優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2005年10月

□◆□…優嵐歳時記(569)…□◆□

   秋の夜のかすかに太鼓響きける  優嵐

この週末が秋祭りです。このあたりでは、小学校高学年の児童
が乗り子として屋台に乗り、そこで太鼓を打ち鳴らしながら
伊勢音頭を唄います。その太鼓と伊勢音頭の練習が祭りを前に
たけなわです。地域の公民館で練習をしているのでしょう。
その音がときおり聞こえてきます。

姫路市の海浜沿いの地区の秋祭りは大人が中心となる熱狂的な
ものですが、私の住むあたりでは、子どもが主役です。それでも
最近は、どこの地域でも以前よりは秋祭りを地域の行事として
盛んにしていこうという動きがあるようです。

□◆□…優嵐歳時記(568)…□◆□

   秋服をそろそろ出すか雨の午後  優嵐

昨日、今日とぐずついたお天気が続き、気温も下がり気味です。
とはいえ、おそらく10月としてはこれでも気温が高めではないか、
と思います。まだ半袖のポロシャツを着ています。9月中は
全く支障がありませんでした。秋彼岸の前まではタンクトップ
だったくらいですから。

それでもやはり秋はしだいに深まり、町へ出るとすでに上着を
着ている方も珍しくありません。私はまだ暑くてとても上着は
着られませんが、それでもそろそろ長袖だな、と感じた今日の
午後でした。

□◆□…優嵐歳時記(567)…□◆□

   ぴかぴかと光りてうれし今年米  優嵐

「今年米(ことしまい)」とは、新米のことです。秋の収穫
の時期、なんといっても素晴らしいのは新米です。炊飯器で
炊きあがったものを見ますと、米粒のひとつひとつが輝いて
います。古米と違い、水分が多いですから、水をやや少なめ
にして炊くのがコツです。

秋祭りのルーツは新米収穫の祝いにあり、田の神に収穫を感謝
して新米を供え、喜びをわかちあうのです。穫れた喜びは農家
の方ならひとしおですし、消費者として食べる喜びもまた
格別のものがあります。

□◆□…優嵐歳時記(566)…□◆□

   いずこへも行かぬぜいたく秋時雨  優嵐

十月に入ってから妙に気温の高い日が続いています。週末は
30度を越えていたそうで、扇風機をまだ仕舞わずにおいています。
こんな日が続いて急に冷え込んだりすると、風邪をひきやすく
なります。

昨日は午後に時雨がありました。「時雨」はそれだけですと
冬の季語になります。このあたりの取り決めに従って句を詠む
のもまた俳句のおもしろいところです。季語にしても字数に
しても決まりごとに絶対にこうでなければならない、という
ことはありません。

字余りや字足らず、季語がなかったり、季重なりのものが
あったり、とある程度の自由はあります。しかし、あえて
制約の中で型に沿って詠むことが俳句の魅力を作り出している
とも思うのです。

□◆□…優嵐歳時記(565)…□◆□

   ここに住む幾歳峰の初紅葉  優嵐

部屋から市川の流れをはさんだ対岸にある山の木々がそろそろ
紅葉を始めました。これまであまり意識して見たことはなかった
のですが、毎年こうして紅葉していたのだな、と感じました。
まず初めに紅葉するのはハゼ、ヌルデなどです。カエデが紅葉
するころには、もう冬が始まっています。

紅葉に関連した季語もたくさんあり、「桜」や「月」と並んで
季語の種類が多いのではないかと思います。春はお花見、秋は
紅葉狩りです。鮮やかな紅葉のためには昼間と夜間の温度差が
大きい方がいいそうです。東北や北海道の紅葉が見事なのは
そのせいかもしれませんね。

□◆□…優嵐歳時記(564)…□◆□

   十月やネットショップで手帳買う  優嵐

十月はすでに俳句では「晩秋」に入ります。十一月初旬には
立冬があり、暦の上ではあと一ヶ月で冬です。今年もあと
三ヶ月、90日になりました。毎年のことながら、早いなあ
と思います。

十月ということで、インターネットで来年の手帳を買いました。
以前の仕事ですと、いろいろ予定を書き込むことも多かった
のですが、今はそういうことがめっきり減って、今年の手帳
は空白の部分が多いままに過ぎました。

これまでにもいろいろな手帳を使ってきました。手帳の使い方
に関する本が何冊も出ているくらいですから、手帳使いの達人
は仕事の達人に通じるところがあるようです。まっさらな手帳
を手にしてうれしくなるのは私だけでしょうか。

このページのトップヘ