優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年04月

□◆□…優嵐歳時記(413)…□◆□

   静かなり桜蘂降る雨の午後  優嵐

一日中雨が降っていました。この雨に洗われて新緑がさらに
みずみずしく感じられます。桜の花が散りつくし、花びらが
なくなってしまうと、それを追うように今度は桜の紅い蘂
(しべ)やがくが散り始めます。それを「桜しべ降る」と
いいます。花の季節が終わったことに一抹の寂しさを感じます。

雨が降る中、郵便ポストまで傘をさして歩いていると足元
の水溜りの中にも桜しべが散り敷いていました。春から
初夏へ、季節が移り変わっていきます。

□◆□…優嵐歳時記(412)…□◆□

   葉桜へ吹きくる風の心地よく  優嵐

桜はもうすっかり散り、葉桜になりました。周囲の山から
もヤマザクラの色が消え、萌え出した緑が山肌を彩り
始めています。ヤマツツジもそろそろ咲き始めました。
いいお天気の昼間ですと、もう初夏の香りがします。
風もすでに春風から薫風へと少しずつ姿を変えつつあり
ます。

どこかへ出かけるには最適の季節になりました。間もなく
ゴールデンウイークです。勤務をしていたころはこのときに
工夫をして有給休暇をとり、あちこち旅行をしました。
しかし、今年からはもうこの高い混雑する期間にあえて旅行
をすることはなくなりました。

行くならゴールデンウイーク明けだな、と思っています。
5月中旬から6月初めあたり、まさに薫風のころです。

□◆□…優嵐歳時記(411)…□◆□

   菜の花のカーブを抜けて菜の花へ  優嵐

オートバイで走るときの景色の移り変わりというのは
独特のものです。車に乗っているときとも電車に乗って
いるときとも異なります。もちろん歩いているときとは
また違います。歩くときは歩くときの景色の見え方と
いうのがあり、それはそれでまた良いものですが、
オートバイの速度感の中で見る景色も大好きです。

土曜日には菜の花が咲いている道を走りました。菜の花
から菜の花へ、桜から桜へ…。桜の淡い優しい色合いも
春ならではのものですが、菜の花の明るいこちらを元気
づけてくれるような黄色も春らしい色といえますね。

□◆□…優嵐歳時記(410)…□◆□

   目白きて残る桜の蜜を吸う  優嵐

天気予報が今日も快晴といっていたので、朝早く起きて
丹後半島一周ツーリングにでかけました。国道178号に
入り、久美浜までくれば、青い日本海がすぐそこに見え
ます。

丹後半島の先端には経ヶ岬灯台があり、駐車場から歩いて
灯台までいくことができます。ちょっと足を伸ばして
岬の山の上まで上がってみました。がさごそ音がするの
でそちらに目をやると、ニホンザルの群れがいました。

展望台でのんびりしていると、かたわらの桜にメジロが
3羽きてさかんに桜の蜜を吸っています。海は青く、鳥は
歌い、花は散る…、いいものです。

□◆□…優嵐歳時記(409)…□◆□

   走り行くいずこも桜吹雪かな  優嵐

今日はとてもいいお天気だったので、オートバイで走って
きました。国道29号を北へ。この道は姫路と鳥取を結ぶ
幹線道路ですが、旧・山崎町(宍粟市)を抜けるとぐんと
交通量が減ります。中国山地の奥にむかってバイクを走ら
せます。国道429号に入ればさらに交通量は少なくなります。

志引峠を越えれば岡山県東粟倉村です。桜、連翹、こぶし、
菜の花、白木蓮、紫木蓮、黄水仙などが次々に目の前を
流れていきます。あらゆるところに桜があり、その下を
走るたびに散ってくる花びらを浴びます。

国道373号に入り、さらに県道7号を南へ下りました。この
道は信号が皆無といっていいくらいで、とても快適なツー
リングを楽しむことができました。小さな町を結ぶ県道は
オートバイで走るのに最高です。

