芭蕉忌
芭蕉の忌日は、他に桃青忌・時雨忌・翁忌などとも呼ばれます。桃青(とうせい)とは芭蕉を名乗る以前に用いた俳号です。本名は忠右衛門宗房といいました。「翁」は、俳聖と呼ばれるほど高名となった芭蕉を尊敬しての言い方かと思いますが、50歳になるやならずで亡くなった人に「翁」はちょっと早いのではないか、と今の感覚なら思います。

芭蕉は伊賀に生まれ、江戸に出て俳諧の宗匠として名をあげるようになりますが、1680年(36歳)ごろからは世捨て人となり、旅に暮らしてその中で俳諧の芸術性を極めようとします。『野ざらし紀行』『おくのほそ道』など、その後は旅の中で句を詠む生活を送り、最期もまた旅の途上でした。

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