優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2009年02月

□◆□…優嵐歳時記(1744)…□◆□

  二月尽く光の中を歩みけり  優嵐

昨日はまた雨でしたが、今日はお天気が回復し、明るい
春の日差しが降り注ぎました。増位山の頂で神戸から
こられたという家族連れに会いました。

周囲の風景は朧にかすんでおり、播磨灘がようやく
見えるかどうかというところでした。南を指差して、
一番空気が澄んでいるときは大鳴門橋が見えるんですよ
と話しました。

09028

□◆□…優嵐歳時記(1743)…□◆□ 

  郵便局出て春雨を駆けゆけり  優嵐

ZARDの3rdアルバム『HOLD ME』を聴いています。名盤です。
繰り返し何時間も聴いていますが、全く飽きません。
このアルバムで、ほぼその後のZARDのイメージが完成した
のではないでしょうか。11曲の作詞をすべて坂井泉水さん
が担当しています。

表のジャケットは自然光の中で右下方を見ており、裏も
うつむき加減をほぼ正面からとらえています。ジャケットも
これでひとつのスタイルを確立し、前期ZARDの代表的
作品です。

シングルカットは『眠れない夜を抱いて』のみですが、
追悼盤の『ZARD Request Best-beautiful memory-』で
ファンの人気No.1だったという『あの微笑を忘れないで』が
4番目に収録されています。「走り出そう新しい明日へ」と
歌う軽快な励まし系の曲です。

声、歌い方が曲ごとに微妙に異なっており、坂井泉水と
いうボーカリストの稀有な才能を感じることができます。
中低音域では声にややスモークがかかる感じがあり、
それが高音域になると、あの透明な抜けていく声に
変っていきます。

『あの微笑を忘れないで』は好きな曲ですが、もう1曲、
ラストから2番目に入っている『遠い日のNostalgia』も
素敵な曲です。前奏・間奏のピアノが印象的で、
Nostalgiaというとおり、遠い郷愁を感じさせてくれます。


□◆□…優嵐歳時記(1742)…□◆□

  橋いくつ川は静かに大霞せり  優嵐

久しぶりに晴れ、光がさらに明るくなったのを感じました。
もうすぐ二月が終り、春も半ばに入っていきます。
山頂は無風、まわりの景色は霞の中でした。

鶯の囀りが聞こえます。山道をぼんやりと歩くのが好き
です。ぼんやりというのがポイントでしょう。何かに
ついて考えようなどとは決めず、自然に心の中から
浮かんでくるものを追うともなく追いながら落ち葉を
踏んで歩きます。

こういうことができるというのは、考えてみるととても
ぜいたくなことかもしれません。時間に追われて次は
あれ、その次はこれ、という暮らしの中ではこういう
時間を持つことは困難です。

090226

□◆□…優嵐歳時記(1741)…□◆□

  雨さらに梅の香りを際立たせ  優嵐

雨の日が続きます。湿度が高いせいか、梅の香りが濃さを
増して梅林に漂っています。紅梅も白梅も水滴をつけて
静かに立っています。植物に思考や感情はあるので
しょうか。伝える術を持っていないだけで、彼らも彼ら
なりにいろいろ考えたり感じたりしているのでしょうか。

雨模様でしたが、随願寺の本堂は開け放たれ、姫路市の
公用車が停まっていました。文化財の調査をされている
ようです。庫裏で和三盆の干菓子をいただきました。
いつもこの前を散歩のときに通りかかり、お茶とお菓子を
ごちそうになっています。

09025

□◆□…優嵐歳時記(1740)…□◆□

  春雨に煙りし山を見下ろせり  優嵐

お天気がぐずついています。春らしい、といえるのかも
しれません。昼ごろは雨が降ったりやんだりしていました。
土砂降りでない限り、雨でも散歩をします。水蒸気が
木々の間を漂って、晴れの日とはまた一味違う風景を
見せてくれます。

なんだか涙ぐんでしまうという状態は、今朝になっても
続いていました。単に父の死を悼んでいるというのでは
ないと気がつきました。泣けるのは恐らく子どものころ
からのいろいろな感情が混じっているからです。

一言では言えない、ガラスの核のようなもの、硬く凝縮
したものをずっとどこかに持っていました。自分自身でも
気がつきませんでしたが、それがようやく解凍されて流れ
出したと言えばいいでしょうか。

090224

□◆□…優嵐歳時記(1739)…□◆□

  亡き父と共にたたずむ梅林  優嵐

父が亡くなったのは94年の10月でした。多臓器がんで、
闘病生活は三年弱でした。弱虫な人だったので、あまり
ひどく苦しまずに最期を迎えられるようにと願って
いました。幸いほとんど痛みやだるさもなく、亡くなる
20日前まで家で過ごすことができました。

亡くなったとき、すでに覚悟はできていたので、一度も、
一滴の涙も流しませんでした。父は弱い人で、そのために
父親としての責任を果たせていませんでした。弱さを隠す
ために嘘をつき、見栄をはり、つらいことから逃げてばかり。
泣くほどの価値もないよね、とある部分で思っていたのは
確かです。

