□◆□…優嵐歳時記(243)…□◆□

  ラケットを持たぬ左手夜寒かな    優嵐

昨日から急に冷え込んでいます。ついこのあいだまで暑い暑いと
いったいたので、このように急激に気温が下がるととまどいます。
今夜はナイターでテニスをしてきました。フリースを着てでかけ
ました。コートに立つと息が白く、グリップを握らない左手の
指先が冷えてくるのがわかりました。

空には十四番目の月がかかっていました。松任谷由美の歌を思い
出したりします。「明日の夜から欠ける満月より、十四番目の月
が好き」と歌うのです。みんなそうだろうな、と思います。

「夜寒」とは冬になるにはまだ少し間があるころ、夜になって肌
寒さを覚えることをいいます。昼夜の気温差が大きく、間近に迫る
冬の訪れを肌で感じます。行きつ戻りつする季節の揺れを感じら
れる味わい深い季語です。