優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2007年03月

□◆□…優嵐歳時記(1050)…□◆□

  朝日さす向こうの峰に初桜  優嵐

朝、窓から川向こうの山で山桜が咲きだしているのを
見つけました。今年は染井吉野よりも開花が早いようです。
あれ?もしかして、と思い双眼鏡で確認して、やはり
山桜だとわかると、なんだかうれしくなりました。

桜の季節がいよいよやってきたのだなあ、と。なぜ
うれしくなるのか、理由を説明する言葉は持ちませんが、
その季節に初めて目にするものは、やはり気持ちを
うきうきさせてくれます。

お正月の風物すべてに「初」がついていて季語になって
いますが、同様にその季節の走りのものは、「初桜」
「初燕」「初鰹」という具合に季語として詠まれます。
季節の繊細なうつろいを私たちは愛でてきたのだな、と
感じます。

□◆□…優嵐歳時記(1049)…□◆□

  糸のごと月のかかりし春の夕  優嵐

今日は陰暦二月二日です。夕方、まだ明るさの残る西の空
にようやく見えるかどうかというほどの細い二日の月が
かかっていました。北風が夕方も強く、のどかな春の夕べ
というよりは、一ヶ月季節が逆戻りしたような気温でした。

それでも日中の日差しは強くなっています。春は気温が
低いため、つい油断をしがちですが、紫外線には要注意の
季節です。お花見などで、外で過ごしたあと、思わぬ
日焼けに驚くことも珍しくありません。

□◆□…優嵐歳時記(1048)…□◆□

  曇天に風の寒々として彼岸  優嵐

今日も気温が低く、午後からは雲がでて風も強く寒い
一日でした。今度暖かくなったら、すぐに桜が咲き始める
のかもしれません。このところ毎日トレイルランニングを
していて、快調です。

走りますのでそれなりに息が弾みますが、それはそれで
気持ちがいいものです。ランニングやウォーキングは
運動ではありますが、その一方、自分自身との対話、
「動く禅」としての性質も持っています。本来、生活動作
のすべては禅になりうるのだそうです。

□◆□…優嵐歳時記(1047)…□◆□

  四国までやわらかく見え彼岸入り  優嵐

お彼岸の寒波が続いています。一時のあの異様なほどの
暖かさはどこへ行ったのかという雰囲気です。一月、
二月が暖かすぎたので、あのまま季節が進んでいれば、
五月ごろには真夏になってもおかしくない勢いでしたが、
これで少し通常に戻ったというところでしょうか。

増位山頂上から今日は四国(徳島県)までうっすらと
見えました。北風が吹いて気温が低いため、空気が
澄んで遠くまで見通しがききます。明石海峡大橋は
もちろん、六甲の山並みも見えました。

□◆□…優嵐歳時記(1046)…□◆□

  寒戻る夕陽の中をランニング  優嵐

今日は風が冷たくいいお天気でしたが寒い一日でした。
お彼岸を前にして、最後の寒さというところでしょうか。
日が長くなり、6時前でもまだ日差しがあります。夕方、
増位山の自然歩道でランニングをしてきました。気温が
低かったせいか走ってもほとんど汗をかきませんでした。

明日は彼岸の入りです。「毎年よ彼岸の入に寒いのは」
という正岡子規の句があります。「母のことば自ら句と
なりて」という前書きがあり、明治24年3月、彼が結核を
発病する前、まだ溌剌としていた頃の句です。

□◆□…優嵐歳時記(1045)…□◆□

  熱々のホットドッグを春寒に  優嵐

ここ数日少し寒さがぶり返しています。コタツを片づけて
しまったのですが、真冬とは違いますから、耐えられない
ほどの寒さではありません。三月も半ばだ、という感覚
と戻ってきた寒さとのギャップに気持ちがやや戸惑い気味
ということでしょう。

お昼にホットドッグを食べ、夕食にはカレーうどんを
食べました。まだしばらくは温かいものがおいしい季節
が続きます。「春寒」は「はるさむ」または「しゅんかん」
と読みますが、今日の句は「はるさむ」と読んでください。

□◆□…優嵐歳時記(1044)…□◆□

  春眠に賜りし句を忘れけり  優嵐

俳句を詠む人には、二つのタイプがあるようです。
四苦八苦、呻吟して一句を生み出す苦吟派と、ぱっと
ひらめいて、一句を詠むお気楽派とでも言えばいい
でしょうか。私はお気楽派です。

これはどうやら生まれ持った体質のようなもので、苦心
してひねりだした句よりも、ぱっとひらめいた句の方が
いいのです。お気楽派には「句を賜る」と表現する人が
います。どこかから句が降りてくる、そんな感じですね。

昨夜、眠る直前に寝床の中で一句ひらめいたように思った
のですが、布団から出てメモをするのをのを億劫がった
せいで、朝になると、すっかり消えていました。枕元に
メモを置いている時には不思議と降りてこないのです。

□◆□…優嵐歳時記(1043)…□◆□ 

  春昼やかりっとフライドポテト食ぶ  優嵐

マクドナルドの創業者であるレイ・クロックの自伝
成功はゴミ箱の中に」を読み、無性にフライドポテト
が食べたくなりました。普段マクドナルドのテイクアウト
を利用することはほとんどないのですが、ドライブスルー
で買ってしまいました。

”ものすごくおいしい”というものではありませんが、
インスタントラーメンやカップヌードルのように、確実
に味覚の記憶として私の中に蓄えられているものです。

□◆□…優嵐歳時記(1042)…□◆□ 

  藍色の空に金星春の宵  優嵐

お彼岸が近づき、すっかり日が長くなったのを感じます。
日が暮れた後も、長く空の青さが残り、ゆっくりと暗く
なっていきます。これだけで気分がゆったりしますね。
今夜は少し冷えるようです。

春は寒暖の差が激しく衣服や暖房のこまめな調整が必要
です。街に出るとマスクの人の多いことに驚きます。
といってもこれは風邪ではなく、花粉症でしょう。

□◆□…優嵐歳時記(1041)…□◆□

  三月や力士の肌のつややかに  優嵐

力士の肌はきれいです。今場所、朝青龍は連敗のスタート
ですが、初めて彼を生で見たとき、肌のつやのよさに驚き
ました。サラブレッドも馬の肌のつやで強さがわかると
きいたことがありますが、力士もどうやらそのようです。

昔のようなアンコ型の力士はほとんどいなくなり、筋肉質
の、スモウ・レスラーという体形が多数派を占めるように
なっています。特に、モンゴル勢はその傾向が強いように
思います。

このページのトップヘ