすること
もあり、しみじみとした季語です。しかし、ここで私が詠んだ
秋風には、零落のイメージはありません。軽やかで湿気のない
明るい秋風の下を流れる水の美しさへの感動を詠っています。