門松 
店舗などの前に置く門松を配送しているトラックの姿を見ます。歳末らしい風景です。そういうのを専門に作っているところがあって、この時期にそれぞれのところにすえつけていくのでしょう。

昨日はインターネットでフィギュアスケートの全日本選手権の女子フリーを見ていました。テレビ不要とつくづく思います。全部ネットで見られます。フジテレビが放映権を持っていて、なぜかライブではありません。だから、ライストともいえず…。

全日本選手権は世界選手権の代表選考会も兼ねています。注目は何といっても浅田真央選手でした。通常であれば、代表選出に何の不安もないところだったでしょう。しかし、つい二週間前のGPFで胃腸炎を発症して6位に終わり、その後調整もままならないまま大会に臨まなければなりませんでした。

前日のSPではミスが相次いで、5位に沈み、世界選手権への切符が危ういかもしれないという重圧の中での演技になりました。演技冒頭のトリプルアクセルで転倒、さらに続く3-3ジャンプのひとつめのフリップがオーバーターンで単独ジャンプになるというミス。得点源のジャンプに失敗が続き、絶体絶命でした。

しかし、ここからたてなおし、残るジャンプは完璧に決め、演技全体の表現は見事としか言いようがないものでした。「蝶々夫人」の物語の悲劇性が彼女の苦境に重なり、強く訴えかけてくるものがありました。実況のアナウンサーが涙をこらえながら話しているのがわかり、ソチ五輪のフリーを思い出してしまいました。ソチでも実況のアナウンサーは彼女の演技が終わったあと、振り絞るように「これが…、浅田真央です」と言いました。

観客たちが掲げる「GO MAO!」というたくさんのバナー、演技を終えて立ち上がり、それを見上げた彼女の目が潤んでいるのがわかりました。結果は前日から二つ順位をあげての3位。「追い詰められると力を発揮できる」と前日話していたとおりの逆転劇でした。

浅田真央はやっぱり大スターやなあと思いました。何をやっても人の心を鷲づかみにしてしまう。すんなり復帰して優勝して、なんていうのではなく、その道程のはらはら、波乱万丈、それら全部が彼女をいっそう輝かせます。


Mao Asada - 2015 Japanese Nationals FS 投稿者 japanskate