優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2006年10月

□◆□…優嵐歳時記(908)…□◆□

  秋深し長き階段登りけり  優嵐

いいお天気で、河川敷では保育園の運動会(予行演習?)
がおこなわれていました。暑いほどの一日でしたが、
十月も後半、暦の上の秋はあと三週間ほどで終わります。

最近、姫路城周辺へよくスケッチに行くのですが、今日
も男山配水池公園からの姫路城を描きました。スケッチ
場所まで長い急な石段を登っていきます。

姫路城以外にも描くものはいろいろあるのですが、この
辺りへくるとお城の存在感は圧倒的で、やはり視線は
お城に向いてしまうのです。

061018

□◆□…優嵐歳時記(907)…□◆□

  大楓端より紅葉始まりぬ  優嵐

先日、父の十三回忌でお寺を訪れました。田んぼと山に
囲まれ、本堂の前には樹齢350年という山茶花の巨木が
蕾をいっぱいにつけていました。11月に入ると咲き始める
ということでした。

境内には楓がたくさんあり、鮮やかな紅葉を楽しむこと
ができます。光を透かして見る時の楓の紅葉は鮮やかさが
いっそう増し見事です。その楓、中心部はまだ緑のまま
ですが、端から徐々に色づき始めていました。

□◆□…優嵐歳時記(906)…□◆□

  白鷺の城の堀にも鴨来る  優嵐

姫路城の内堀にマガモが来ているのを見ました。私に
とってはこの秋初のマガモです。もともと内堀にいる
アヒルとならんで浮かんでいました。お堀のまわりの
桜は紅葉し、散り始めているものもあります。

春の花の華やかさとは対照的に紅葉の桜はほとんど
注目されません。色づく木々はたくさんありますが、
なんといっても秋は楓です。楓の紅葉はそろそろ始まり
かけていますが、まだ見ごろになるのは少し先です。

□◆□…優嵐歳時記(905)…□◆□

  母姉と松茸飯や父法事  優嵐

快晴で暑いくらいの日曜日、今日は父の十三年の法要
でした。あれからもう十三年か、と思います。この世で
生きている人間はみな確実に年齢を重ねていますが、
鬼籍に入った人にはその後の時間の流れはなく、
いつまでもそのときの面影のままです。

この秋初めての松茸ご飯をいただきました。茸ご飯
はいろいろありますが、やはりこの香は松茸ならでは
のものです。

□◆□…優嵐歳時記(904)…□◆□

  ひつじ田を渡りし祭囃子かな  優嵐

秋祭りのシーズンです。姫路でも先週か今週が地域の
お祭りだというところが多いようです。秋祭りは収穫を
祝い、田の神に感謝を捧げます。秋の日差しに祭り屋台
の飾り物が映えていました。

すでに田のほとんどは稲刈りが済み、青いひつじが
伸びています。今は勢いがいいですが、やがて黄色く
枯れてくると冬がやってきます。

□◆□…優嵐歳時記(903)…□◆□

  秋の日の白鷺城をスケッチす  優嵐

午後図書館へ行ったあとで、シロトピア記念公園から
姫路城をスケッチしてきました。使ったのはマルマンの
クロッキーブックとピグマのグラフィックペンです。

鉛筆での下書きはせず、いきなりペンを使う方法で描い
ていきました。それでもよく観察して描くようにすれば、
とんでもないラインを引くことはありません。

絵を描くためにはよく観察する必要があり、見慣れて
いるはずのお城もまた新鮮な目で見ることができました。
できあがった絵を見て、「なかなか、いいじゃん」と
自画自賛するのも、また楽しみです。

□◆□…優嵐歳時記(902)…□◆□

  和太鼓のかんからと鳴る秋真昼  優嵐

近所の川原のグラウンドでどこかの和太鼓グループが
練習していました。どーんと鳴る大きな太鼓ではなく、
小ぶりな太鼓のせいか、音が乾いて高く意外なほど遠く
まで響き渡ります。

河川敷にはトランペットやサクソフォンの練習をする
人も時々姿を見せますが、和太鼓は初めてです。これ
だけ音が大きいと、住宅地での練習は無理かもしれま
せん。

□◆□…優嵐歳時記(901)…□◆□

  ぽつぽつと残る晩稲に明るき陽  優嵐

昨日、オートバイで少し走ってきました。快晴で空気が
澄み、気持ちよく走ることができました。信号の多い所
はたびたび停車しなければなりませんが、郊外へ出て
田園地帯に入ると、山の緑と日差しを楽しみつつ軽快に
飛ばすことができます。

ほとんどの田は稲刈りが終り、早稲の田ではすでに切株
に生える「ひつじ」が青々と伸びています。しかし、
晩稲なのかまだ稲穂が黄金色を見せている田もいくつか
見られました。

□◆□…優嵐歳時記(900)…□◆□

  コスモスや祭太鼓の音続く  優嵐

三連休は地元の秋祭りでした。土曜の午後から屋台が
出て練り歩いていました。乗り子が交代で太鼓をたたき、
一日中その音がどこからか聞こえていました。

今日も快晴で、少し気温が高めでした。さきほど夜空を
見たら、厚くなり始めた雲の間から臥待月(陰暦八月
十九日の月)がのぞいていました。お天気は下り坂
でしょうか。

□◆□…優嵐歳時記(899)…□◆□

  少し酔い歩く寒露の北新地  優嵐

昨夜は関西在住のISIS編集学校の仲間の一部が大阪に
集まりました。おいしいものを食べて、おいしいお酒
をいただいて、いろいろな話に花を咲かせて、いい
ものです。

「寒露」は二十四節気のひとつで、秋分後15日。太陽の
黄経が195度に達します。露が冷たく感じられるという
意味で、風物に寒冷の気が加わり、空気の透明度が増し、
「秋澄む」感じが強くなる頃です。

確かに今日の大阪は快晴で、青空が高く高層ビルが秋の
日差しに輝いていました。中之島を土佐堀川に沿って
歩き水辺の風景とビルの眺めを楽しみました。

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