優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年04月

□◆□…優嵐歳時記(403)…□◆□

   人声はまだなき清し朝桜  優嵐

昨日、今日と暖かい日がつづいてソメイヨシノはもう満開と
いっていい姫路です。山も里も桜の色が散りばめられて華やか
です。桜はやはり春のクライマックスを飾るにふさわしい花
だと思います。

髪を切ってきました。自転車で美容院までいき、桜を眺めながら
のんびりと帰ってきました。姫路城は大変な人出だったようです。
この季節は平日に出かけても三の丸広場がお花見の人でいっぱい
ですから、週末は場所取りだけで大変だっただろうと思います。

夜になって雨が落ち始めました。まだ散らずにいてくれるだろう
とは思いますが、この季節、雨につけ風につけ心穏やかでは
いられない人が多いのではないでしょうか。散るからこその桜
の美しさ、とは思うのですが。

□◆□…優嵐歳時記(402)…□◆□

   できたての豆腐食べつつ春景色  優嵐

今日はとてもいいお天気でした。暖かく風もなく一気に桜の
開花が進みました。オートバイで国道372号を走り、京都府
園部町まで行ってきました。この道は丹波篠山を経由して、
京都府亀岡まで続いています。信号が少なく適度なアップ
ダウンがあり、ツーリングには最適の道です。

お昼ごはんを旧の今田町(篠山市)の一角で食べました。
できたてのお豆腐とごぼう入りのご飯、高台にある施設から
篠山盆地を眺め、のどかな気分になりました。このあたりの
ソメイヨシノはまだちらほら程度です。ヤマザクラは周囲の
山を彩っていましたが。

どこか一ヶ所で腰を落ち着けてのお花見もいいものですが、
こうしてオートバイで走りなが視界の中を移り変わっていく
桜を楽しむのもいいものです。

□◆□…優嵐歳時記(401)…□◆□

   仏舎利塔爛漫として夕桜  優嵐

仏舎利とはお釈迦さまの骨のことです。今日は「花祭」、
ブッダの誕生を祝う日でもあります。大阪四天王寺の花祭
はことに盛大で有名です。今日は四天王寺を建立した聖徳
太子が亡くなった日でもあるのですね。

姫路の名古山霊園には仏舎利塔があります。私が通った高校
の近くで、卒業アルバムの記念写真をここで撮ったクラスも
ありました。私たちのクラスは姫路城でしたが。車で今日、
この近くを通りました。やはり行事がおこなわれていたらしく、
五分咲きの桜の間に幟が並んでいました。

随分日が長くなりました。夕陽も何かさくら色です。

□◆□…優嵐歳時記(400)…□◆□

   人影のなき水門に春の花  優嵐

スーパーカブを中古バイク屋さんに売却してきました。これ
まで通勤に使っていたのですが、通勤することがなくなり、
変わってオートバイの出番が増えることになります。自転車
のメインテナンスもしなければ、と思いました。私は二輪が
好きで、これまでオートバイ、原付、MTB、折り畳み自転車
を所有していました。風を切って走るあの感じが大好きなの
です。

カブを手放したあと、ヘルメットを抱えて家まで歩いて帰り
ました。近所ですが、あまり歩いたことのない道をぶらぶら
帰っていると、ちょっと古風な水門を見つけました。まわり
は三分咲きの桜が枝を広げています。回り道をして、市川の
川べりまでおりてみました。前山のヤマザクラが淡い色を
見せ、その間からウグイスの鳴き声が聞こえてきます。

「春の花」は「花」とも詠み、桜を指します。桜に関連した
季語は実にたくさんあり、日本人にとってどれほど桜が特別
な存在かということがよくわかります。

□◆□…優嵐歳時記(399)…□◆□

   鶯の一声空気澄み渡る  優嵐

昼間は部屋にいてパソコン相手に新しい仕事をしています。
出勤しなくていいというのは、こんなにも素晴らしいことか、
と感激しています。時々ウグイスの声が聞こえてきます。
他の物音は単なる雑音にすぎませんが、ウグイスの声が
聞こえると、一瞬手を止めて耳を澄ましてしまいます。

