優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2007年08月

□◆□…優嵐歳時記(1194)…□◆□

  地に余熱空より秋のきたりけり  優嵐

日中の残暑は厳しいですが、夕方の空を見上げると、
すでに秋の雲が出ており、確実に季節は移っていると
感じます。駅のホームで日に焼けた小学生の姿を見かけ、
夏休みももうすぐ終わりだなと思います。

宿題の追い込みシーズンです。ものごとを仕上げるのに
締め切りが大きな役割を果たしているのは確かです。
締め切りは制約である一方、その仕事なり何なりに
区切りをつけていい意味であきらめさせる効果ももって
います。

□◆□…優嵐歳時記(1193)…□◆□

  あまりにも激しき残る暑さかな  優嵐

八月ももうすぐ下旬というのに凄まじい残暑です。台風
8号は台湾から中国大陸に行ってしまい、雨も期待でき
そうにありません。雨が降り続いた七月は青空を待ち
望んだのですが、こう激暑と日照りが続くと、早く雨が
降らないものか、と思ってしまいます。

暦の上では初秋ですので、秋の句を詠みたいのですが、
厳しい残暑になかなか秋らしさを感じられずにいます。
しかし、東北や北海道ではすでに気温が下がり始めて
おり、確実に実態としての秋も近づいています。実際に
秋風がたつとまた少し寂しくなったりもしますから、
人間は勝手なものだ、と思います。

□◆□…優嵐歳時記(1192)…□◆□

  盆過ぎの灼熱列島覆いけり  優嵐

猛烈な残暑が続いています。40度を上回る場所が続出し、
熱中症で亡くなる方のニュースも聞きます。水分補給は
十分にしておかないと危険でしょう。東京では最低気温
すら30度を上回り、熱帯夜どころではない暑さになって
います。

一方、株式市場はサブプライムローン問題に直撃され、
日経平均はほぼ1年ぶりに15200円代まで下落。今日は
一日で870円以上下落して、投資家心理は氷点下です。
しばらくは荒い展開になりそうですね。

□◆□…優嵐歳時記(1191)…□◆□

  カンナ燃ゆ三十八度の日中に  優嵐

残暑が強烈です。「春は名のみの風の寒さや」ではない
ですが、まさに「秋は名のみ」です。車に乗ったら、
外気温が38度と表示されました。

カンナは晩夏から咲いていますが花期が長く、季語では
初秋に入ります。熱帯原産で、赤や黄色の鮮やかな花の
色は、秋よりも真夏にふさわしい気がします。とりわけ
この厳しい残暑には似合います。

□◆□…優嵐歳時記(1190)…□◆□

  一族の健在を見し盂蘭盆会  優嵐

母方の実家に叔父や叔母、いとこたちが集まりました。
親戚といっても、隣近所に住んでいるのでもない限り
普段顔をあわせる機会は多くありません。お盆というのは
年に一度顔をあわせるきっかけのひとつとなっており、
なかなかいいものです。

お互いに一年の無事を確認し、近況を話したり昔話に花
が咲いたりします。おそらくは戻ってきた祖父母の精霊も
テーブルの端に座って話を聞いているのだろうと思ったり
もします。

□◆□…優嵐歳時記(1189)…□◆□

  秋暑し山のむこうに雲が湧く  優嵐

厳しい暑さが続いています。山の上にもくもくと湧き立つ
積乱雲は真夏以上の力強さです。梅雨明けが遅かった分、
真夏が後ろにずれこんでいる感じです。それでも朝夕は
涼しい風が吹き、どことなく秋めいた雰囲気を感じます。

お盆休みのせいでしょう、通勤ラッシュの時間帯になって
も車があまり走りません。今週いっぱいはこういう感じ
でしょうか。

□◆□…優嵐歳時記(1188)…□◆□

   文月や手酌で飲みし濁り酒  優嵐

今日から陰暦の七月です。文月はその別称で、ほぼ陽暦の
八月と重なります。俳句を始めていなければ、陰暦なんて
知らないままに終わっていたでしょうが、こういうことを
知るのもまた楽しいものです。

相変わらず猛暑が続いています。濁り酒を冷やして
いただきました。お酒に弱いにもかかわらず。濁り酒は
カルピスのような白さです。昔はすべての日本酒が濁り酒
だったそうです。江戸初期に偶然灰を入れてクリアな清酒
ができ、それが評判を呼んで現在の日本酒ができあがった
のです。

□◆□…優嵐歳時記(1187)…□◆□

  積乱雲見上げて母と墓参り  優嵐

兵庫県豊岡市では38.5度を記録したそうです。八月が
猛暑になるのは「ラニーニャ現象」とも関係があるとか。
エルニーニョとかラニーニャとかスペイン語の名前を
持つのはペルー沖の太平洋の海水温に由来する現象
だからです。

この週末からそろそろお盆休みに入っているのでしょう。
他府県ナンバーの車をいつもよりよく目にします。
今日は日曜ですので、早めにお墓参りに行ってきました。
墓参りは春秋のお彼岸などにも行われますが、「盆」の
ある初秋の季語として詠まれます。

□◆□…優嵐歳時記(1186)…□◆□

  八月の光を宿す川の水  優嵐

今日も素晴らしくいいお天気でした。部屋の窓を開けて
いると風がよく通り、それほど暑さは感じません。
窓から川の流れが見え、日の光を反射してきらきらと
光っています。

この晴天では日向はさぞ暑いだろうと予想していました。
夕方、図書館へ行くために外に出たら車の温度計が36度
を示していました。秋になっての猛暑です。これから
お盆あたりまで、晴天が続けば炎暑ということになりそう
です。

□◆□…優嵐歳時記(1185)…□◆□

  温き水受けて残暑の昼下がり  優嵐

快晴の一日でした。暦の上で秋になったとはいえ、暑さは
まだこれからが本番といっていいくらいです。お昼に蛇口
をひねると、お湯に近いような水が出てきました。
それでも夕暮れはかなり早くなっています。

夏休みに入ってから、毎夕五時半になると子どもの声で
「外で遊んでいる人は、早くお家に帰りましょう」との
放送があります。夏休みが始まったころはまだ昼間に近い
感じでしたが、今では夕方の雰囲気が濃厚です。

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