優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年07月

□◆□…優嵐歳時記(1538)…□◆□

  路地を行く日傘の白さ見え隠れ  優嵐

紫外線がお肌にダメージを与えると言われるようになり、
UVカット商品が多数出回っています。帽子から手袋、
パーカーなど多彩です。日傘は昔からありましたが、
最近はまた復活しているように思います。

白いものより黒いものの方が紫外線の反射率は高いそう
ですが、見た目は暑そうですね。私自身は日傘をさす
習慣はありません。片手が塞がってしまうのが好みに
あわないのです。

□◆□…優嵐歳時記(1537)…□◆□

  風通る座敷におれば蝉涼し  優嵐

朝、日が少し高くなってくると蝉が一斉に鳴きだします。
都会の空調の効いたビルから自動ドアを抜けた瞬間に
聞こえてくる蝉時雨というのは、叩きつけるような
暑さを感じさせます。

しかし、風通しのよい座敷にいて聞こえてくる蝉の声
というのは、夏のエネルギーを感じさせてよいものです。
肌を撫でていく風と蝉のコンビネーションを楽しみ
ながら夏の読書です。

□◆□…優嵐歳時記(1536)…□◆□

  雷去りし空に夕映え訪れぬ  優嵐

曇って涼しい一日でした。朝曇りかと思っていましたが、
日中になっても晴れず窓を閉めてもいいくらいの気温に
なりました。それでも午後になると雷雲が発生し、午後
三時ごろから夕方にかけて雨が降りました。

空が暗く低く見えるのは積乱雲の下に入ったからだろう、
と思いながら外を眺めていました。雨が上がるともう
夕暮れ時で、夕焼けと青空が見えました。

□◆□…優嵐歳時記(1535)…□◆□

  雷神の炎(ほ)を投げながら通りゆく  優嵐

お昼過ぎごろから雷雨の気配がありました。空が暗く
なり、風が変わって雷鳴がし始め、間もなく雨が落ちて
きました。20分ほど降って、いったんやみました。

少し明るくなりましたが、晴れてくる気配は無く、南の
窓を開けていると、幾筋もの雷光が雲から放たれるのが
見えました。強烈な輝きの美しさにしばらく見いって
いました。

□◆□…優嵐歳時記(1534)…□◆□

  山の端にあかりきらきら遠花火  優嵐

昨夜は海辺で花火大会がありました。音はよく響いて
いましたが、あいにく低い山があって花火本体の上端が
かすかに見える程度でした。夏休みに入り、今週、来週
あたりは各地で花火大会のラッシュでしょう。

小学二年生の時に淡路島で伯父に連れて行ってもらった
花火大会が、私にとっては大掛かりな花火大会の初めて
の経験でした。子どもでしたから、空中花火に覆われる
ように見えて、驚いたものでした。

今、あれと同じ規模の花火大会を見ても、すでに子ども
ではない身には同じようには見えないでしょう。子ども
だからこそ経験できたスペクタクルですね。

□◆□…優嵐歳時記(1533)…□◆□

  仰ぎ見る空いっぱいの夕焼けを  優嵐

今日も快晴でした。暑い一日が終り、さきほどまで見事な
夕焼けを見ていました。明日も晴天になりそうです。
壮大な夕焼けを見られるのは夏です。そのため、夏の
季語になっています。

夕焼けの美しさばかりは、なかなか人の手で再現する
のは難しいように思います。全天を使って繰り広げられる
スケールの大きさ、刻々と色彩が変化していく見事さは
やはり大自然ならではのものです。透き通るような輝く
色合いも、太陽光線が織り成す色ゆえといえます。

080726

□◆□…優嵐歳時記(1532)…□◆□

  すぐカラリ夏日に干せる洗濯物  優嵐

晴天が続いています。夕立もなく、かんかん照りです。
洗濯物もあっという間に乾きます。汗をかくので洗濯の
回数が増えますが、すべて洗濯機まかせですので何と
いうこともありません。

今年は早めに梅雨があけて、日本の夏らしい夏を堪能
できています。家からは市川と山の緑が見え、どの季節
もその情景は好きですが、夏のこの時期に水辺が見える
というのは、視覚的な涼しさを感じられていいものです。

□◆□…優嵐歳時記(1531)…□◆□

  朝ぐもり去れば吹き初む風のあり  優嵐

盛夏、日中の強い日差しで蒸発した水蒸気が夜明けごろに
冷やされ、朝方はどんより曇ったようなお天気になること
が多くなります。お天気が悪いわけではないので、やがて
晴れてきて、再び炎暑の一日が始まります。

この時間帯は朝凪の時期にあたり、風もないため水蒸気が
たまりやすいのでしょう。日射で陸地が暖まると海からの
風が吹き始めます。

□◆□…優嵐歳時記(1530)…□◆□

  目を細め大暑の光を見ておりぬ  優嵐

昨日は二十四節気の大暑でした。夏の最後の気になります。
あと二週間で暦の上での夏は終わります。しかし、日中の
暑さは今がピークで、真昼間の戸外を見ていると、眩暈
がしそうなぎらつきです。

それでも夕方の光には少しずつ秋の気配が忍び寄って
きています。一刻も留まることなく季節は移っていく
そのことを実感します。昼間は南風が部屋を通り抜けて
いくため大変涼しく、むしろ夜の暑さを強く感じます。

□◆□…優嵐歳時記(1529)…□◆□

  蝙蝠の訪れに目覚む深夜かな  優嵐

窓を開けて眠っていたら、夜中にばさばさという音で
目が覚めました。どうやら蝙蝠が迷い込んできたらしく
しばらく部屋の中をあちこち飛び回っていました。

蝙蝠は超音波を発してその反射を感知することにより
暗闇で飛び回ることができます。蝙蝠の訪問を受けた
のはこれが初めてです。

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