優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2006年02月

□◆□…優嵐歳時記(694)…□◆□

   またたきて星それぞれの余寒かな  優嵐

西高東低の冬型の気圧配置が戻り、北風の吹く寒い日に
なりました。「余寒」は立春をすぎてもなお残っている
寒さのことで、「残暑」に対応した言葉です。昨日の
暖かさの後だけに、寒さがいっそう身にこたえる気が
します。

二月いっぱいはこうした寒の戻りが何度かあり、やはり
本格的に春らしくなるのはお彼岸を過ぎてからです。
この余寒の程度によって、桜の開花時期が大きく影響を
受けます。


□◆□…優嵐歳時記(693)…□◆□

   萌えいずるもののすべてに雨の降る  優嵐

一日中雨が降っていました。それでも気温は高めで、
厚手のジャケットを着て近くの郵便局まで歩いていった
ら、汗をかいてしまいました。これからしばらくの間は
少し暖かくなったかと思うとまた寒さが戻り、衣服や
暖房の調節にこまめな注意が必要な時期です。

窓から前を流れる市川とその対岸の山に降る雨を見て
いました。明るい柔らかな雨です。「萌え」とは、草の
芽が土に萌え出ることを指します。「下萌え」ともいい、
和歌ではひそかに思い焦がれる意味をもたせて使われ
ました。冬枯の地面が淡い緑色に覆われるのももうすぐ
です。


□◆□…優嵐歳時記(692)…□◆□【暖か】

   あたたかさ連れて降りけり今日の雨  優嵐

昨日あたりからにわかに暖かくなったように思います。
やはり二月も中旬です。今日はお昼前から雨が降り始め、
夕方からはかなりしっかりと降っています。しかし、
それもこれまでの冷たい雨という感じではなく、確かに
春の雨だ、と感じる何かがあります。

この微妙な感覚がなんともいえぬうれしさを呼び覚まして
くれます。細かく観察していれば一日単位で季節が移って
いることがわかるのです。まだまだ寒さの戻ってくる日は
ありますが、確実な春の歩みです。


□◆□…優嵐歳時記(691)…□◆□

   球を追うコートに春の時雨かな 優嵐

お昼前から雨がぱらぱらっと降ってはやみ、降っては
やみというお天気でした。ようやく路面が濡れるか濡れ
ないかという雨でしたので、夜はナイターでテニスを
しました。

その最中にもまた時雨がありましたが、そのままプレー
できる程度の雨でした。お天気情報によると、どうやら
今週はお天気がぐずつく模様です。これもまた春らしさ
のひとつといえるでしょう。


□◆□…優嵐歳時記(690)…□◆□

   春早し満月冴えて昇りくる  優嵐

いいお天気でした。しかし気温は低く、戸外から戻ると
耳たぶが冷たくなっていました。今夜は満月。昨日より
月の出は遅くなり、すでに空がすっかり暗くなったころ
山の端からきれいな月が昇ってきました。

気温が低いせいでしょう。月の光は「春の月」という
季語が持つうるんだ柔らかなものではなく、まだ冬の
名残を感じる澄んだものでした。


□◆□…優嵐歳時記(689)…□◆□

   月出でしなでしこ色の二月空  優嵐

夕方の散歩もかなり遅く出られるようになりました。
冬至のころは真っ暗だった5時ごろでも、まだ陽が
西の空にあります。日没の時間が遅くなるだけでなく
夕暮れの時間が長くなっていくのも春の特徴です。

夕映えの中で輝いている西の空の雲を眺めて、ふと東に
目をやると、ちょうど山の上に月が昇ってきたところ
でした。明日が満月です。東の空もまだ明るく、
柔らかな赤みがかった紫色をしていました。


□◆□…優嵐歳時記(688)…□◆□

   残る寒さ旧街道を抜けていく  優嵐

午後からお天気が下り坂でした。どんよりと曇る中、
姫路城の隣にある城内図書館までマウンテンバイクで
行ってきました。途中、旧街道の面影が残る商店街を
通っていきます。

近くには井原西鶴や近松門左衛門の小説・戯曲で有名な
「お夏・清十郎」ゆかりの慶運寺があります。許されぬ
恋ゆえに、清十郎は刑死し、お夏は狂乱するという
哀しい恋物語。

当時、刑死者には墓も許されませんでした。せめて
あの世で添い遂げられるように、と誰かがふたつの石を
おいて霊を慰めたものが、「比翼塚」として現代まで
伝えられています。


□◆□…優嵐歳時記(687)…□◆□

  芽吹き待つ枝を鳴らして春北風  優嵐

日中かなり北風が強く、日差しは輝いていましたが、
寒い一日でした。強い風にあおられて桜も欅も揺れて
いました。

「北風」は冬の季語であり、春の場合には「春北風」
と書いて「はるきた」あるいは「はるならい」と詠み
ます。今日の句は「はるならい」と読んでください。

「ならい」は関東地方で吹く冬の季節風の呼び名です。
風の名前には漁師言葉など独特のものがあり、それが
俳句にも取り入れられて言葉を豊かにしています。


□◆□…優嵐歳時記(686)…□◆□

  子犬待つ新しき小屋春初め  優嵐

今日は数日ぶりに昼間の強い北風がおさまり、穏やかな
お天気でした。遠くの山の木々もほんのりとした色合い
で、春らしさを感じました。

今、住んでいるところの近所では次々新しい家が建設
されていて、その素早い仕上がりぶりに驚きます。
散歩の途中で新しく引っ越してこられたばかりのお宅の
前を通ったら、真新しい木製の小さな犬小屋が庭に
すえつけられていました。まもなく小屋の主がやって
くるのでしょう。


□◆□…優嵐歳時記(685)…□◆□

   春遅し頬に尖りし風を受く  優嵐

立春を過ぎましたが、連日寒い日が続いています。
今日も北風が強く、戸外にいると、寒中よりも寒く感じ
ました。それでも、夕暮れは日に日に遅くなり、空の色
は柔らかく、春の気配です。

なかなか春本来の暖かさがやってこないことを「春遅し」
「おそ春」「春遅々」などという季語で表します。梅や
満作の蕾も固く、人々の装いも真冬のまま、そのような
中で、本格的な春を待望する気持ちがこの季語には
こもっています。


このページのトップヘ