優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年07月

□◆□…優嵐歳時記(508)…□◆□

   さっぱりと雷雨去りたる川面かな   優嵐

雷はどの季節にも発生しますが、夏は強い日射によって
積乱雲が発達しやすく、もっとも雷の多い時期です。
特に海や山などで雷に出会うと落雷の危険も大きく恐ろ
しい現象です。

その一方、蒸し暑い昼に雷雨がさっと通り過ぎてくれると
一気に気温が下がり、そのあとは随分過ごしやすくなり
ます。今朝は、朝から雷雨でした。パソコンの電源を
落として雷鳴に聞き入っていました。窓の外に稲光が
見えました。美しいものです。


□◆□…優嵐歳時記(507)…□◆□

   脱水の始まる音よ朝ぐもり   優嵐

猛暑が続くころの朝、靄がかかってどんよりとくもることが
よくあります。前日強い日射で空に昇っていた水蒸気が冷えて
曇りの日のようになることで「朝ぐもり」といいます。一瞬
お天気が悪いのかなと思うのですが、すぐに日が差し始め
ぎらぎらした太陽が顔を出します。

私は夏ばての経験はなく、夏やせもしませんが、今ごろの
時期は夏に弱い方にはつらい時期です。冷たい飲み物を飲み
すぎて逆に夏に太るという方もいらっしゃいます。一方、
クーラーが効きすぎて冷房病になる方もあり、体調管理が
大事ですね。

□◆□…優嵐歳時記(506)…□◆□

   涼風に吹かれて楽し風呂あがり   優嵐

「涼風」は「すずかぜ」とも「りょうふう」とも詠みます。
今日の句の場合は「すずかぜ」と読んでください。昼間も
よく風が通ってきもちのいい私の部屋ですが、夜は電灯を
つけるため、窓を閉めます。

お風呂あがりにベランダへ出れば、夜気が心地よく感じられ、
川風が涼しく吹いてきます。ほっとするひとときです。
思えば幸せというのは、こういうものごとの落差の中に感じ
るものですね。暑いときの涼しさ、寒いときの暖かさ、
のどが渇いているときの飲み水、空腹のときの食べ物など
みんなそうです。

□◆□…優嵐歳時記(505)…□◆□

   ターコイズブルーに明けて夏の朝   優嵐

台風の余波が去った翌朝は美しい空の色でした。宝石はよく
色の名前として登場します。ターコイズはペルシャ産ですが、
トルコを経由して地中海地方にもたらされたことからターコイズ
(トルコ石)と呼ばれました。

古代ペルシャ人はターコイズの鮮やかな色に悪魔を退ける力が
あると信じ、装飾品として用いたり、宮殿の壁を飾るタイルや
レンガにもこの色の釉薬を使いました。濃いブルーから、青み
のかったグリーンまでターコイズにはさまざまな色があります。
12月の誕生石であり、宝石言葉は“成功”です。

□◆□…優嵐歳時記(504)…□◆□

   ポロシャツの肩でプレーの汗拭う   優嵐

今夜もナイターでテニスをしてきました。真夏も真冬もテニス
をしますが、冬の方が動き回る分、過ごしやすいと思います。
特に夕方の風が止まる時間はコートの中にいても大変蒸し暑く
立っているだけでじんわりと汗がつたいます。

テレビでグランドスラム大会の試合など見ますと、選手が
ゲームの間に自分の席へ戻ったときは必ず水分を少しずつ
摂取しています。シングルスは特に運動量が多いですから、
あのようにしていないと、たちまち脱水状態になってしまう
でしょう。

□◆□…優嵐歳時記(503)…□◆□

   アイスコーヒーからんと音をさせて飲む   優嵐

台風7号は今日、千葉県に上陸したようです。姫路は朝方
こそ少し風が強かったですが、雨もすぐにやんで、あとは
平穏な一日でした。

ふだんは夏でも熱いコーヒーを飲みますが、今日うかがった
事務所で、アイスコーヒーをだしていただきました。通常の
アイスコーヒーと少し違ったのは、冷えているのにコーヒー
の香りが残っていたことでした。いれかたにコツがあるので
しょうね。

□◆□…優嵐歳時記(502)…□◆□

   サングラスうしろの視線大胆に   優嵐

サングラスは夏だけでなく、強烈な紫外線を浴びる冬の
スキーやスノーボードにも欠かせないものではありますが、
その雰囲気からか夏の季語になっています。ミラーグラス
などをかけますと、視線が完全に見えなくなり、どこを
見ているか他の人にはわかりません。

素のままでは無遠慮に人の顔を見つめることはできません
が、視線が気取られなければ、さりげなく観察している
こともできます。日本人は虹彩の色が濃いため、半分は
ファッションという感じでしたが、近年では紫外線の影響
を避けるために着用する人が増えているようです。

□◆□…優嵐歳時記(501)…□◆□

   静けさの真ん中にあり夏真昼   優嵐

昨日も今日もいいお天気でした。太陽はぎらぎらと照りつけ、
海や山へでも出かけるならいざ知らず、近所へ買い物に出る
なら、ちょっと日が翳ってからにしようか、という気になり
ます。そう思う人が多いのか真夏の真昼間というのは不思議
な静けさがあります。

蝉の声も朝の方がむしろ激しくて、昼間は少し休んでいる
ようにも思えます。真夏の昼間の暑さのことを「炎昼」と
もいいますが、字を見ただけで、恐ろしいような暑さが
想像できます。酷寒とか酷暑とか、ものごとが極まると、
人間の存在はかすんで小さいものに感じられます。

□◆□…優嵐歳時記(500)…□◆□

   目覚めればすでに高かり蝉の声   優嵐

盛夏です。早朝から、盛んに油蝉が鳴いています。この
ジージーと油で揚げるような声を聞くと、どっと暑さが
つのる思いがします。それと同時に真夏の強いエネルギー
も感じます。

蝉は数年から十数年を地中で過ごし、成虫となってからの
地上での命はわずか一週間ほどです。以前キャンプをして
いて、蝉の羽化を見たことがあります。背中が割れてまだ
淡いほとんど色彩のない蝉の身体がそろそろと現れてくる
のを見るのは感動的でした。

□◆□…優嵐歳時記(499)…□◆□

   海の家いつも流れし流行歌   優嵐

今日も暑い一日でした。夏休みに入り、海は海水浴の人で
にぎわっていることと思います。ときにはいもの子を洗う
ような人出で、ああ、ご苦労さま、と思ってしまいます。
子どものころは毎年どこかの海に海水浴に連れて行って
もらいました。日焼けも何も気にならなかったころです。

まだ泳げないころは浮き袋を、無理なく泳げるようになって
からは水中メガネをもって出かけました。海水浴に最後に
出かけたのはもう何年前かなと考えます。その後、八重山
群島まで出かけてシュノーケリングを楽しむようになり、
海の家とも随分ご無沙汰です。

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