優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2007年07月

□◆□…優嵐歳時記(1168)…□◆□

  七月の寝椅子に読みぬ文庫本  優嵐

七月は真夏というにふさわしい月のはずですが、まだ
梅雨が明けておらず、かっと照りつける暑さはありません。
気象庁は猛暑としていた長期予報を、平年並みか低めの
気温と訂正しているようです。

昨年も梅雨がなかなか明けず、真夏を経験しないまま
秋が来たように思います。今年もどうやらそうなりそうな
気配。冬も夏もしだいに「らしさ」を失っている、
そんな気がします。

□◆□…優嵐歳時記(1167)…□◆□

  向日葵のむこうを下校の少女たち  優嵐

お昼前に一学期の終業式を終えた少女たちが下校して
いくのを見かけました。明日から夏休みですね。
子どものころはこの日が一番好きでした。その先にある
まっさらなお休みの日々。

もちろん夏休みのドリルとかいろいろあることはあるの
ですが、40日のお休みというのは、子どもにとっては
無限のような気がしたものです。

□◆□…優嵐歳時記(1166)…□◆□

  湯あがりのわれに親しき扇風機  優嵐

今日は日差しが少しのぞきました。すっきり青空とは
いきませんが、梅雨明けも近いか、と期待します。
日中は窓を開けていれば風が通って冷房はおろか
扇風機も不要な部屋にいます。

それでも湯あがりはやはり扇風機の側ですごすひととき
が極楽です。暑さの中の涼しさ、寒さの中の暖かさ、
この落差がいいんですね。入浴をすませると、日中の
時間から夜の時間に切り替わり、ほっと一息つきます。

□◆□…優嵐歳時記(1165)…□◆□

  初蝉の曇れる空に鳴き始む  優嵐

昨日、この夏初めて蝉の声を聞きました。にいにい蝉です。
蝉の声にはかっと照りつける夏の日差しがふさわしい
のですが、まだ梅雨空が続いています。気温もそれほど
上がっておらず、扇風機を回さずとも過ごせてしまいます。

立秋が8月8日ですから、暦の上で夏といえるのはあと
三週間ほどです。お盆のころともなれば、日差しは
はっきり初秋のものになります。真夏の太陽と青空に
早くあいたいものです。

□◆□…優嵐歳時記(1164)…□◆□

  ゲーム終えのど越しうまし生ビール  優嵐

今日も一日どんよりとしていましたが雨はなく、久しぶり
にテニスを楽しんできました。身体を動かすと、やはり
すかっとします。どんなに文明が進んでも、私たちの身体
の仕組みは、狩猟採集生活をおくっていた先祖の時代と
ほぼ同じなのですから、無理もありません。

ビールはその爽快な飲み味が夏向きで、季語でも夏のもの
になっています。アルコールにそれほど強くなくても、
汗をかいたあとにぐっと飲み干す生ビールのおいしさは、
やはりこたえられません。

□◆□…優嵐歳時記(1163)…□◆□

  台風の去りし夏川落ち着けり  優嵐

青空は一日だけでした。今日は午前中から早くも雲が
広がり、午後には雨になりました。梅雨明けはまだ先の
ようです。それでも川の水位は今朝は平常に戻って
水の色も青緑に澄んできていました。自然の反応は
素早いですね。

新潟で大きな地震がありました。あの時間帯、姫路でも
わずかですが、体感できるほどの揺れがありました。
夕方インターネットで地震のニュースを知って驚きました。

□◆□…優嵐歳時記(1162)…□◆□

  青空が恋し李の種を吐く  優嵐

台風が去り、今日の午後は久しぶりに、本当に久々に
夏空が広がりました。風景すべてが輝いて見え、やはり
陽の光はいいなあとしみじみ空の雲を眺めていました。
人間心理は天候に大きく影響を受け、その土地の文化
も天候抜きには語れないだろう、と思います。

三連休で行楽地は書き入れ時、旅行を計画されていた方
も多かったでしょうが、あいにくのお天気でした。
明日は「海の日」ですが、まだうねりが残っていて
海水浴は危険かもしれません。

□◆□…優嵐歳時記(1161)…□◆□

  水無月の朔は風雨の中にあり  優嵐

今日から陰暦六月です。水無月ですが、名前とは裏腹に
台風の接近で雨、雨、雨です。市川の水位が増し、川原
にあったグラウンドが昼ごろには水に浸かり始め、今は
すっかり濁流に覆われています。

台風4号は、九州から四国へと向かい、明日にかけて
太平洋側の南岸に沿って進むという予報ですから、
まだまだ雨はこれからが本番かと思います。

□◆□…優嵐歳時記(1160)…□◆□

  梅雨前線胴ぶるいして雨強し  優嵐

今週はずっと雨が降っています。もうたっぷり降って
いるのに台風が接近して、これからさらにどっさり
降りそうな予報。続く雨ですでに川は水嵩を増して
いますし、地盤がゆるくなっているところも多いこと
でしょう。

晴れ間がないので、家中のものが湿り気を帯びています。
台風が去っていくときに梅雨前線も連れていってくれる
とありがたいのだが、と思ってしまいます。

□◆□…優嵐歳時記(1159)…□◆□

  川の音今宵は高き五月闇  優嵐

今朝はかなり激しく雨が降っていました。こういうとき
通勤・通学は大変だよなあと思いながら、部屋で雨音を
聞いていました。

近くを流れる市川の水位が高くなっています。雨が続き
ミルクコーヒーのような色をした水がペットボトルや
その他もろもろのゴミを浮かべて流れていきます。
濁流というのは、何か魔術的な魅力がありますね。

明日で陰暦五月は終わります。梅雨のころの星も月も
でない夜の闇をさして五月闇といいます。電灯など
なかった時代には、ふりしきる雨の音とともにある種の
迫力を持っていた言葉ではないでしょうか。

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