卯の花
明日から六月です。食習慣の変更は少しずつ進めています。食べる量そのものは少なくしていますが、これまでに買い込んでいる食材があるので、それを消費してしまう必要があります。バターとか冷凍しておいた牛肉とか…。食事はもともと薄味だったので、それをさらに進めることには全く抵抗はありません。

塩(塩化ナトリウム)になぜ発がん作用があるかというと、細胞のナトリウムとカリウムの代謝を狂わせるからです。細胞内液にはカリウムがナトリウムの10倍くらいあり、細胞外液はその逆になっています。細胞膜はこれらのミネラルが通り抜けられる浸透膜になっていますが、そこにナトリウムとカリウムの濃度差をこのように保つ酵素が存在します。

しかし、がん患者の身体ではこの酵素がうまく働かなくなっており、細胞内液でナトリウムの濃度が高くなっていることがわかっています。がんは代謝異常による全身の病です。だからやすやすとほかの部位にも転移していくのです。

がん細胞は健康な人の身体の中でも毎日生まれていますが、そうした不都合な細胞は免疫細胞によって排除されると同時に、その細胞自身が自殺するように仕組まれています(アポトーシス)。しかし、細胞内液のカリウムとナトリウムのバランスが崩れてしまうと、アポトーシスが起こらなくなり、その細胞は無限に増殖を始めます。

ゲルソン療法など、がんの食事療法は塩分(ナトリウム)を極端に減らし、野菜ジュースでカリウムを膨大に摂取するという共通点があります。そうすると、細胞外液中のカリウムが増え、浸透圧の関係で細胞内液にカリウムが取り込まれていきます。

そして、細胞内のカリウム濃度が一定の値を超えると、細胞のアポトーシスの仕組みが蘇り、がん細胞は一斉に消滅するというわけです。そのため、全身に転移があるようながんでも同時にそれらが消滅していく現象も見られています。

塩分を多量に摂取することは、この代謝異常を起こしやすい状態(発ガンしやすい状態)へと全身の細胞を誘っていることになります。生体に必要なナトリウムはすでに食材自身に十分に含まれています。
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