□◆□…優嵐歳時記(408)…□◆□

   ひとりいて天に三日月地に花明かり  優嵐

姫路で桜が満開だった今週初め、西の空に三日月が出て
いました。満月に満開というのもいいですが、三日月と
のとりあわせもまた趣がありました。夜、特に灯りが
なくてもしばらくすれば目が慣れてきて闇の中から桜の
色が浮き立って見えてきます。

毎週水曜日に私はナイターでテニスをしているのですが、
今週はテニスが終わったあと、仲間で近所の川べりの
桜並木の下へ敷物、ランタン、食べ物持参で夜桜を見に
行きました。朝、昼、夜、咲き初めから花吹雪まで、
わずかな期間ですが、それだからこそ桜に酔って春を
楽しむのがまたいいのですね。

家の近所の桜はもう三分の一くらい散ってしまいました。
まわりの山も気がつけば若葉の色が兆しています。桜
が散ってしまうと山はみずみずしい新緑をまとい、初夏
の装いに変わっていきます。

□◆□…優嵐歳時記(407)…□◆□

   花びらの散り敷く中を啄木忌  優嵐

昨日は石川啄木の命日でした。1911年4月13日、肺結核のため
27歳で亡くなっています。前年には最初の歌集『一握の砂』
を発表。「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹と
たはむる」や「たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに
泣きて三歩あゆまず」「はたらけど はたらけど猶わが生活
楽にならざりぢっと手を見る」といった歌がおさめられて
います。

彼の故郷岩手県では桜はまだこれからです。以前ゴールデン
ウイークに岩手県を訪れたことがあります。子どもの日のころ、
盛岡では桜が満開でした。彼が亡くなったのは東京でのこと
でしたから、きっと死の床で散り行く桜を見つめていたこと
でしょう。第二歌集『悲しき玩具』は、死後発表されました。

□◆□…優嵐歳時記(406)…□◆□

   焼きたてのパン買い花吹雪をもどる  優嵐

気温はまだ低いままですが、家のまわりの桜が散り始めました。
仕事のあいまに近所のパン屋さんまで昼食用のパンを買いに
いきました。このころは雨もやみ、薄日が差し始めていました。
今年の桜は開花が遅く、開花したとたんに気温が上がって
一気に花が開き、実質的には一週間ほどで散ってしまうという
早業でした。

年によっては咲き始めてから寒い日がつづき、かなり長期間
楽しめることもありますが、今年は残念ながらもうさようなら、
です。舞い落ちてくる花びらを受け、また地面に散り敷いた
花びらを踏みながら歩くのもこの季節ならではのことです。

□◆□…優嵐歳時記(405)…□◆□

   桜時静かに雨の降りつづく  優嵐

花冷えがつづきます。今日は家の中にいても一枚上に羽織り
たいくらい気温の低い日でした。朝から降り始めた雨が
一日中降り続き、それも気温があがらなかったことの一因
かもしれません。

公務員を辞めて意外なほどよかったなと思うのは「出勤」
という行為をしなくていいことです。それほど長時間の通勤
ではありませんでしたが、それでも毎日1時間くらいの時間
がそれに費やされていたわけです。

こんな雨の日はあまり出かけたいとは思わないものです。
今の仕事はパソコンの画面が相手ですから、それを見ながら
手のすいたときは何をしていてもかまいません。自由って
こういうことかも…と思っています。

□◆□…優嵐歳時記(404)…□◆□

   天守閣夜空に映えて花の冷え  優嵐

昨夜は強い風が吹いていました。花が気になりましたが、家の
まわりの桜はまだほとんど散っていません。夕方から姫路城へ
お花見に出かけました。今日は気温が低く、夕暮れ時には厚手
の上着がないとつらい感じでした。

姫路城の桜はすでに散り始めていて、あちこちに花びらが吹き
寄せられていました。月曜日でしたが、三の丸広場にシートを
広げて夜桜を楽しむグループがいくつも見られました。

姫路城はライトアップされ、広場のまわりにもぼんぼりが灯さ
れて、夕闇が迫るにしたがい、灯りの中に浮かぶ桜と姫路城の
美しさが幻想的に際立っていました。

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