芝桜 
甲山に登る前にその麓にある「仁川百合野町地区地すべり資料館」へ行きました。ここでは阪神淡路大震災のときに大規模な地すべりが起き、13戸の住宅が押しつぶされ34名の方が亡くなりました。

神戸や西宮のこのあたりを歩くと、住宅地が山にはりつくように建っているところがいくつもあります。ここもそうした地域のひとつで、地下水が地盤の下に入り込んでいたところに地震が起き、地すべりにつながったそうです。

日本は平地が少なく毎年どこかで土砂災害がおこります。この資料館は地すべり跡の監視、震災の記憶を後世に伝えること、土砂災害の恐ろしさを啓蒙するために建てられました。地すべりの跡地には地元の方が芝桜を植えられており、毎年一面ピンクに彩られます。

東日本大震災の跡地でも、津波の到達点を示すために桜を植えたり、木につかまって助かったという経験から、跡地に果樹を植えたりする事業があちこちでなされているようです。間もなく東日本大震災から丸五年になります。21年たったとき、この芝桜のように、跡地のあちこちで花がいっぱい咲いているでしょう。
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