ところが、亡くなってそろそろ15年になろうという今日、
梅林への道をゆっくり歩きながら、父のことが思い出され
泣けて仕方がありませんでした。人通りがほとんどない
のは幸いでした。

何がきっかけだったのか、昨日読んだキューブラー・ロスの
本のせいかもしれません。このところ惹かれて聴いている
ZARDの歌のせいかもしれません。さらにもっといろいろな
ものがいっしょになってここまで私を引っ張ってきて
くれたのでしょう。

父は3歳でその父(私の祖父)と突然、死に別れました。
父が弱虫で情けないやつだったのは父自身の責任です。
しかし、そうならざるをえなかった父のつらさが少し
わかったような気がしました。

15年たってようやく亡くなった父に対し涙を流し、追悼
できたような気がします。ありがとう、というのでは
ありません。「おやじさん、あなたも大変やったんや」
とねぎらいの言葉をかけたい思いです。

亡くなったとき、3歳で死に別れた祖父はベッドサイドに
迎えにきてくれたのだろうか、と思いました。私自身が
この父のもとへ生まれることを選んだのも何かのご縁なの
でしょう。ここから何を学ぶことができたか、それこそが
大事なことです。

090223

□◆□…優嵐歳時記(1738)…□◆□

  梅が香を胸の奥までいっぱいに  優嵐

梅は香りも存分に楽しめる花です。こればかりは桜は
かないません。満開の梅林の真ん中に立ってゆっくり
息を吸い込むと肺腑の底まで梅の香りが流れ込んでくる
ようです。

朝から曇っていましたが、午後から雨になりました。
その前に日課の散歩をすませることができました。去年
までは夏になると散歩をやめていました。低山は暑い
からなのですが、今年はどうなるかな、と考えています。

去年までは半分俳句の材料探し、半分運動不足の解消が
散歩の目的だったのですが、今年に入ってからは、
なんとなくそれだけではすまなくなっているのです。

まるで犬が散歩なしでは生きていけないような、そんな
感じに。ゆっくり山道を歩かないと、何かとんでもない
ものをなくしてしまう、そんな感じです。

090222

□◆□…優嵐歳時記(1737)…□◆□

  ハヤシライス余寒の道を戻りては  優嵐

少し気温が下がっています。春の歩みは一歩進んで立ち
どまり、さらに一歩進んで一歩下がりという具合です。
増位山の三角点でお孫さん三人を連れられた男性に会い
ました。

今日は霞がかかって明石海峡大橋さえ見えませんでした。
双眼鏡を持っていたので、明石海峡大橋の主塔が確認
できたら、その子たちに見せてあげたかったのですが。
残念。

YouTubeって凄いなとまた思ったのは、ランダム再生と
いうのができることに気づいたからです。お気に入りの
動画をいくつも登録しておけばシャッフルして再生して
くれるんですね。

090221

□◆□…優嵐歳時記(1736)…□◆□

  ヘッドフォン外せば春の雨の音  優嵐

密閉型インナーヘッドフォンは外界の音の遮断度合いが
高いということを実感しました。昨日は午後から雨に
なり、夜にはかなり激しく降っていたのですが、この
ヘッドフォンで音楽を聴いている限り、雨音には全く
気がつきませんでした。

ボーカリストがレコーディングブースで使っているのは
オーバーヘッドフォンですが、ライブステージなどでは
こうしたインナーヘッドフォンを使うようです。激しい
ステージパフォーマンスを行っても外れないような仕組み
になっているのでしょうね。

090220

□◆□…優嵐歳時記(1735)…□◆□

  明るさのさらに際立ち冴返る  優嵐

二月の風が冷たく感じられるのは、光の明るさゆえかも
しれない、と思います。光はもうすっかり春の盛りを
示しているため、感覚がもっと暖かいはずだと期待する
のですが、実際の風はまだそこに追いついていない、
それが冷たさを増幅するのではないか、と。

SONYの密閉型インナーヘッドフォンを買いました。

SONY 密閉型インナーヘッドフォン EX500SL ブラック MDR-EX500SL/B
SONY 密閉型インナーヘッドフォン EX500SL ブラック MDR-EX500SL/B

これまでは、SennheiserHD515を使っていました。

Sennheiser ヘッドホン(ハイエンドサウンドモデル) HD515
Sennheiser ヘッドホン(ハイエンドサウンドモデル) HD515


これはつけ心地が良く、気に入っているのでそのまま使い
続けるつもりですが、横になったりして聴くにはやや
大きい。そこで、インナーヘッドフォンを試してみようと
思いました。

もともと外で音楽を聴く習慣はありません。電車通勤も
しませんから、インナーヘッドフォンは不要でした。
しかし、YouTubeに触れたりするうち、モバイルで持ち
出したとき、外で聴くための道具を持っていた方がいい
かな、との考えも浮かびました。

このページのトップヘ