□◆□…優嵐歳時記(245)…□◆□

  秋深し雲昨日より低くなる    優嵐

「秋深し」とは、秋が終わりに近くなったころの季節感をさします。
自然は春の芽吹きから、夏の強烈な輝きを経て、やがて深まる秋の
中で、紅葉の色彩が一気に冬枯れの風景へと変わっていきます。
この晩秋の彩りの変化が日本の山河の特徴であり、喪失感ともいえ
るものが、物思う季節にも通じます。

誰もがみな何かに思いをはせ、読書や思索へと向かわせます。
「秋深し」では「秋深し隣は何をする人ぞ 芭蕉」がいまも名句と
して生き続けています。深まる秋の陰影には春や夏とはまた異なる
魅力があり、自然の風物だけでなく、町ゆく人々の服装がしっとり
落ち着いたものになっていくのもこの季節です。