優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2006年06月

□◆□…優嵐歳時記(802)…□◆□

   青鷺の輝く水を横切りし  優嵐

今日はいいお天気でした。南窓を開けると目の前に市川
とその向こうにある山の緑を楽しむことができます。
夏の日差しが川面にあたりきらきら光っています。
その上を青鷺がゆったりと飛んでいくのが見えました。

青鷺は一年中いますが、季語としては夏に入ります。
水辺にいることが多いからか、と思います。すぐそばに
水のある風景をながめられるのは実にいいものです。
水は空や山の色を映し、天候、時刻によって多彩に変化
する情景を見せてくれます。

□◆□…優嵐歳時記(801)…□◆□

   五月晴れシーツぱりっと洗いあげ  優嵐

「五月晴れ(さつきばれ)」は本来、陰暦五月、梅雨の
最中の晴間をさしてきました。しかし、陽暦が用いられる
ようになってからは、5月ごろの快晴を「五月晴れ」と
用いる例も見られるようになり、陰暦のイメージのない
方にはその方がおなじみかもしれません。

私自身、俳句や季語を知らなければ陽暦の5月の空を
思い浮かべたことでしょう。俳句は陰暦の時代に俳諧と
して大きく発展したため、こうした陰陽の暦の違いから
くる季節感の差はどうしてもおこってしまいます。

ひな祭り、端午の節句、七夕なども今はすべて新暦です
が、これらはみんな旧暦の季節感にこそ背景や名称が
ぴったりするものばかりです。

□◆□…優嵐歳時記(800)…□◆□

  野も山もたっぷり梅の雨の中  優嵐

昨日は一日中雨が降り続きました。しっかり降って今朝
は青空が広がっていました。市川は水かさが増していま
したが、濁流というのではなく、まわりの緑を映した
おだやかな色をしていました。

何日も雨がしとしとと降り続くのは気が滅入るものですが、
こうして一日降り、翌日は晴れるというのはいいものです。
もし、梅雨がなかったら、日本の夏は随分印象が違うと
思うのですが、梅雨があってこその日本だ、とも思います。

□◆□…優嵐歳時記(799)…□◆□

   明易しダウの株価を確かめる  優嵐

夏至が近づき、夜の時間が短くなっています。私は相場
をやっています。このところ日本だけでなく世界レベル
で株安が進んでいます。ゴールデンウイーク明けから
始まったこの世界同時株安の震源地はアメリカです。

アメリカのニューヨークダウが下がると、その倍ほどの
割合で東証の株価が下がるという状態がここ一ヶ月続いて
いました。相場をやっている人なら、ここ一ヶ月のダウ
平均やナスダックの動きには神経質にならざるを
えなかったと思います。連休明けから日経平均では一ヶ月
で3,300円、割合でいけば18%以上の下げでした。

□◆□…優嵐歳時記(798)…□◆□

   草刈機遠くうなりし梅雨晴間  優嵐

このところ晴天が数日続いています。梅雨前の方が梅雨
らしい天気だった、といってもいいほどです。もっとも
梅雨入り後に晴天が続くのは毎年のことで、本格的な
梅雨空は梅雨も後半になってから、という気がします。

雨が降ると草もどんどん伸びますので、晴天のときを
見計らっての草刈が欠かせません。このところ夕方に
なるとどこかから草刈機の音がします。日中は暑いです
から、少し日がかげったところで作業ということなので
しょう。

□◆□…優嵐歳時記(797)…□◆□

   夏草の中に少年草野球  優嵐

買物をして戻っていると、近所の空地で子どもたちが
野球をしていました。最近では子どもの野球といえども
ユニフォームをそろえ、ヘルメット、バッド、グローブ、
スパイク、とすべて本格的な「スポーツ」になっています。

しかし、今日見かけたのは、放課後に友だちと適当に
集まって、人数に合わせたルールでゲームをするという
昔ながらの「遊び」の野球でした。スポーツとしてやる
のもいいでしょうが、子どもの時代はこうした自由な
遊びの要素も残ってくれるといいな、と思います。

□◆□…優嵐歳時記(796)…□◆□

   中天の月に匂いし栗の花  優嵐

さきほど郵便局前のポストまで行ってきました。途中、
闇の中から栗の花の香りが漂ってきました。姿も香りも
「素晴らしい!」とはいいかねる花ですが、この時期
ならではの香りといえます。

明日は満月。田んぼからは盛んに蛙の鳴声が聞こえ、
水の面には月の光が映っています。まだそれほど暑くは
なく、夜風を受けて歩いていると心地よさを感じました。

□◆□…優嵐歳時記(795)…□◆□

  コンビニの灯りかえして夜の植田  優嵐

家の周囲の田植えがほぼ終了しました。夜になると窓から
コンビニの灯りが水田に映っているのが見えます。数年
前まであそこもここも全部水田だったのですが、ずいぶん
変わりました。

コンビニやパソコン、宅配便など、子どものころには
なかったものが生活必需品となりました。逆になくなった
ものもいろいろあるのですが、静かにいつの間にか消えて
いるので、気がつきにくいものです。

□◆□…優嵐歳時記(794)…□◆□

  梅雨に入る蛙の声の高らかに  優嵐

近畿・東海が今日から梅雨入りです。朝からどんよりと
していましたが、午後になって降り始め、今はかなり
まとまって降っています。五月からずっと走り梅雨の
ような天候でしたので、梅雨本番といっても、もう十分
雨は降っている、という印象です。

昨年は晴天続きで六月はほとんど雨のなかった梅雨
でしたが、今年はしっかり雨が降りそうな予感。
雨で元気が出るのは蛙。田植えの終わった田んぼから
夜に入っていっそうにぎやかな蛙の声が聞こえてきます。

□◆□…優嵐歳時記(793)…□◆□

  眉の汗拭いサービスラインに立つ  優嵐

昨夜はナイターでテニスをしてきました。さすがに6月
となると夜でも走り回ると汗びっしょりになります。
真夏になれば、じっとしていてもじわっと汗が吹き出て
きますが、まだそこまで気温も湿度もあがってはいません。

真夏でも真冬でもテニスをしますが、ボールを追って
走り回っていると、ボールという対象に集中するため、
いつの間にか気分転換ができています。これもスポーツ
の効用か、と思います。

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