優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2009年02月

□◆□…優嵐歳時記(1734)…□◆□

  初音して踏み出す足を止めさせる  優嵐

増位山で初音(その年の鶯の第一声)を聞きました。
おっ!と思わず立ち止まり聞き耳をたてますが、ただ
一回だけでそれ以上は聞こえませんでした。これから
しだいに囀りが整ってきて、三月になれば美しい声が
聞こえるようになります。

鳴く野鳥は数あれど、鶯ほど変化が楽しめ、見事な囀り
を聞かせてくれるものは他にないでしょう。随願寺の
庫裏でお茶と桜餅をいただきました。日差しは暖かく、
春だなあと空を仰ぎました。

090218

□◆□…優嵐歳時記(1733)…□◆□ 

  春の雪降る中へまた陽の差しぬ  優嵐

風はそれほどありませんが気温は低く、お昼でも5度前後
というところでした。山道にごく薄く昨夜降ったらしい
雪が残っていました。

気温が低いせいでいっそう日の光の明るさが際立ち、
きらめくような「光の春」の美しさを楽しみました。
山頂近くへきたとき、雪を降らせる雲がやってきて、
周囲にほんのひととき雪片を舞わせました。

連日の山歩き、最初は運動不足解消が目的でしたが、
最近では少し違ってきています。森ではゆっくりと
周囲の空気を堪能するように歩いています。森に溶け込み
そこから自分も何かをいただいている、そんな感じです。

090217

□◆□…優嵐歳時記(1732)…□◆□

  満開の梅に目白のこぼれ飛ぶ  優嵐

今日は風がありました。週末に気温があがった反動か
お昼も7度程度と気温は低く、薄い上着を着たまま森を
歩いてもそれほど暑くありませんでした。

増位山に向かうドライブウェイの途中にある紅梅も白梅も
ほぼ満開。そばに寄るといっぱいに梅の香りがしました。
メジロが何羽か集まって梅の間を飛び回りながら蜜を
吸っているのが見えました。

森は明るく、風があるせいで木の葉のつくる影がさらに
はっきりしています。日差しがぐっと強くなってきて
いるのがわかります。背後から照らされて前にできた
自分の影の濃さに驚きました。

090216

□◆□…優嵐歳時記(1731)…□◆□

  春の道走り出したくなることも  優嵐

ZARDの2ndアルバム『もう探さない』を聴いています。
ジャケットの写真は後のものとは大違いのかなりダークな
雰囲気です。シングルカットされた『不思議ね…』と
表題曲を含めた佳曲ぞろい。サウンド的にはロック色が
薄くなり、後のZARDのものに近づいています。

全曲を坂井泉水さんが作詞、うち2曲は作曲もしています。
そのうちのアルバムラストの曲『いつかは…』は、余命
いくばくもない女性が恋人に呼びかける歌です。
”Baby, Baby dont't you cry 忘れないで ずっと
あなたの中に 生き続けるわ”と歌うラストは、まるで
彼女が将来を予測していたかのような印象を受けます。
切ない歌です。

『不思議ね…』は好きな曲ですが、このアルバムの中では
さらに好きな曲に出会いました。5番目に収録されている
『Forever』です。

歌詞は後のZARDの特徴のひとつになる励まし勇気づける
もので、恐らくこれが最初のそういうテイストの曲では
ないか、と思います。楽曲全体も何かはるかなものへの
憧れを誘うような雰囲気を漂わせており、今のところ、
ベスト5に入るお気に入りです。

□◆□…優嵐歳時記(1730)…□◆□

  わが内に何呼び覚ます春一番  優嵐

立春後、最初に吹く強い南風を「春一番」といいます。
昨日は気温が高く20度前後まであがって、シャツ一枚で
歩いても汗ばんでくるほどでした。昼ごろから雨交じりの
風が吹き始め、夜になるとさらに強くなりました。

春一番はもともと漁師言葉だったようですが、第二次
大戦後、マスメディアで採り上げられ、春の到来を告げる
目安としてぴったりの言葉なので広く普及しました。

090214

□◆□…優嵐歳時記(1729)…□◆□

  その白きまことの中に梅開く  優嵐

増位山の麓の梅は八分咲きですが、山上の梅林はまだ
ちらほら咲きの段階です。梅の花言葉は、高潔、上品、
忍耐、忠実、独立、厳しい美しさ、あでやかさ。特に
白梅には「気品」というものもあります。

