優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2008年11月

□◆□…優嵐歳時記(1654)…□◆□

  山降りて湯に入り牡丹鍋囲む  優嵐

友人たちと丹波篠山の弥十郎ヶ岳に登ってきました。
標高715m、薬師野ヶ原キャンプ場に車を停め、檜の谷間
を南へたどり、吹越峠へ出ます。その先はまだ残って
いる楓の紅葉や、向かいの山を彩っている黄葉を楽しみ
ながら、落葉を踏んで歩きました。

落葉が積もっているところはさくさくとした感触が
心地よく、この時期ならではの山歩きの楽しさでした。
頂上はさすがに少し風が冷たかったですが、篠山市街
方面の見晴らしがよく、大阪からこられたという
グループといっしょになりました。

山を降りたあとは、篭坊温泉へ行きました。露天風呂に
入ってさっぱり汗を流し、今がシーズンの牡丹鍋を
いただきました。薄く切った猪肉を葱、豆腐、きのこ、
白菜、春菊、こんにゃくとともに味噌で煮込んだもので、
身体が温まります。

081130

□◆□…優嵐歳時記(1653)…□◆□

  ひとたびは空へ舞い飛ぶ散紅葉  優嵐

増位山は落葉の最盛期です。すでにすっかり枝だけに
なった木もあちこちに見られます。今日は一日時雨雲が
空をおおい、木枯しが鳴っていました。

自然の風物の何もかもが冬の眠りに向かって足を速めて
いる雰囲気を感じます。北風に烏が翼を絞って飛んで
行きました。

081129

□◆□…優嵐歳時記(1652)…□◆□

  凩の山を包みて鳴りにけり  優嵐

昨夜の雨は朝にはあがっていいお天気になりました。
風が出て少し気温が下がりました。山道を歩くと
あらたに落葉が降り積もっています。

凩(こがらし)が吹くたびに森の枝が鳴り、木の葉が
落ちてきます。山全体では一年でどれほどの落葉がある
のだろう、と想像したりしながら歩きます。

森の木というのは、空気中と土壌から自分に必要な
ものを生み出して生きています。あらゆる動物はそれらの
恩恵に頼って生きているわけです。

081128

□◆□…優嵐歳時記(1651)…□◆□

  いくたびも落葉の峰を踏みにけり  優嵐

お昼に増位山へ散歩に行ってきました。午前中は晴天
でしたが、お昼過ぎあたりからしだいに雲が多くなり、
頂上から見る播磨灘は霞んでいて淡路島は見えません
でした。

夜に入って雨になっているようです。戸外を走る車の
音でアスファルトの路面が濡れていることがわかります。
強い雨になると雨音でもそれとわかりますが、そうした
降りではないようです。

081127

□◆□…優嵐歳時記(1650)…□◆□

  冬めくや大樹のうしろに夕陽落つ  優嵐

暖かい日が続いていますが、夕暮れ時が大変早くなり、
午後3時を過ぎるともう夕方の雰囲気です。間もなく
11月が終ります。歳末はものごとが忙しいだけでなく、
この日中の短さが心理的なせわしなさに拍車をかけて
いる感じがします。

年が明けると、もうかなり日は長くなっており、七草の
ころにははっきりそれを感じるようになります。
寒い盛りですが、春も遠くないなという気分になります。

子どもの頃は11月の末ごろが一番わびしい感じがして
いました。木々が盛んに木の葉を落としていること、
時雨がちの天気が多かったりして、午後になると雲が
出ることが多く、それが短い午後を一層短く感じさせた
からでしょう。

081126

□◆□…優嵐歳時記(1649)…□◆□

  時雨きて銀杏の色の鮮やかに  優嵐

銀杏の黄葉が盛りです。他の樹木の黄葉はそれなりに
色むらがあったりするのですが、銀杏はペンキで塗った
ような均一な黄色を見せてくれます。

里に多く、神社などには見上げるような大樹もあり、
街路樹としてもあちこちに植えられています。古くから
人の生活の身近にあった木です。


081125

□◆□…優嵐歳時記(1648)…□◆□

  午後三時はや薄暗き冬の雨  優嵐

朝から降りだした雨が一日続いていました。こんな日は
炬燵でゆっくり本を読むのにぴったりです。

日ごとに日が短くなっており、雨のため、今日はさらに
早くから暗くなりました。夜に入って一時かなり激しく
降っていましたが、今はやんでいるようです。

081124

□◆□…優嵐歳時記(1647)…□◆□

  しばらくは風が遊んでいく落葉  優嵐

落葉が舞い散る季節です。木の葉がすっかり落ちてしまう
ころには歳末です。アスファルトの上に散った落ち葉は
乾いて、風が吹くと連られてくるくるまわったりします。

風そのものに形はありませんが、春は桜吹雪、夏は青田波、
秋は稲穂をゆらし、冬は落葉とそれぞれの季節を豊かに
彩ってくれます。

081123

□◆□…優嵐歳時記(1646)…□◆□

  陽だまりをゆっくり飛んで冬の蝶  優嵐

今朝は真っ青な空が広がる快晴でした。念のため風邪の
急性鼻炎用の薬を飲んで今日も一日自宅で過ごしました。
冬型の気圧配置はゆるんできているようです。

しばらくまた暖かい日が続くのでしょうか。隣の家の
柿の木はここ数日の木枯しですっかり葉を落とし、枝に
残った数個の柿がよく目だちます。

蝶の中には越冬するものもあり、暖かい冬の日差しの中を
ふわふわと飛んでいます。

081122

□◆□…優嵐歳時記(1645)…□◆□ 

  ぬくぬくと炬燵にありて風を聞く  優嵐

今週のはじめあたりから、これはどうも…、と思って
いましたが、風邪をひいてしまいました。毎年一度は
必ず年中行事のように風邪をひきます。

風邪をひいても発熱して寝込んだりすることはめったに
ありません。急性鼻炎の症状が出るだけなのですが、
これも鼻炎用のカプセルを飲むことであっけないほど
簡単に症状を抑えることができます。

副作用として、少し眠くなりますが、鼻水がどうにも
おさまらない状態よりはずっとましです。炬燵で本を
読み眠くなったらちょっと転寝をする、というのも冬の
贅沢でしょう。

081121

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