澄む
昨日、「できた人」と書きました。似た言葉に「できる人」というのがあります。この違いは何かと考えました。「できる人」は有能な人、能力のある人です。それに対して「できた人」を一言で説明するのは難しい。人格者や有徳者というとなんだか大げさすぎるし…。しいて言えば、立ち居振る舞いに関して誰もが安心できる人、という感じでしょうか。

「できる人」に誰もがなれるわけではありません。しかし、日々の生活の中で、心していれば「できた人」には近づけます。そのためには、自分が出会うあらゆることに、感謝の思いを持つことが大事ではないかと思います。すべてのことが自分が「できた人」になるための材料になりうる。もしかしたら、自分がいろいろなものに出会うのは、そのためかもしれません。

この世界は自分の視点ひとつで成り立っています。森羅万象の中に感謝できるところを探す。欠点ではなく、美点を探す。事柄や出来事に本来良いも悪いもなく、それにレッテルを貼ってあれこれ言うのは、人間が偏ったものの見方に囚われているからです。多分このことは人間にはとても難しい。でも目に見える能力とは関係なく、誰でもいつでもどんな立場だろうと、「できる」ことでもあります。これが「できる人」は「できた人」なんだな、きっと。
IMG_0801