優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年03月

□◆□…優嵐歳時記(1417)…□◆□

  花冷えの空気を心地よく歩く  優嵐

雨があがり、風が出て寒くなりました。ソメイヨシノの
開花の速度が少しゆるやかになりそうです。家の前の
桜は三分咲きほどです。

随願寺の境内の桜はまだ咲いていません。場所と標高に
よって微妙に遅速があるので、お花見には都合がいい
ですね。平地の桜が散ったあとも、しばらく山では桜
を楽しめます。

080331

□◆□…優嵐歳時記(1416)…□◆□

  咲き初めし枝へ静かに花の雨  優嵐

一日中雨でした。お花見を計画されていた方には残念な
雨だったかもしれません。開き始めたソメイヨシノに
降る雨は明るく、華やいだ雰囲気です。少し気温が下がり
花冷え気味の日曜でした。

栄転の方にお花を贈るため、花屋さんへ行きました。
4月1日指定の配達が目白押しの様子です。新しく着任
されたその日に届くお花にお祝いの意味がこめられて
いるので、花屋さんも多忙な一日になるのでしょう。

□◆□…優嵐歳時記(1415)…□◆□

  自転車の少年駆ける初燕  優嵐

ツバメを見ました。そろそろ来るだろうと毎日期待して
待っていたのです。電線に止まろうと身をひるがえして
いるところでした。

ツバメが来て、桜が咲けば、春の主役はもう揃いました。
営巣場所をすでに探しているところでしょうか。ペアの
相手はどの段階で探すのだろう、と思ったりします。
日本に向かう海のうえでしょうか。


080329

□◆□…優嵐歳時記(1414)…□◆□

  藪つばき風強ければ陽をかえし  優嵐

姫路でもソメイヨシノが開花し始めました。来週末が
お花見には最適だろうと思います。ちらほら咲きを愛でる
のもまたいいものですが。暖かい日が続くと瞬く間に
開花が進みますから、少し花冷えがあるとありがたい
ところです。

花々が咲き、句の材料も豊富です。やはり冬よりは花の
あるこの時期が俳句を詠むにも楽しいものです。梅林は
いま八重の梅が咲いています。桜も八重は遅れて咲き
ますが、梅もそのようです。

藪椿の周りを落ちた椿が紅く彩っています。しかし、枝
にはまだぎっしり蕾がついて、咲くのを待っています。
「つらつら椿」という言葉があるように、藪椿の花期は
長く、次々と咲いていきます。

080328

□◆□…優嵐歳時記(1413)…□◆□

  朝もやに浮かびし峰の初桜  優嵐

水蒸気が多い今頃の季節、もやの中から咲き始めた
山桜が姿を現してきます。この風景は、油絵よりやはり
日本画にむいている、と感じます。屏風絵とか襖絵とか
そういうものにぴったりです。

風土は精神にも大きな影響を与えます。唯一神との契約
を基にしたユダヤ、キリスト、イスラムといった一神教は
すべて砂漠で誕生しました。穏やかで柔らかな日本の
ような風土ではおそらく生まれない宗教だと思います。

□◆□…優嵐歳時記(1412)…□◆□

  山桜朝日の中に咲き初めし  優嵐

朝、窓を開けて東の山を見ると、中腹にある山桜が
咲きだしています。去年も最初に咲き始めた木だった
ように思います。

ソメイヨシノの蕾はふくらんで今にもはじけそうですが、
まだ咲いているものはないようです。とはいえ、開花
し始めると早いですから、日当たりのいいところなど
ではもう咲いているかもしれません。

桜が咲き始めると春もいよいよクライマックスです。
桜が咲く頃は春の花々にとっても開花にいい時期なのか、
百花繚乱の趣になってきています。

□◆□…優嵐歳時記(1411)…□◆□

  芽吹く木の香に充たさるる闇夜かな  優嵐

木の芽時です。あたりの空気がその香りに充たされて、
夜ともなればさらに濃厚な感じがします。この香りを
どのように表現すればいいものか。

昨日、自然歩道で開花し始めたコバノミツバツツジを
見つけました。ソメイヨシノやヤマザクラより早い
開花です。これらはほぼ同時期に花を開き始めますが、
毎年微妙にそれらが前後します。このあたりも面白い
ところです。

□◆□…優嵐歳時記(1410)…□◆□

  うつむけば靴先にありすみれ草  優嵐

増位山の梅林では、梅の最盛期は終わろうとしています。
最も早く咲いていた紅梅はかなり散り、一番遅く咲く
白梅のひとつが最後の花を咲かせようとしています。
桜のようにあっというまに咲いて盛大に散るという花
ではなく、長い時間楽しませてくれます。

梅を楽しみながらふと視線を足元に落とすとスミレが
咲いていました。紅梅の花びらがスミレのまわりに
散っており、この色彩のとりあわせがまたいいものです。
そのそばでひらひらと飛ぶモンキチヨウを見ました。

080324

□◆□…優嵐歳時記(1409)…□◆□

  やしゃぶしの花へ彼岸の風の吹く  優嵐

昨日のお昼ごろからしだいに雲が多くなっていました。
朝から曇って、午後から雨が降り始めました。春分を
中日として、彼岸は前後三日ずつをあわせた七日間を
さし、今日が最終日です。

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、ここを境に
季節がはっきり分かれます。ハクモクレンもそろそろ蕾
を開き始めています。

080323

□◆□…優嵐歳時記(1408)…□◆□

  いちはやく光へ飛び立つ瑠璃立羽  優嵐

梅林でこの春最初の蝶を見ました。ルリタテハです。
黒地に瑠璃色の帯が光る美しい蝶です。成虫のまま越冬
した個体でしょう。蝶の動きは素早く、あまりゆっくり
見ることはできませんが、今日の蝶は木のベンチで
しばらく休んでいてくれました。

東京、熊本、静岡ではソメイヨシノが咲き始めたとか。
姫路でも一週間以内には咲き始めるかもしれません。
最近急に暖かくなりましたから。

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