立待月
旧暦8月17日の月を立待月(たちまちづき)といいます。月の出は少しずつ遅くなっていきます。立って待っているとすぐに昇ってくる月というような意味と考えられます。

18日は居待月(いまちづき)、今夜昇る月です。月の片側が暗くなり始め、名月よりは月の出が一時間ほど遅くなります。居間にすわってゆったりと月の出を迎える趣です。

19日は臥待月(ふしまちづき)です。現代ならまだ宵の口ですが、電気的な灯りのなかった時代ではそろそろ床に入るころで、そこで臥して月の出を待っているのです。月はかなり欠け、名月の華やかな興奮は去り、しんみりした雰囲気になっています。

20日は更待月(ふけまちづき)となり、月の出は午後10時ころです。かなり欠けて半月に近くなっており、月の光も衰えて寂しい情趣があります。

名月の前日は待宵(まつよい)といい、それぞれの夜にまた別の言葉がいくつかあって、昔の日本人が月をどれほど愛でたのかが想像できます。

名月だけでなく、後々までもそのイメージを心に残しながら欠けていく月を思うという高度な遊びの感覚をもっていたのです。

昨夜は雨になり、今日も雨が降り続いています。居待月は見られそうもありません。
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