優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2007年02月

□◆□…優嵐歳時記(1019)…□◆□

  鳶の影田を横切りぬ冴返る  優嵐

昨日は、風が強く寒さが少し戻りました。「冴返る」とは、
春先に少し暖かくなり始めたところで、また寒さが
ぶり返すことを指します。春先は寒暖の差が大きく、
日中の平均気温が前日と四度以上違うと一ヶ月の差と
いうことになりますが、季節のうちでは春に最も現れ
やすいということです。

「余寒」「春寒」などと同じ春になっての寒さをさす季語ですが、
それぞれで微妙に感覚が違います。今日は強い風が
おさまり、穏やかな春らしいお天気になりました。自転車で
のんびりと図書館まで行ってきました。

□◆□…優嵐歳時記(1018)…□◆□

  春寒料峭消防ホースゆらゆらと  優嵐

一日中かなり強い風が吹いていました。鳶や烏がその風
にあおられるように飛んでいます。いいお天気で、風は
冷たくとも、空気が明るく感じられました。お昼前に
近所を自転車で走りました。集落の中を通ると、火の見櫓
から消防のホースが吊られていました。

自転車で走っていると、いつも新しい発見があります。
車やオートバイでは見過ごしてしまうものも、自転車なら
見落とすことがありません。風邪をひいてしばらく自転車
に乗っていなかったので、それもまた新鮮でした。

「春寒料峭」とは、春になってからの寒さ、春風が肌に
冷たく感じられるさまを指した季語です。

□◆□…優嵐歳時記(1017)…□◆□

  雨風の朝よりバレンタインの日  優嵐

目が覚めると雨が降っていました。午前中はかなり強い
風をともなって雨が降り続けました。バレンタインダデー
ですので、職場では義理チョコもふくめ日本全国で
さまざまなチョコレートが飛び交っているのだろうな
と思いました。

義理チョコはセクハラではないのか、という記事をネット
で読みました。セクハラというよりは、性別で役割が
固定化されるジェンダーハラスメントに当たるかもれない
そうです。まあ、こういうことはプライベートで楽しむ
ことであって、職場やなんらかの集団で大々的にやる
ことではないだろう、と私は思います。

□◆□…優嵐歳時記(1016)…□◆□

  真昼間なれど恋猫一途かな  優嵐

「恋猫」とは、発情期を迎えた猫のことです。お昼ごはん
時に、どこかで赤ん坊が泣いているのかと思うような声が
聞こえ始め、何事かと思い窓から外を見ましたが、子供
らしい人影もありません。よく聞いてみればアパートの
前の植え込みあたりから声がします。

ああ、猫か、と納得しました。それでも20分ほどはこの
声が聞こえていたでしょうか。ペアリングを求める猫の声
でした。種族保存の呼び声だなあと思いながら聞いて
いました。

□◆□…優嵐歳時記(1015)…□◆□

  早春の山路どこかで水の音  優嵐

三連休があっという間に終わりました。二月も半ばです。
連休中は押入れを片付けたり、やり残していたことに手
をつけたりで明け暮れました。チャートを見るのに使おう
と、液晶ディスプレイを買いました。ノートパソコンの
画面で見ていたのですが、もう少し大きなもので見ると
新しい発見があるかな、と考えました。

ヨリとヒキというか、同じものでも視点の位置を変えて
みると、見え方が変り、気がつかなかったことに気づく
ことが、ままあるものです。視点を変えるというのは、
簡単そうで、おそらく最も難しいことではないか、と
近頃よく思います。

思い込みにとらわれないようにしたい、と思うのですが
「思い込み」自身がはっきり見えないだけに、とらわれて
いることがわからなければ、とらわれていたことにさえ
気づかないものです。

□◆□…優嵐歳時記(1014)…□◆□

  加湿器のつぶやきかすか春初  優嵐

風邪にこりてインターネット通販で遅ればせながら
加湿器を買いました。電気で水を気化させるシステムに
なっています。アロマ加湿器というもので、受け皿に
アロマオイルをたらせば香りを楽しむことができます。

