優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年02月

□◆□…優嵐歳時記(353)…□◆□

  治りつつまたひきかえす春の風邪  優嵐

どうやらまた風邪をひいたようです。一年半近く風邪をひいて
いない、と自慢した去年の秋はどこへやら、年末にひどい風邪
をひいて声が出なくなり、それから年を越して、治ったと
思ったところが、咳がとれなかったり、鼻水が続いたり。
すっきりしません。

同じ風邪が続いている、というより、次々と別のウイルスの
訪問を受けている感じです。寝込むようなことはないのですが、
それでもやはり、鬱陶しいものです。このごろになると風邪と
いうより「花粉症じゃないのー」なんていわれて、そういう
季節なんですね。

□◆□…優嵐歳時記(352)…□◆□

  バレンタインデーあとの売り場のがらんどう  優嵐

今日近所のスーパーへ行ったら、入り口前の棚がやけにがらん
としていました。いぶかしく思って目をこらしてみると、
「おくれてごめんね」の札とともにわずかなチョコレートが
置いてありました。さすがというべきか。

バレンタインデーそのものは世界的な日でも、そこにチョコ
レートがくっついてくるのは、日本だけです。チョコレート
業界は最初にこのアイディアを考えた人の銅像をたてて顕彰
してもいいくらいではないでしょうか。

高級チョコレートの売り上げの多くはこの日によるもので
しょうし、実に日本的な「義理チョコ」、そのうえに
「ホワイトデー」というお返しの日まで作ってしまうという、
恐るべし日本の贈答文化。

□◆□…優嵐歳時記(351)…□◆□

   夕焼けをたどれば高し春三日月  優嵐

昨日は陰暦では睦月の五日でした。正確に言うと三日月で
はないのですが、夕暮れ時、まだ夕焼けが西の空に残る
ころ、その夕焼けのグラデーションをたどっていくと、
中天にちょうど何かを受けるお皿のようにかかっている月
が見えました。

夕暮れ時がしだいに長くなり、春だなと感じます。単に
三日月とだけいうと秋の季語になりますので、それ以外の
ときは季節を頭につけて詠みます。「春三日月」「夏三日月」
「冬三日月」それだけで同じ三日月でも随分喚起される
イメージが異なりますね。

□◆□…優嵐歳時記(350)…□◆□

   サキソフォン聞こえし春の昼下がり  優嵐

夜の間に降った雨が朝にはあがり、暖かな一日でした。
前の家のどこかでサキソフォンの練習をしている人が
あり、その音が聞こえてきます。音の感じからアルト
サックスかな、と思いながら聞いていました。高校生の
ころ、クラブ活動でテナーサックスを吹いていましたので、
サキソフォンの音にはなじみがあります。

今日も特に出かけず、部屋で本を読んだりblogを更新したり
していました。私はこの歳時記のblogのほかに5つのblog
を書いています。毎日更新するのはこの歳時記と箴言の
ふたつです。毎日というのは大変なようですが、これが
ひとつのリズムになって生活の句読点を作ってくれます。
アクセスカウンターの数字が伸びているのも楽しみのひとつ
です。

□◆□…優嵐歳時記(349)…□◆□

    春の霜影三角に残りけり  優嵐

今朝の姫路はよく晴れて冷え込みました。朝おきてみると
真っ白に霜がおりていました。それでも朝日が昇ると
すぐに消えてしまいます。屋根の影にわずかに白く残る
霜がはかなげでした。

三連休の真ん中ですが、特に出かける予定はなく、家で
一日読書をして過ごしました。読みたいと思っていた本が
山積みなのですが、なかなか一気に読むこともできません。
中には期待はずれのものもあり、そういう本は途中から
斜め読みになってしまいます。

律儀に最初から最後まで読んだのは子どものときの読書で、
時間がおしい最近では、早々に見切りをつけてさっと
読み飛ばし、次の本へ移ることになります。

□◆□…優嵐歳時記(348)…□◆□

   陽光を全身に浴び春スキー  優嵐

スキーには2年間行っていません。それまでといえば、
シーズン中の連休は欠かさず信州の山に入っているという
状態でした。春とはいえ今ごろの雪質は素晴らしく、スキー
シーズンの最盛期です。最後にいったのは、北海道の羊蹄山
でした。こんなことを書いていると、スキーに行きたく
なってきますね。

スキーのおもしろさは生身の身体であれだけのスピードが
出るということでしょうか。ゲレンデでは飛ばし屋でした。
今はまだそれほどではありませんが、3月ともなれば
紫外線がかなり強くなります。一度ゴールデンウイークに
スキーをしたことがありますが、日焼けしないように
バンダナで覆面をして滑りました。

□◆□…優嵐歳時記(347)…□◆□

   背伸びする窓の向こうに山笑う  優嵐

昨夜の雨は夜のうちにあがり、今日はまた暖かな姫路でした。
「山笑う」とは、早春の山がうっすらと霞がかってどことなく
艶めいてくるさまをあらわしています。「春山澹冶にして笑ふ
が如く」といった北宋の山水画家郭煕の言葉から出た季語です。

どうように山を擬人化して夏は「山滴る」、秋は「山粧う」、
冬は「山眠る」といいます。命の目覚めの季節を迎え、生気
がきざしはじめた山の雰囲気を「笑う」ととらえたものです。
笑うといっても大笑いではなく、ほのかに微笑む感じでしょう。
雪国の山はまだ深い眠りの中でしょうが、姫路のように暖かい
ところでは、確かに山は微笑み始めています。

□◆□…優嵐歳時記(346)…□◆□

   春きざすコートに響く球の音  優嵐

さきほどナイターのテニスから戻ってきました。今日は暖かく、
ボールを追って走り回るとすぐに汗をかきました。日中も
日ざしが出ていた間は、車に乗っていると暑いくらいでした。
先週の今日は雪が積もったのに、今日は3月中旬の暖かさで、
一気に季節が進んだ感じがしました。

「春きざす」は気候や風情がなんとなく春らしくなってくる
ことをさします。「春めく」などともいいます。今日の暖かさ
の中で山や野原もどことなく春らしい柔らかい空気をまとって
いるように見えました。夕方からは雲が出て、今夜はお天気が
崩れるようです。

□◆□…優嵐歳時記(345)…□◆□

   早春にテイクアウトのピザを買う  優嵐

あまりファーストフードは食べない方ですが、先日初めて
ピザを買って帰りました。ちょうどピザが入る大きさの
ダンボール容器に入れてくれます。電話をしておけば待たず
に持ち帰れるようです。ダンボールがほどよい断熱材の
役割をして、家に帰ってからも暖かでした。

近所にはハンバーガーはもちろん、フライドチキン、お寿司、
コロッケ、サンドイッチなどいろいろなテイクアウトの
食べ物屋さんがあります。これから暖かくなるとこういう
ものを買って、川の土手などで春風に吹かれながら食べる
のがいいかもしれません。

□◆□…優嵐歳時記(344)…□◆□

   やわらかき二月の雨の降りにけり  優嵐

夕方から細かな雨が降り始めた姫路です。明日もどうやら雨
模様です。「二月」は月の始めに寒があけるため、春の季語
になっています。寒さは厳しいですが、日差しのきらめきに
春を感じるころです。

先日の雪のあと、工事中の道を通ったために車は泥だらけ
です。来年兵庫県で国体が行われますので、そのために会場
になる施設近くの道路はいずこも改修工事が進められていま
す。国体がくると道がよくなる、というのは本当のようです。

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