優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年06月

□◆□…優嵐歳時記(1507)…□◆□

  睡蓮の静かな水面へ歩み寄る  優嵐

いいお天気でした。比較的風があり、一日中気持ちよく
吹き続けていました。久しぶりにマウンテンバイクに
乗って加西市の古法華自然公園まで行きました。

しばらく乗っていなかったので、タイヤに空気を入れ、
チェーンに油をさしてから風の中へこぎ出して行き
ました。空は青く雲が流れ、草や木々は風に靡いて
やっぱり自転車はいい、と思いました。

オートバイも好きですが、MTBのこの軽やかさが好きです。
自分の片腕で持ち上げられるほどの機械が自分の脚力で
自分の身体を運んでいくことの軽々とした心地よさ、
それを充分堪能しました。

古法華の池で睡蓮が咲いていました。途中の道すがら
では野薊をたくさん見ました。

080630

□◆□…優嵐歳時記(1506)…□◆□

  校庭に夾竹桃の晴間かな  優嵐

午前中に降っていた雨が午後にはやみ、少し青空が見え
始めました。オートバイで城郭図書館へ行きました。

図書館では、借りたいと思っていた本を借りることが
一番の目的ですが、書棚や新刊書のコーナーでふと食指が
動く本に出会うのも楽しいことです。

読書は記憶に残る限り一番昔からの私の趣味です。字が
読めないうちから祖母に何度もせがんで本を読んで
もらっていたそうです。

マンガや映画や音楽に夢中になったこともあるし、
スポーツや旅行やアウトドアでの活動が趣味の第一に
なったこともあります。しかし、ずっと読書だけは自分と
ともにありました。これからもそうだと思います。

□◆□…優嵐歳時記(1505)…□◆□

  梅天や遠くで昼のサイレン鳴る  優嵐

朝から薄く曇って、時おり雨がぱらついていました。
夕方になって本格的に降り始めたようです。梅雨らしい
空模様の一日でした。

昼食後、窓を開けてリクライニングチェアで本を読み
ながら、ふと外から聞こえてくる音に意識を向けて
みました。車の音、草刈機の音、ときどきウグイスの
鳴声、それくらいで比較的静かでした。

今から150年ほど前、この同じ場所にいたならどんな音が
聞こえただろうと想像してみました。車や草刈機の音は
なく、今も聞こえるのはウグイスの囀りくらいでしょう。
当時なら馬や牛の鳴声が聞こえたかもしれません。

今から150年先にはどんな音が聞こえるでしょうか。
ガソリンエンジンを使う車はすでに過去のものになって、
全く異なる新しい音が聞こえるようになっているかも
しれません。

□◆□…優嵐歳時記(1504)…□◆□

  少年ら帰る南瓜の花の中  優嵐

いいお天気でした。六月も末となり、梅雨明けはいつかと
期待させるような晴天です。しかし、まだ梅雨が明ける
までには数日降り続く雨の日か、豪雨の日が必要だと
いう気がします。

カボチャはこの時期濃い黄色の花を咲かせます。十六世紀
半ばにポルトガル船によって日本に入ってきました。
カンボジア産と考えられたため、そこからカボチャという
名がつきました。

□◆□…優嵐歳時記(1503)…□◆□

  五月空呼吸整え瞑想す  優嵐

五月空(さつきぞら)とは陰暦五月の空、梅雨空を意味
します。今日は今にも雨が落ちそうで落ちない梅雨どき
らしいお天気でした。いっそ雨が降り出してくれた方が
いいのに、と思ったりします。

最近再び瞑想を始めています。特別宗教的な意味合いが
あるわけではなく、精神のストレッチのようなものです。
半跏趺坐で座り、目を閉じてゆっくり呼吸を数えます。

雑念が湧いてきたらそれはそれとしてやり過ごし、また
呼吸に戻る、それを繰り返してしばらくすると呼吸の
リズムが非常にゆっくりしたものになってきます。

私たちはいまやもの凄い量の情報にさらされていて、
心がけていないとそれに流されてしまいます。静かに
落ち着いて自分の内面に向き合う時間は、運動や食事と
同様、心身のために大事な時間だと思います。

□◆□…優嵐歳時記(1502)…□◆□

  蝿一匹メール設定変える間に  優嵐

かなり前にGメールのアカウントを取得していましたが、
そのまま放置していました。別のプロバイダのアドレスが
変更になるのを機会に、いくつかの登録アドレスを
Gメールにして使い始めてみることにしました。

インターネットの発展は実に目覚しく、使い始めたころの
ダイヤルアップ接続が遠い昔のような気がします。
常時接続、グーグル、ブログ、SNSなど、次はどんな
サービスが出てくるのか楽しみです。

□◆□…優嵐歳時記(1501)…□◆□

  麦茶飲み再びコートへ出て行きぬ  優嵐

ナイターでテニスをしました。コートへ出た頃はようやく
日が落ちたばかりで、ロブを追って空を見上げるとまだ
青空に白い雲が見えました。夏至のあとの久しぶりの
晴天です。

かなり蒸し暑くなっており、少し動くと汗びっしょりに
なります。水分補給をしながらのプレーです。暑くても
身体を動かすというのは気持ちのいいものです。

□◆□…優嵐歳時記(1500)…□◆□

  沖縄忌海の青さを忘れえず  優嵐

1945年6月23日、沖縄での戦闘が、沖縄軍総司令官の自決
で終わりました。第二次世界大戦における日米最後の
地上戦であり、大戦史上最も大規模で県民の四分の一が
犠牲になりました。

ひめゆり部隊や住民の集団自決など多くの悲劇が今も
語り伝えられています。沖縄ではこの日を「慰霊の日」
として、犠牲になった人びとの霊を慰めています。

沖縄には最南端の波照間までふくめて二度行ったことが
あります。海の色が本土とは全く次元の違う色で、
本当に驚いたことを覚えています。

□◆□…優嵐歳時記(1499)…□◆□

  降り続く雨あじさいの色を濃く  優嵐

昨夜から午前中にかけてかなりまとまった雨が降り
ました。今はひとまずやんでアスファルトは乾いて
きています。梅雨時は紫陽花が美しい季節です。

花はどの花も美しく魅力的です。しかし、その季節に
ぴったりあうからこそさらに美しさがひきたつ気が
します。紫陽花には低い雲と雨が似合う一方、向日葵
には、晴れた青空とわき上がる入道雲が似合います。

「向日葵やものゝあはれを寄せつけず」と鈴木真砂女は
詠みました。向日葵の持つ魅力の核心をとらえた句だと
感じます。

もし、桜が今の季節に咲いても、春に咲くほどの魅力は
感じられないでしょう。身を切るような早春の余寒の
中で咲きだす梅もまた同じです。

080622

□◆□…優嵐歳時記(1498)…□◆□

  街路樹のうえに城あり夏至の雨  優嵐

朝はまだ雨が落ちていませんでしたが、昨夜の雨の影響で
増位山の山頂は霧の中でした。雨が降らないうちに洗濯を
すませ、あとはのんびりしました。

冬至にはかぼちゃを食べる習慣があります。夏至には何か
食べる習慣があるのでしょうか。地域によってはこうした
節目の日に何か特別な食べ物を用意するところはある
ように思います。

午後になって雨がぱらぱらと降り始めました。予想通り
今年の夏至は太陽の顔を見ませんでした。

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