はつ夏
快晴の一日でした。若葉に強い初夏の日差しが降り注ぎ、何もかもが輝いています。増位山の蛇ヶ池で亀が枯れ木の上に並んで日光浴をしていました。微動だにせず、置物のようです。

CROWDに記事を書いていて、日本人の現代の病は「欲望の病」の一面もあると感じました。その欲望は、飲み食いの欲望です。美味しいものをおなかいっぱい食べたい、食べ尽くしたい、今日も明日も明後日も、というわけです。

昔、社会全体が貧しかった頃、それはかなわない夢でした。ご馳走が食べられるのはお正月などの限られた日のみ。子どもは甘いものが欲しかったけれど容易に手に入りませんでした。

しかし、今や24時間スイーツが手に入る時代です。世界中の珍しい食べ物が日本の都会ならなんでも食べられます。食べ放題、飲み放題、グルメと飽食の極みです。どこにでも食べ物があるから、食べ物のありがたみも薄れ、逆に菓子パンと清涼飲料水が食事の代わりというようなアンバランスも生まれてきます。

自分の欲望に適度なブレーキをかけ、節度を守らないと自分の身体に内側から裏切られます。その結果が肥満、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、それらを全部あわせたメタボリックシンドローム。

お伽話では、欲望にかられた登場人物は破滅するものと相場が決まっています。「欲に目がくらんでいる」というのは、お金のことというよりも、むしろ我々に身近なのは自分の生理的欲望の方なのではないかと思います。
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