風邪などの予防に効くとインターネットで読んだユーカリ
のオイルをたらして使ってみました。ユーカリの精油に
は殺菌作用があり、伝染病の予防に有効なほか、鼻づまり
の解消、炎症の鎮静、集中力のアップといった効果が
あるそうです。

□◆□…優嵐歳時記(1013)…□◆□

  春早し縄跳びひゅんひゅん空を切る  優嵐

姫路市立美術館の講演会『広告今昔物語〜森永の広告学校
の時間割〜』に行ってきました。森永製菓の元広告部長の方
が、これまでに放映されたテレビコマーシャルの映像を
見せながら、その時代の広告のエピソードを話してください
ました。

時代を代表する女優や歌手といった人たちが次々に登場し、
コマーシャルこそ、時代の最先端をそのまま見せるものなの
だなあと強く感じました。吉永小百合を起用したゴールド
チョコレートのコマーシャルが一番印象に残りました。
彼女がまだ十代の頃の映像ではないでしょうか。

美術館で明治・大正・昭和のレトロなポスター展が今日
から開催されています。森永は広告にも早くから力を
入れており、この講演会の企画がなされたようです。
当時17歳の原節子を起用したミルクチョコレートの
ポスターが展示してありました。

□◆□…優嵐歳時記(1012)…□◆□

  前頭葉にもやかかり春の風邪  優嵐

風邪は幸いよくなりました。鼻炎カプセルのおかげで、
これまでいつも長引いていた鼻水も嘘のようにすっきり
しています。子供のころから風邪をひくと、身体は元気
になっているのに鼻水だけがだらだらひと月近く続くと
いうなさけないありさまでした。

3日で風邪が治ったなんていう話を聞くと、自分とは縁の
無い話だと思っていたのですが、こういうことだったの
ですね。他の人にはなんでもないことでしょうが、ひどく
新鮮で驚いています。

幸せとか不幸せとかいうのは、「当たり前」と思って生活
していたことが、思いがけないことで覆されるときに感じ
られることかもしれない、と思いました。今まで鼻炎
カプセルを飲んでみよう、と思いつかなかったのも今と
なっては驚きですが、ものごとに気づかないとは、そういう
ものだな、とも思います。

□◆□…優嵐歳時記(1011)…□◆□

  二月早やいらかの波を光らせる  優嵐

この冬は記録的な暖冬でしたから、まだ立春を過ぎた
ばかりですが、もう光だけでなく、空気も春半ばの雰囲気
を感じます。今日は一日曇り勝ちで、夕方から雨が降り
始めました。

「二月早や」という季語があるように、28日しかない二月
は、ことさら足早に過ぎて行きます。卒業や受験などで
あわただしい日々を送っていらっしゃる方も多いでしょう。
節分にひいた風邪が治ったと思って油断していたら、
ぶりかえし、昨日は鼻水がひどくてまいりました。

試しに鼻炎用のカプセルを飲んだら、ぴたっと鼻水が
とまり、驚きました。風邪と一口にいっても咳が出る人、
鼻水、関節や筋肉痛など人によって症状の出方はさまざま
です。これまで風邪薬が効いたという記憶があまりない
のですが、これからは鼻炎カプセルを飲んでみようと
思います。

□◆□…優嵐歳時記(1010)…□◆□

  旧友と自転車泥棒春の夢  優嵐

夢のうちで、なぜか春の夢だけが季語になっています。
「春眠暁を覚えず」のイメージからか、と思います。
最近、複雑な長い夢を見て目が覚めます。夢は荒唐無稽
なものですが、夢の最中の感情は大変リアルです。悪夢
ではありませんから、それはそれで楽しんでいますが。

夢の内容から心理判断ができるといいます。確かに、
同じような夢を集中的に見ることがあります。なぜか、
その時期にくり返し見て、あとは全くそういう夢を
見ない、ということが何度かありました。夢のお告げ
でしょうか。

何のために睡眠があり、何のために夢を見るのか、考えて
みれば不思議です。まったく眠らなければ人生を1.5倍ほど
にできそうなものですが、すべての人が眠って夢を見る
ということ(夢を見ないという人も、実は覚えていない
だけだそうです)は、生命維持にとって大変重要なものが
そこにあるのでしょう。

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