優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年04月

□◆□…優嵐歳時記(1447)…□◆□  

  藤の花川面に影を映しけり  優嵐

日中は30度近くまで気温が上がり、暑いほどでした。
今日で四月が終り、明日が八十八夜です。まさに夏も
近づく、という雰囲気になってきています。

藤は山野で他の木にまきついて生活するマメ科フジ属の
総称です。蔓が右巻きのものがノダフジ、左巻きのもの
がヤマフジです。

濃淡のある紫色の花房を垂らし、その見事さゆえに古く
から日本人に愛され、万葉集の時代から和歌に詠まれて
います。

080430

□◆□…優嵐歳時記(1446)…□◆□

  春闌けてがまずみの咲く散歩道  優嵐

ゴールデンウィークに入って、晴天が続き、気温も高く
なっています。薄着になって自然歩道を散歩しました。
今、道沿いで目につくのはガマズミの白い花です。

ガマズミの実は秋の季語になっていますが、なぜか花の
方は歳時記に取り上げられていないようです。ちまちま
とした可愛らしい花が魅力的だと思うのですが。

080429

□◆□…優嵐歳時記(1445)…□◆□

  サクソフォン若葉の下に吹く人も  優嵐

日曜日に増位山の自然公園へ行くと、車を停めて木の下で
テナーサックスを吹いている人に会いました。若葉が
風に揺れる下で、囀りとセッションというのは、室内での
演奏とはひと味違う楽しさでしょう。

萌え出した若葉は徐々に広がり、木陰を作るようになって
います。葉の色がしだいに濃くなり、頂から眺める周りの
山の緑はほぼ一定の色に落ち着いてきています。

いつのまにか森からコバノミツバツツジの薄紫の花は消え、
今朝は藤が咲き始めているのに気がつきました。桐も花を
開き始めています。

080428

□◆□…優嵐歳時記(1444)…□◆□

  たんぽぽのはや旅立ちの綿毛かな

春も終りに近づき、たんぽぽが黄色い花から冠毛へと姿を
変えています。日本の春の野を代表する花ですが、日本産
だけで二十種、世界中では四百種を超える花の総称です。

頭花の蕾を鼓に見立て、「タンタンポポ」というその音色
からたんぽぽと呼ばれるようになった、ということです。
鼓草という風流な別名もあります。

現在では帰化植物であるセイヨウタンポポが勢力を広げて
います。乾燥に強く、人間が切り開いた道路や運動場など
で見られるたんぽぽは、セイヨウタンポポです。

080427

□◆□…優嵐歳時記(1443)…□◆□

  菜の花や川の曲がりに沿いて咲き  優嵐

市川の川べりに菜の花が咲いています。アブラナ科の
葉菜である芥子菜、高菜、白菜、油菜などの花を総称して
菜の花といいます。黄色い花を咲かせ、春の代表的な景観
をつくります。

かつては菜の花畑がよく見られましたが、最近は蓮華畑と
ともに、数が減っています。代わって街中の中央分離帯や
河川敷を彩るようになりました。明るい黄色が春らしさを
運んできてくれます。

080426

□◆□…優嵐歳時記(1442)…□◆□

  春筍掘られて遺す穴ひとつ  優嵐

随願寺の竹林では春筍の収穫が盛りです。筍そのものは
夏の季語になりますが、食べて美味しいのは柔らかな
今の時期の筍です。

竹は生命力が旺盛な植物で、竹林の他にもあちこちに
顔を出しています。筍の間に食べるのは周りの環境保持
にも大事なのだと思います。

梅林では梅の実が育ちつつあります。まだ小豆か大豆
ほどの大きさですが、花は確実に実を結んでいるのです。
自然の働きの力に感嘆します。

080425

□◆□…優嵐歳時記(1441)…□◆□

  しゃが咲くやあがりし雨を宿しつつ  優嵐

雨はお昼ごろにあがり、午後には日が差してきました。
随願寺の境内でシャガが咲きだしています。歳時記では
夏に入っているところが多いようです。

ゴールデンウイークのころ、林や竹林の縁で白紫に黄色い
斑点のあるアヤメに似た白い花を咲かせます。日当たりの
いいところよりは、少し他の植物の陰になるような場所に
咲いている清楚な花です。

080424

□◆□…優嵐歳時記(1440)…□◆□

  快晴にたっぷり咲きし八重桜  優嵐

昨日までは快晴でしたが、今日は朝からしだいに雲が
厚くなり、夜に入って雨が降りだしました。晴天は三日
が区切りかなと感じる春です。

八重桜は満開です。八重桜の花びらは雄しべが変化した
ものです。大阪の造幣局の桜並木は八重桜で、普通の
お花見が終わったあと浪花っ子の目を楽しませます。

080423

□◆□…優嵐歳時記(1439)…□◆□

  吹く風は明るく青く春深む  優嵐

吹く風が爽快なものになってきました。冬物を本格的に
片づけなければと思います。桜のころは急に気温が
下がったりしてあわてるものですが、さすがに葉桜に
なると、もうそういうこともなさそうです。

今日も晴天が続き、半袖の人も見かけます。庭の躑躅が
花を開き始めました。増位山のドライブウェイの途中には
クサイチゴが白い花をつけています。

080422

□◆□…優嵐歳時記(1438)…□◆□ 

  春暑し小さきグラスの食前酒  優嵐

快晴で昼間の気温がぐんぐんあがりました。車の温度計は
28度を示し、夏日です。窓を全開にして走りました。
それでも大腿部に射す日差しの強さを感じました。

八重桜があちこちで花を咲かせ、場所によっては満開に
なっています。八重桜のボリュームのある花は、こうした
少し暑さを感じるころの風景によくあいます。

日差しは強いですが、湿気が少ないので、今頃から
梅雨入りまでが一年中で一番過ごしやすい時期です。
夕暮れは遅く、新緑はすがすがしく、気持ちのうえでも
ゆったりしてきます。

080421

このページのトップヘ