夕涼
久しぶりに続きを読みたくてついつい読んでしまう、という本に出会いました。『七帝柔道記』(増田俊也/角川書店)です。著者自身の北海道大学柔道部での経験を描いています。「七帝」とは旧の帝国大学、北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の七つの大学を意味します。これらの大学の柔道部が毎年集まって行われる七帝戦。それに賭けてすさまじい訓練を積む姿が描かれています。

受験の難しさで最高峰を占めるこれらの大学にいるのは、偏差値では一握りのトップに属する学生たちです。その彼らが学生生活を楽しむということもなく、(主人公は学問すら棚上げにして)ひたすら道場で柔道に取り組みます。柔道の話一色で380ページが綴られていますが、柔道に興味が無い私のようなものでも全く飽きることがありませんでした。

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