優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年05月

□◆□…優嵐歳時記(1458)…□◆□

  葉桜や夕空に残るマリンブルー  優嵐

雨はあがり、午後からは晴れました。それでもあまり
気温はあがらず上着を着ました。ゴールデンウイークに
気温が上がりすぎた気もします。これくらいが今の
時期としては普通かもしれません。

夕暮れの時間が遅くなり、日が沈んだあとも長く空に
明るさが残るようになっています。夏至のころは梅雨に
なるので、あと一ヶ月ほどが日の永さを一番感じられる
ときでしょう。

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□◆□…優嵐歳時記(1457)…□◆□ 

  若葉寒少女はピンクの傘をさす  優嵐

目が覚めると雨が降っていました。久しぶりに一日中
雨が降り続きました。気温が上がらず、お昼過ぎに車に
乗ったら、外気温12度でした。ゴールデンウイーク中は
30度を越える日がありましたから、かなりの落差です。

男の子がブルーの、女の子がピンクの傘をさしてお母さん
といっしょに歩いているのを見かけました。ピンクは、
小学校低学年あたりまでの女の子が特に好む色です。
持ち物がオールピンクという子もいます。

あれは不思議です。生得的な好みなのか、周りの影響
なのかよくわかりませんが。少女も10代くらいになると
好みは変化して、ピンクの子ども時代からは脱皮する
ように思います。

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□◆□…優嵐歳時記(1456)…□◆□

  夏の鴨静かに浮かび山の池  優嵐

カルガモのつがいが増位山の池にきていました。
一般に鴨は冬の渡り鳥ですが、カルガモは留鳥です。
他の鴨は雄が鮮やかな色をしていますが、カルガモは
雌雄同色です。

池のまわりにはたくさんのトンボが群れていました。
シオカラトンボか、と思います。トンボは勝ち虫と
呼ばれ、縁起がいいものとされています。前にしか
飛ばず、その不退転の精神が武士に喜ばれ、兜や
陣羽織などの装飾に用いられています。

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□◆□…優嵐歳時記(1455)…□◆□

  日当たればさらに明るき楠若葉  優嵐

この時期は落葉樹が葉を繁らせるだけでなく、常緑樹も
新しい葉に変っていきます。楠や椿は柔らかな明るい
新葉を出しています。

針葉樹も古い葉の先に新しい葉が出て、その部分だけ
萌黄色をしています。深緑の古い葉とのコントラストが
くっきりと目だちます。

藤棚を再訪して、蔓の巻き方を確認しました。S巻きです
のでやはりノダフジです。昨日より花がさらに咲いて
藤棚の下に入ると甘い藤の花の香りがしました。

080508

□◆□…優嵐歳時記(1454)…□◆□

  藤棚にぶんぶん群れて熊蜂  優嵐

自然歩道の途中の広場に藤棚があったのを思い出して
行ってみました。まだ棚全体を覆いつくすほどには藤
が伸びていませんが、一部では花を咲かせ、たくさんの
熊蜂が蜜を吸いに集まっていました。

ノダフジであろうと思います。藤の花について図鑑や
インターネットでも調べていますが、厳密に見分ける
だけの識別能力が私にはありません。

右巻き左巻きといってもよく考えてみればどの方向から
見て右巻きなのか、ということですが、左肩あがりに
巻く(S巻き)のがノダフジで、右肩上がり(Z巻き)
がヤマフジだということです。

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□◆□…優嵐歳時記(1453)…□◆□

  屋内の鏡にさせる新樹光  優嵐

ゴールデンウイーク最終日は快晴でした。窓を開けて
いたら、前山の新緑が鏡に映っており、その明るさに
はっとしました。

市川に面した前山の山肌にはノダフジが花房をいくつも
垂らしています。ノダフジの花房はヤマフジに比べて長く、
双眼鏡で眺めてみると、それは見事です。

随願寺の本堂の後ろの山にもノダフジが咲いており、
こちらもずらりと並んだ薄紫の花々が高貴な雰囲気を
漂わせています。

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□◆□…優嵐歳時記(1452)…□◆□

  草刈られすっきり広場の夏来る  優嵐

今日は立夏。旧暦四月一日でもあります。一日中曇り空
で、夕方驟雨がありました。一気に夏らしくなっている
感じです。

増位山へ今日も散歩に行きました。曇天だったせいか、
人影はなく、のんびり歩きました。梅林の梅はビー玉
ほどの大きさになっています。かたわらで、ヤマフジが
咲いていました。

野生のフジは高木に巻きついてはるか高いところに咲いて
いるため、近くで見るのは珍しいことです。そばの竹林
では、竹の葉が黄色くなって一面に散っていました。
筍が生えるこの時期、親竹はこういう状態になります。


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□◆□…優嵐歳時記(1451)…□◆□

  見上げれば空の眩しさ桐の花  優嵐

山を遠くから見て今目につく花の色というと、藤か桐の
薄紫色です。色合いがそっくりで遠くから見る限りに
おいてはどちらかよくわかりません。そば近くで見れば
全く違う花なのですが。

今日も気温があがり、冷凍庫の霜とりをして製氷機の
準備をしました。氷を入れるような冷たい飲み物の季節
がすぐにやってきます。

080504

□◆□…優嵐歳時記(1450)…□◆□

  憲法記念日窓からの風心地よく  優嵐

朝から快晴でした。風があってからりと爽快な一日に
なりました。ゴールデンウイークの行楽地は大変な人出
でしょう。のんびりと家で過ごすのがいいですね。

車の温度計は30度を示し、町を歩いている人も半袖姿が
珍しくありませんでした。ここ数日で急に夏の気配が
濃くなってきたと感じます。明後日が立夏です。

車の窓を開けて走り、家でも窓を開けていました。風薫る
季節を満喫しました。自然歩道の落葉樹はかなり葉を
繁らせ、山の中ではほぼ葉陰を歩くことができます。

080503

□◆□…優嵐歳時記(1449)…□◆□

  ぐいと出て大地の力竹の子に  優嵐

増位山の自然歩道では毎日のように竹の子が新しく顔を
出しています。その生長の速さには驚きます。翌日には
掘られていなくなっています。そのままにしておくと
他の木々を圧倒して森を覆い尽くしかねない勢いです。

この生長のスピードを見ていると、竹は木材よりよほど
リサイクルに適した素材だなと思います。どんどん切って
使ってやることが、竹自身にもまわりの森にも必要なこと
でしょう。

080502

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