□◆□…優嵐歳時記(298)…□◆□

   捨て去って冬の木立のいさぎよし   優嵐

落葉樹は冬になるとすっかり葉を落とし、枝だけになってしま
います。若葉が萌える春、青葉が繁る夏、色づく秋、とそれぞれ
魅力がありますが、骨格だけになった冬の木立というものも
私は好きです。いっさいの虚飾や余計なものをそぎ落とし、
さっぱりした風情を感じるからです。

溜め込んでいるもろもろのものをこれらの木立のようにばさっと
捨て去ることができれば、人間ももっと軽やかになれるのでは
ないか、と思います。溜めることより捨てることの方が、実は
何倍もむずかしかったりするんですよね。