厳しい寒さの続く中、一番に花を開き春の訪れを告げて
くれる梅にふさわしい花言葉だな、と感じます。霜の
降りた朝、時には雪を被りながら咲いている梅を見ると、
気概というか、凛としたものを感じます。

090213

□◆□…優嵐歳時記(1728)…□◆□

  頂の霞の中に眠りけり  優嵐

暖かく春らしい一日です。今日もお昼に増位山の三角点へ
行きました。誰にも会わないので好きです。ぼんやりと
何を考えるともなく考えながら歩きます。自分の心の
中の風景を反芻しながら歩く、とでもいいましょうか。
周囲の景色は霞の中でした。

頂のベンチに寝転んで、日差しと柔らかな風を楽しみ
ました。頭の上でサラサラとソヨゴの葉が触れ合う音が
聞こえました。ああ、ソヨゴの葉が風に吹かれてたてる
音というのはこういう音なんだなあと思いながら、目を
閉じて耳を澄ませていました。

とてもリラックスし、頂の空気に包まれ安らかな気分
でした。幸せのひとつの典型です。幸せにはいろいろ
あります。

私にとっては、気持ちを集中させて何かに没入できて
いるとき、大きな落差が一気に埋められカタルシスを
感じられたとき、さらには今日のようにゆったりと
何かに身を任せてくつろいでいるとき、が代表的なもの
としてあげられるでしょうか。

090212

□◆□…優嵐歳時記(1727)…□◆□

  追儺会の喧騒遠く春の雲  優嵐

増位山随願寺で追儺会が行われました。とりあえず行って
みましたが、私はやはりこういう大勢の人が集まる行事は
苦手だなということを再認識しました。

今まで全国各地いろいろな場所へ行っていますが、
観光地でもどこでも深く印象に残っている場所というのは、
必ず”人がいない”という条件がつきます。どれほどの
景勝地であろうとも、人がわらわらといたら、もう
それだけでアウトです。

団体旅行も苦手ですし、出かけていくときはほとんど
一人です。寂しくないのかとよくきかれますが、なぜ
一人だと寂しいのかその意味がよくわかりません。
考えたり感じたりするのには、一人が一番です。

収穫は、国重要文化財の木造毘沙門天立像が見られた
ことでしょうか。ふだんは耐火金庫の奥深くお隠れに
なっています。

090211

□◆□…優嵐歳時記(1726)…□◆□

  球を打つコートのかなた春の月  優嵐

三週間ぶりにテニスをしてきました。もう違和感は全く
ありませんが、予防のためにサポーターをつけてコートに
出ました。いつもより念入りにストレッチングをして、
最初はちょっとおっかなびっくりというところもあり
ましたが、すぐに通常どおり走れることがわかりました。

途中、月が昇ってきました。満月は昨夜でしたが、雨で
月を見ることはできませんでした。今夜の月齢は15.2、
ほぼ満月といっていいくらいのまんまるな月が大きく
視界に入ってきて、思わず手を止めて見入っていました。

090210

□◆□…優嵐歳時記(1725)…□◆□

  紅梅や彼女の歌うロックのビート  優嵐

ZARDの1stアルバムが手元に届きました。シングルカット
されている曲はすべてYouTubeで聴くことができます。
肉離れが取り持つご縁で初めてゆっくりZARDのシングル
全曲に触れ、これは凄いなと思いました。

ボーカリストとしての彼女の声質、歌唱、それがとても
魅力的な上、楽曲の幅が広く、アレンジも凝っていて、
彼女がスタジオに篭って練り上げたという話を聞き、
納得しました。そこで、デビューから順に追って
聴いてみようと思いました。

1stはZARDとして手さぐり段階というか、ロック調を前面
に出し、作詞も6曲のうち4曲しか坂井泉水さんは担当
していません。歌詞には、かなり際どい内容を歌っている
ものもあり、全体にダークな印象です。

ジャケットはデビューから早くもカメラ目線ではなく、
レコーディングスタジオらしいところでの横顔が表、裏も
打ち合わせ中のうつむき加減の顔が小さく数枚です。
声は張りがあり、抜けるような高音の美しさはすでに健在。

Good-bye My Loneliness
Good-bye My Loneliness

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