優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2006年11月

□◆□…優嵐歳時記(937)…□◆□

  冬の雨肩に降らせて句会の余韻  優嵐

昨日は東京から戻った姫路でも、電車を降りると本格的
な雨になっていました。傘を持っていなかったので、
ゴアテックスのコートと帽子といういでたちで、家まで
帰りました。帽子や肩に当たる雨を感じながら歩きます。
週末の二日間の経験を反芻しながら帰りました。

『水煙』はインターネットが中心になった俳句結社です
ので、同人は北海道から沖縄まで全国に広がっています。
俳句という伝統文芸と最新のITを媒介に、リアルだけ
では出会う機会がなかったはずの方とご縁ができると
いうのはいいものです。

□◆□…優嵐歳時記(936)…□◆□

  山茶花にまた迎えられ芭蕉館  優嵐

今日は江東区にある芭蕉記念館へ行きました。ここの
玄関前には真っ白な山茶花が咲いています。一昨年の
水煙の大会もちょうどこの時期にここでありました。
あのときと同じような山茶花を見て、なつかしくも
あり、二年たったのだな、という感慨もありました。

朝から風があり、どんよりとした空模様で、昼前には
雨が本格的になりました。前回のときは冬晴れの穏や
かなお天気で、近くの史跡展望庭園にある芭蕉像まで
歩きましたが、今日は雨に濡れた山茶花に再会の挨拶
をしただけでした。

□◆□…優嵐歳時記(935)…□◆□

  紅葉散る分厚き小説借りてくる  優嵐

図書館でアイン・ランドの『水源』を借りてきました。
1037ページで二段組という長編です。小説を最近は
あまり読まなくなっていたのですが、リバタリアニズム
という考え方を具体的に描き出した小説とのことで、
一度読んでみよう、と思いました。

週末は、所属する俳句結社『水煙』の大会で東京へ行き
ます。往復の新幹線の車中で読むには十分な長さです。
これが面白ければ、彼女のもうひとつ翻訳されている
小説『肩をすくめるアトラス』も読んでみたいと思って
います。確か、ブラッド・ピット主演で映画化される
という話です。

□◆□…優嵐歳時記(934)…□◆□

  短日のネットサーフィン仕舞いけり  優嵐

日が短くなってきました。午後はあっという間です。
他にすることがあるのにちょっとだけというつもりで
インターネットを眺め、そこからリンクで他のページへ
飛び、思いがけず面白いものに出会って読みふけって
しまうことがあります。

インターネットは考えもつかなかったような情報を
もたらして、新しい世界を開いてくれるので楽しいの
ですが、一方でどうでもいいことに時間をつぶして
しまうことも少なくありません。テレビをだらだら
見るのと変わらない状態になっていることもあります
ので、そういうときは反省です。

□◆□…優嵐歳時記(933)…□◆□

  冬紅葉うえに真青な空ありて  優嵐

北国ではもう紅葉は秋のうちに終り、そろそろ初雪の頃
かもしれません。暖かい姫路では、まだ山の紅葉も色
鮮やかです。今朝は晴れ上がって、西の増位山の紅葉が
朝日に映えていました。12月初めごろまではこの紅葉を
楽しめそうです。

冬は、朝晴れていても午後になると雲が出てくることが
よくあります。午後になると、部屋の奥まで日差しが
入ってくるのでカーテンをひきます。雲が出てくると
部屋の中が暗くなって昼間から灯りをつけたりもします。
カーテンをあけると、太陽が出たりするんですね。

□◆□…優嵐歳時記(932)…□◆□

  時雨去る早も夕陽の頃となる  優嵐

今日は朝から雲が多く、時おり時雨がありました。旧暦
十月の異名に「時雨月」があります。今年は閏七月が
あったため、まだ旧暦では長月ですが、いかにも時雨月
という名称を彷彿とさせるような今日のお天気でした。

それでも夕方になると夕陽が窓を照らし、お天気が回復
しているのがわかりました。冬の夕陽はみるまに沈んで、
夕焼けも淡く、すぐに夕闇がやってきます。あと一ヶ月
ほどはまだ夕暮れの時間はどんどん早くなっていきます。

□◆□…優嵐歳時記(931)…□◆□

  純白の光を風に冬の薔薇  優嵐

お昼過ぎに郵便局まで歩いていると、近所の家の庭で
白薔薇が咲いているのを見かけました。薔薇は何色でも
それぞれにいいものですが、真っ白な薔薇はまた独特の
魅力があります。冬の弱い日差しとはいえ真昼の明るさ
の中で、そこがいっそう輝いて見えました。

昨夜は冷え込み、階段を降りるように冬が進んでいると
感じました。厳冬期に入る前に花は終わるのでしょうが、
寒さに向かう中でけなげに咲いているのが、いいですね。

□◆□…優嵐歳時記(930)…□◆□

  初しぐれ熱き海鮮ピザを食ぶ  優嵐

昼ごろにほんの少し時雨がありました。その年はじめて
降る時雨を「初時雨」といいます。初物を尊ぶ日本らしい
季語かと思います。時雨は初冬のころ、曇っているわけ
でもないのにしばらくぱらぱらと雨が降る現象です。

閑寂味があり、特に芭蕉が偏愛した季語として知られて
います。そういう侘び寂びの境地とは全くかけ離れて、
からすみ、ヨーロッパ赤エビ、ホタテ貝柱がたっぷり
入った熱々のピザをいただきました。

□◆□…優嵐歳時記(929)…□◆□

  冬の雷夢の中まで照らしけり  優嵐

昨日は午後から雲が広がり、夜には雷雨になりました。
久しぶりの雨です。布団に入るころもまだゴロゴロと
雷鳴が轟いていました。

今日も昼ごろまで雨が降り続き、ゆっくり部屋で水彩画
の彩色をしていました。そして、文房具店で売っている
ようなスケッチブックでは、存分に透明水彩画を描く
ことはできないと悟りました。

学校ではほとんど不透明水彩しか使いませんので、紙が
弱く、水をしっかり含ませると裏へ染みとおりそうに
なります。やはり画材店で扱っている水彩紙のスケッチ
ブックに描いた方がよさそうです。

□◆□…優嵐歳時記(928)…□◆□【初冬】

  新しきコーヒーメーカー初冬に  優嵐

一杯分だけいれることのできるコーヒーメーカー
買いました。Amazonで見つけ、購入者コメントがとても
よかったのですが、品切れ。楽天で見つけることができ
ました。さっそく一杯いれてみました。なかなかこくが
あってうまい。

一年を振り返るといろいろなものを買っていますが、
買ってよかったな、と思えるのは予想以上にその製品が
自分の期待を満たしてくれたときです。

このページのトップヘ