優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年09月

□◆□…優嵐歳時記(543)…□◆□

   ハーブティ入れて書を読む秋曇  優嵐

今日は一日雲が低く、どんよりとしたお天気でした。
こんな日は部屋でゆっくりと本を読むにかぎります。
私はテレビを持っていません。子どものころはテレビ
がないと夜も日も明けぬほどでしたが、今となっては
テレビは時間泥棒の最たるものと思っています。

ニュースといっても本当に自分が知っておかなければ
ならないことというのは、ごくわずかです。しかも一度
見聞きすればそれでじゅうぶんです。それよりもその
時間、さまざまな書物をひもとき、自分で考えること
をすれば何倍も時間を有効に使えるのです。

□◆□…優嵐歳時記(542)…□◆□

   湯上りの闇を澄ませて鈴虫鳴く  優嵐

部屋はアパートの五階にあるのですが、ベランダに鈴虫が
きて、澄んだ鳴き声を聞かせてくれます。部屋の明かりを
消して、窓を開けていると、気持ちよさそうに鳴き続けて
くれます。

鈴虫はコオロギ科で、リーンリーンと鈴を振るような鳴き声
からその名前がきています。鈴虫が鳴くと夜の静かさが
いっそう際立つように思われます。昔の人は闇の中から月
を眺め、鈴虫の鳴き声に風情を感じていたのでしょう。

□◆□…優嵐歳時記(541)…□◆□

   一区切りつく梨の実の甘きこと  優嵐

仕事が一区切りつきました。100%とはいきませんが、80%
くらいの出来でしたので、まずまずよしというところです。
今回の反省は次回に生かしていこうと思っています。

梨を食べました。予想以上に甘くおいしかったので、上出来
と思いました。人の気持ちは不思議です。それ以前にどれ
だけ期待していたかによって、結果がよく見えたり、悪く
見えたりします。梨も仕事も同じです。

□◆□…優嵐歳時記(540)…□◆□

   嵐去りふと初月と会いにけり  優嵐

台風14号の雨は夜のうちにあがり、朝にはすでに青空が
見えていました。しかし、一日中その余波で強い風が
吹いていました。夕方にはさすがにその風もやみ、夕暮れ
時には西の空に細い月がかかっていました。

今日は旧暦8月4日です。この月がしだいに満ちていくと
仲秋の名月になります。名月を待つ思いで、六日ごろまで
「初月」の季語を使います。

□◆□…優嵐歳時記(539)…□◆□

   ひとり湯につかり野分の音を聞く  優嵐

台風14号が通過しつつあるようです。午後9時ごろから雨が
降り始めました。風も断続的に強く吹いています。「野分」
は秋の暴風をさし、草木を分けるという意味で昔の人々は
台風のことをこう呼びました。

野分のあとはからりと晴れて、いわゆる台風一過の青空が
広がります。水不足に悩まされていた四国にも待望の雨が
降り、早明浦ダムの貯水率は2.3%が一気に100%まで回復した
ということで、台風の威力のすごさに感嘆します。

□◆□…優嵐歳時記(538)…□◆□

   葡萄食ぶその旋律に乗るごとく  優嵐

ブドウはブドウ科の落葉低木で、棚を作り栽培されています。
原産地はアジア西部からヨーロッパ南部、中国へは漢代に
西域から入り、唐代、長安では葡萄酒が飲まれていました。
日本に葡萄酒が伝わったのは南蛮船によるポルトガルの葡萄酒
が最初でした。

ヨーロッパでは圧倒的にワインの原料として加工されるブドウ
が多数を占めますが、日本ではそのまま果物として食される
ものもかなり多く、市場に出回っているブドウの多くは品種
改良で種無しになっています。ですからぱくぱくと食べられて
しまうのです。

□◆□…優嵐歳時記(537)…□◆□

   窓少し閉めて葉月の風の音  優嵐

今日から旧暦の葉月です。別名に月見月、秋風月、萩月、
燕去月、雁来月などとあり、昔の人はやはり風流だったの
だなあと思います。

アメリカ南部に大きな被害が出た今回のハリケーン。
アメリカではなぜかハリケーンに人の名前がつけられます。
今回のハリケーンは「カトリーナ」。この前の大物は
「アドリュー」だったかと思います。

昔は女性の名前ばかりが使われたそうですが、男女平等の
観点から、男性の名前も使われるようになったとか。そう
いえば、日本でも戦後すぐの時代に「ジェーン台風」とか
「キティ台風」といった大きな被害を与えた台風があり
ました。

□◆□…優嵐歳時記(536)…□◆□

   風やんでつくつくぼうし鳴き始む  優嵐

日中はまだセミの声が聞こえます。ミンミンゼミも鳴いています
が、やはりよく聞こえてくるのはホウシゼミです。このセミの
鳴き方は間歇的で独特のリズムがあります。助走部のジイジイと
いう小さな声のあと、ツクツクボーシ、ツクツクボーシ、ツクツク
ボーシと3度ほど鳴き、ジーワン、ジーワン、ジーワンと余韻を
残してワンクールが終わります。

盛夏の蝉時雨の激しさとは異なり、なんとなく秋の物悲しさを
誘うようなしみじみとした鳴き声です。ホウシゼミの声が聞こえ
なくなると、蝉の季節は終わり、秋は半ばに入っていきます。

□◆□…優嵐歳時記(535)…□◆□

   川光るいつしか燕去りにけり  優嵐

そういえばここ数日、ツバメの姿を見かけないような気がします。
やってきた時は「あ、ツバメ」と思いますが、去ってしまうとき
は、いなくなってからしばらくたたないと気がつきません。10日
ほど前にはまだ飛び回っていたのを見かけたのですが。

集団で高い空を飛び回っていましたから、南へ渡る準備だったの
かもしれません。えさをとる場合はもっと低空を飛びます。
そうか、いってしまったのか、と少し寂しくなりますが、すぐに
北からカモなどの冬鳥がやってきます。自然の歩みは途切れる
ことなく、ほんとうに着実です。

□◆□…優嵐歳時記(534)…□◆□

   バイパスの灯りのそばに色づく田  優嵐

今日は二百十日ですが、早稲の田はそろそろ稲穂が色づくころ
を迎えています。品種改良で、かなり収穫の時期が早くなって
いるのは、二百十日ごろの台風の襲来を避けるという目的も
あったのかもしれません。

近所に新しくコンビニが開店しました。そこの灯りを受けて
道路の側にある田が夜でもよく見えます。この道ができるまで
建物はなにもなく、一面水田だったのですが、いまでは
ずらりと店が立ち並び、人家も増えて様変わりです。

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