優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2007年09月

□◆□…優嵐歳時記(1234)…□◆□

  はや桜紅葉に夕べ早くなり  優嵐

昨日から急に涼しくなりました。秋が一気に進んだ感じ
です。部屋では一昨日まで真夏と変らない服装をしていた
のですが、ロングパンツに履きかえました。

厳しい残暑の余韻に長く暑い日が続きましたが、お彼岸が
すぎ、九月も今日で終りですから、秋も後半です。野山
の彩りも冬に向けての準備が始まる頃です。

家の周りの桜の葉が色を変え、早くも落葉し始めています。
一斉に咲きそろう春の花とは異なり、同じ一本の木の葉
でもばらばらに色づき、色づいたものからさっさと地面に
帰っています。

□◆□…優嵐歳時記(1233)…□◆□

  居待月夕餉の箸をとめて見る  優嵐

陰暦八月十八日の月を居待月(いまちづき)といいます。
名月から一時間ほど月の出は遅くなっています。昨夜は
七時ごろに東の山を見ると、すでに月がゆったりと山の
端から離れているところでした。

月は四季を通じて詠まれますが、名月があるところから、
単に月といえば、秋になります。昨夜の月は、やや雲が
多く、潤んでいました。冴えた月、潤んだ月、春夏秋冬、
満ち欠けしつつ空を渡る月が、歴史もないほどの昔から
人間に慰めを与えて続けてきたことでしょう。

□◆□…優嵐歳時記(1232)…□◆□

  月の出を見んとて窓に寄りにけり 優嵐

昨夜、満月は六時半過ぎに東の山から姿を現しました。
窓に寄ってみると、ちょうど山の端が白く明るくなり、
月が間もなく顔を出そうとしているところでした。
この状態を季語で月代(つきしろ)と呼びます。

月が出る、といいながら、実は地球がこの速度で自転
しているのです。少しオレンジがかった満月がすっかり
山の上に昇ってしまうまで見ていました。

□◆□…優嵐歳時記(1231)…□◆□

  露草や高き雲間の空の色  優嵐

アパートの前の花壇に露草が咲いています。ツユクサ科
の一年草で青い小さな一日花を咲かせます。万葉集の
時代から詩歌に登場し、古くはこの花で着物を染めた
こともあったそうです。

今夜は満月です。まだ月は出ていません。昼間は雲が
多めでした。朝は雨になるのかと思いましたが、午後から
日差しが出てきました。夕方の明るさがまだ残っています。

□◆□…優嵐歳時記(1230)…□◆□

  十五夜に澄みしケルトの歌を聴く  優嵐

今夜は十六夜(いざよい)です。先ほど月が昇って
きました。昨夜とは少し趣が異なり、雲がところどころ
にかかった月です。こういう月もまたいいものです。

昨日の十五夜には、「ケルティック・ウーマン」のCDを
聴いていました。アイルランドの女性5人のユニットです。
ジャケットの女性は誰なのかと思っていたら、メンバーの
顔を合成したものでケルトの女性を代表するイメージなの
だそうです。素晴らしい歌声です。

ケルティック・ウーマン

□◆□…優嵐歳時記(1229)…□◆□

  名月のややほっそりと昇りくる  優嵐

今日は十五夜です。テニスコートでお月見をしました。
昼間は少し雲がありましたが、夕方から風が出て雲を
吹き払ってしまい、晴れ渡った空に月が昇ってきました。
十五夜とは、陰暦八月十五日の夜を指します。

今夜の月齢は13.6で、まだ満月ではありません。しかし、
暦を優先して、十五日の夜ですから、今夜の月が名月に
なります。名月にふさわしい、くっきりきれいな月です。
明後日の夜が望。晴れれば、また名月とはひとあじ違う
葉月の満月を楽しめそうです。

□◆□…優嵐歳時記(1228)…□◆□

  秋分や昔のものを片づける  優嵐

お天気が下り坂です。晴天が続いたので、ここらで一雨
もいいでしょう。先日、物置部屋の片づけをしたのを
皮切りに、片づけ意欲が湧いてきています。今日も押入れ
を片づけました。面白いもので、存在を忘れていたもの
が新品のまま眠っていたりします。

不要なものは惜しいと思えても、捨てるのがいいですね。
そうしないとエネルギーが滞ります。新しいものを入れる
スペースを確保すれば、自然と新鮮なエネルギーが入って
きて、ものごとが転換していく、そんな気がします。

□◆□…優嵐歳時記(1227)…□◆□

  うすぐもり遠くで運動会の音  優嵐

姫路市内の小学校は今日が運動会だったようです。
マイクの放送の声やBGMが風にのって流れてきました。
運動会を終えて下校しているらしい子どもたちの姿も
見かけました。

少し雲の多い一日でしたが、これくらいがちょうど
よかったかもしれません。気温が高めの日が続いて
いますから、快晴だと暑くなったでしょう。適度に風も
あり、柔らかな日差しが時おりさし、雨の心配もない、
絶好の運動会日和です。

□◆□…優嵐歳時記(1226)…□◆□

  川の辺に咲きそろいたる彼岸花  優嵐

お彼岸なのに彼岸花の姿を見かけないな、と思って
いたら、市川の川べりに群がって咲いているのを見つけ
ました。名前のとおり毎年秋の彼岸のころに田のあぜを
真っ赤に染めて咲きます。

ところが、今年は厳しい残暑のせいなのか、それとも
稲刈りついでに彼岸花も刈られてしまったのか、近所の
田のあぜにはほとんど姿がありません。姿を見せるべき
ものが姿を見せるべき時期に姿を見せないと、やはり
気になります。

□◆□…優嵐歳時記(1225)…□◆□

  北国の水の匂いの林檎かな  優嵐

早生種のりんご「サンつがる」が店頭に並び始めました。
りんごにも早生・中生・晩生まで種類があり、つがるは
トップバッターとして登場します。梨と並んで売られて
いますね。

貯蔵技術が進んで今では一年中りんごがスーパーには
出ていますが、やはり季節外れのものは味が落ちます。
青森で見たちょうど人の手を広げたようなりんごの裸木、
長野で見た一面の白いりんごの花を思い出します。



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