夏浅し
この19日に、浅田真央選手が来シーズンの競技会に出場しないことを表明しました。ソチから帰国直後の外国特派員協会での記者会見を見てから、「この人はとても聡明な人だ」と感心しています。今回の記者会見でも、質問に答えて率直に気持ちを語っていて、誠実な人なんだな、と思いました。「心と体が疲れているので休養が必要」「復帰についてはハーフハーフ」と繰り返し語っていました。

復帰の見通しを聞きたくて、「次の五輪で滑っているイメージはあるか」などという質問も飛んでいましたが、彼女自身が「先のことは全くわからない」と言っており、それが偽らざる本心でしょう。十五歳で世界のトップに躍り出て以来、ひとときも休まず、大きな期待を背負って練習と試合に明け暮れた8年間。仲間もコーチも舌を巻くほどの練習量をこなし続けた人です。今は、ゆっくり心身を休めていただきたいと思います。

休養宣言を受けて、メディアが佐藤信夫コーチに「復帰して欲しいと思われますか?」と質問していました。それに対し佐藤コーチは「それは私が口にすべきことではない」と返されていて、さすがだ、と思いました。「どこまでも本人の気持ちを大事にしなければならない」と、佐藤コーチは以前から言われていました。名伯楽の名伯楽たるゆえんを、このとっさの返答に見た思いがしました。

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