楢若葉 
『時の流れに身をまかせ』というと、報われない恋愛の歌だと思っていました。競技復帰を発表した浅田真央さんが、記者会見の夜の自分のラジオ番組でこの曲をかけました。復帰か引退か気持ちが揺れる中でこの歌に気持ちを癒されたといいます。「時の流れに身をまかせればいい」と思えたからなのだそうです。

作品というのは作者のものであると同時に、鑑賞者のものでもあります。作品が発表された後、それは作者の手を離れ、鑑賞者のそれぞれの解釈の中で生きるようになります。この曲と彼女の関係もまさにそういう形になったんだな、と思いました。この歌の隣に浅田真央という人を置いて、歌詞の中の「あなた」を「スケート」に置き換えてみたら、歌の姿が新たなものになります。