「鶯や文字も知らずに歌心 虚子」という句がありますが、
全くそのとおりだな、と思います。ソメイヨシノは見るたびに
一輪、また一輪と花を開いています。今日はかなり暖かく、
開花が進んだようです。しかし、この調子でいくと、お花見
の最盛期は来週末くらいか、と思われます。

□◆□…優嵐歳時記(398)…□◆□

   始まりにいつも見上げし初桜  優嵐

家のまわりにあるソメイヨシノがちらほらと咲き始めました。
気温が低めですから一気に開花とはいかないようです。
明日、4月6日は「城の日」で、姫路城では例年さまざまな
イベントがおこなわれます。桜が満開になるころなのですが、
今年はどうやら、花の雲に浮かぶ白鷺城、とはいかないよう
です。

この春は大きく生活が変わりました。入学、進学、就職などで
新しい環境に入っていかれた方も多いことでしょう。それぞれ
の思いで咲き始めた桜を愛でていらっしゃるのでは、と
思います。

□◆□…優嵐歳時記(397)…□◆□

   新しき門出に香る木の芽和  優嵐

「木の芽和」は山椒の若芽をすりつぶし、砂糖と白味噌を加えて
混ぜ合わせたものです。山椒に茹でた筍や烏賊をあわせることも
あります。春の酒の肴としておなじみの一品です。

昨日、私の新しいスタートを日本料理の店で姉たちが祝ってくれ
ました。和食の魅力はやはり季節感です。和と季節は切っても
切れないものだな、と感じます。一品ずつこれも季節を感じさせる
器に丁寧に盛り付けられて運ばれてくるお料理。目で楽しみ、
それから舌で楽しむという贅沢があります。

□◆□…優嵐歳時記(396)…□◆□

   雨あがる彼岸桜に風強く  優嵐

夕方に寒冷前線が通過して雨が降りました。雨があがったあとは
気温が下がり強い風が吹いています。ソメイヨシノはようやく
開花し始めましたが、この寒さでまた花の開き具合は足踏みと
いうことになるでしょう。桜の時期にあわせていろいろなイベント
が予定されており、その関係者にはやきもきされている方も多い
ことと思います。

そんな中で近所に一本だけすでに花を咲かせている桜がありました。
彼岸桜の一種でしょう。名前のとおり、春のお彼岸のころに咲く早
咲きの桜です。近くにはヤマザクラもありましたが、こちらの開花は
まだです。

□◆□…優嵐歳時記(395)…□◆□

  風に乗り初つばめまた軽やかに  優嵐

今日の午後、散歩をしていたら、頭上の電線でさえずっている
つばめに気がつきました。すーっと視界を横切って飛ぶもう一羽
の姿もあります。その年初めて見るつばめのことを「初つばめ」
といいます。例年姫路には三月半ばすぎにはやってきます。

今年は彼岸明けのころにもまだ姿がなく、遅いなと思っていました。
三月下旬が寒かったので、なかなか姿を見せなかったのかもしれま
せん。私自身の生活があわただしく、気づかなかったのかも、
とも思います。

あの軽やかな飛翔は春にふさわしいものです。つばめがさえずって
いる下ではそろそろ桜のつぼみがふくらんで明日にも開花しそうな
気配です。梅園の梅はほぼ終わり、梅の根元にタンポポが咲いて
いました。

□◆□…優嵐歳時記(394)…□◆□

  今日からは何と名乗らむ四月来る  優嵐

四月になりました。角を曲がったら突然そこに新しい生活
があった、という気分です。これまではずっと肩書きが
ありました。小学生とか公務員とか。それがすっかりとれ、
いちおう取締役なので「社長か」なんて思っています。
たったひとりでもとにかく社長は社長(笑)。

うぐいすの鳴き声がさかん聞こえる中でパソコンに向かって
いました。まだ時々時計を見ては「ああ、今頃はこんなこと
をしているだろうな」なんて前の職場のことを思い出して
いました。でも、それもしだいに日ごとに薄れていくのでしょう。

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