優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年07月

□◆□…優嵐歳時記(498)…□◆□

   窓よりの風の幸せ昼寝覚   優嵐

「昼寝」は夏の季語です。暑さによる体力の消耗をさける
ために午後のひととき睡眠をとります。昼寝は知力の回復
にもいいとかで、今ではビジネス街のお昼に昼寝をさせる
店もあるとのことです。

私の部屋は昼間、窓を開け放っていれば風が気持ちよく
通り、クーラーは要りません。昼食後のひとときちょっと
横になって少し眠れば消化にもいいですし、気分転換にも
なります。寝入るときも目覚めたときも、風を感じられる
のは夏の至福のひとつです。

□◆□…優嵐歳時記(497)…□◆□

   うるみつつ夏満月の昇りくる   優嵐

今宵は満月です。ナイターでテニスをしているとコートの
向こうにある小学校の校舎の上からぬっと大きな月が顔を
出しました。湿気のせいでしょうか、うるんで見えます。
コートの上も、今夜はほとんど風がありませんでした。

蒸し暑く、何度かラリーをするだけで汗びっしょりになって
しまいました。家に帰ってすぐに入浴してさっぱりし、
さきほど晩ごはんを食べながらノンアルコールビールを飲み
ました。私はお酒に弱いので、普通のビールだと酔っ払って
しまいますが、ノンアルコールビールののど越しのよさが
最近は気に入っています。

□◆□…優嵐歳時記(496)…□◆□

   新しきことの始まり土用入   優嵐

今日から土用です。土用はもともと中国の五行説(宇宙の
すべてのものは木・火・土・金・水より成るとする説)
からきたもので、四季のそれぞれの終わりの18、9日間
を土の支配する土用としました。しかし、現在では土用と
いえば、夏の土用をさします。立秋前の最も暑い期間です。

土用の初日を「土用入(どよういり)」または「土用太郎」
といいます。昨日からISIS編集学校の「守」が始まり、
私が担当する教室も動き始めました。何かが終わり、そして
また新しく始まる、季節の巡りにも似たこの新鮮な感覚が
好きです。

□◆□…優嵐歳時記(495)…□◆□

   短夜を語り明かせる六本木   優嵐

昨日は赤坂でISIS編集学校の感門之盟が開かれ、私も
参加してきました。この学校の活動に関わらせていただい
て3年になります。感門之盟は学校のひとつの期が終了
したことをお祝いする会です。久しぶりに会う人たちと
挨拶をかわし、ひとときを楽しみました。

会が終わったあとも当然、話はつきません。都合のつく
人たちと二次会、三次会へと流れていきます。私は四人の
仲間たちと六本木へ向かい、終夜営業の店でつきぬ話に
興じました。いくらでも話が膨らみ、気がついたら夏の
短い夜は白々とあけ始めていました。

□◆□…優嵐歳時記(494)…□◆□

   めし隠す大き鮨ネタ頬張りぬ   優嵐

「鮨」が季語ときいて驚かれるかもしれません。確かに
季語の中には、そこに入っている理由が今となっては
定かでないというものもあります。おそらく、酢が防腐剤
の役割を果たし、その匂いが食欲の落ちる夏には味覚を
そそるからだろうと言われています。

以前はご馳走の代名詞だった鮨も今では回転寿司などの
普及ですっかり普段の食べ物になりました。とはいえ、
本格的な鮨屋というのは私にはやはりまだ敷居の高い
ところです。

□◆□…優嵐歳時記(493)…□◆□

   中空に雲湧き梅雨の明け近し   優嵐

九州南部で梅雨が明けました。姫路も今日は朝からいい
お天気で、日差しは真夏を感じさせました。川や山や
木々の緑も盛夏の勢いがあります。空には雲が湧き出て、
こういうときはうきうきしてきます。

日差しが強く、昼間の車の運転にはサングラスが必要です。
最近は、日焼けが忌み嫌われるようになり、UV対策商品
が数多く出回っています。コンタクトレンズのときは普通
の偏向サングラスをかけますが、眼鏡をかけているとき
でも使えるオーバーサングラスも購入しました。

□◆□…優嵐歳時記(492)…□◆□

   あんみつや年の差のある友もよし   優嵐

今夜は仕事でご縁をいただいていた気功の先生と夕食を
ごいっしょしてきました。もう60歳を越えておられ、お孫
さんもいらっしゃるのですが、とても若々しく、美人で
明るくてかっこいい方です。話題も豊富な方で、あっと
いう間に時間がたってしまいました。

「同じ世代じゃないお友達というのはいいわね」とおっ
しゃったのが印象に残っています。確かに、学生時代の
同級生のように、遠慮なくくだけた口調で話せる友人と
いうのもいいですが、世代が違い、経験が異なる方と
友人として話せるのは貴重だな、と思います。

□◆□…優嵐歳時記(491)…□◆□

   夕暮れて雨となりけり冷奴   優嵐

一日中どんよりとした曇空でしたが、夕方になってとうとう
降りだしました。「冷奴」は冷えた豆腐に生姜やねぎなどの
薬味を添え、醤油をかけて食べます。手軽で涼味あふれる
夏の定番です。豆腐そのもののうまさで食べますので、やはり
おいしいお豆腐が欲しいところです。

豆腐は四季を問わず幅広い料理に使える食材です。手を加えて
よし、このようにシンプルに食べてよし。冬になると温めて
「温奴」にもなります。それにしてもなぜ豆腐のことを奴と
いうのでしょうか。料理のさまざまな語源を探ってみるのも
ひとつのトリビアですね。

□◆□…優嵐歳時記(490)…□◆□

   遠景を隠して荒し梅の雨   優嵐

今朝は激しい雨でした。雨音で眼が覚め、窓の外が白く
なっていました。一気に降った分、お昼前にはあがって
午後からは日もさしてきましたが、まだまだすっきりとは
しません。そろそろ梅雨明けも近いかと思うのですが、
今年の梅雨は妙な入り方をしたので、どうなることかと
思っています。

梅雨明け宣言があるとないでは行楽地、特に海水浴場の
人出に大きな差が出るそうです。気持ちの問題なのでしょう。
梅雨が明けると、盛夏。夏としては、もう晩夏になります。
8月7日が立秋ですから、そこを過ぎれば暑くても初秋なの
です。日差しの感じがはっきり違ってくるのがわかります。

□◆□…優嵐歳時記(489)…□◆□

   語らいは弾みつ苺ゼリーゆれ   優嵐

今夜は友人たちと食事をしてきました。涼しげなメニュー
のフランス料理です。生演奏のピアノが流れ、庭には流れ
落ちる滝が作られており、いい雰囲気でした。湿気が多く、
うっとおしい空模様の日が続きますが、そういうときこそ
こうして気分を変えておいしい料理を食べながらいろいろ
な話を楽しむのはいいものです。

食事をしながら会話を楽しむ、これは、大昔から人間の
一番の娯楽だったでしょうし、これから世の中がどんなに
変わってもそうであり続けるでしょう。話題は特別なこと
ではありませんが、「会話する」ということが大事なの
です。

「ゼリー」はゼラチンを煮て溶かし、砂糖や糖蜜などを
加えて型に入れて冷し固めたものです。最近では少し
ゆるく固めてジュレ(フランス語)と呼んだりもする
ようです。

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