優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2011年12月

□◆□…優嵐歳時記(2766)…□◆□

  海に背を向け頂の日向ぼこ   優嵐

先日、オイルパステルの描写で腕を痛めたと書きました。そのおかげで新しい描き方にたどりついたのですから、何が幸いするかわからないものです。人間、まあまあうまくいっているときはその方法を変えようとは思わないものです。何かうまくいかないことがあって初めて考え直し、そこで新たなものを探します。

腕というか、肘というか、まだ本調子ではありません。今回のことで、腕、肘、掌、指を司る筋肉の繊細複雑な連携に目を開かされました。腕を痛めたといっても、厳密に言うと、指先の動き、特に指先に力を入れてひねったりねじったりすることがしにくくなっています。また、つまみあげるような動作にも違和感があります。それなのに腕全体で突いたり押したりするのはまったく平気です。

基本的に指先に力を入れてこすりあげるような動作を繰り返したあげく、テニスのフォアハンドでダメージを決定的にした、ということですから、そういう部分の筋肉が傷んでいるのでしょう。指先というのは指先だけの微妙な力加減を司る筋肉があるのだと気づきました。

IMG_2408<天使の梯子>
冬の頂に座っていると
頭上を覆う雲がところどころで切れ
そこから日差しが地上に降り注いでいるのをよく見る

夏の日差しは決してあんな風にはならない
なぜだろう

西洋ではあれを天使の梯子というそうだ
天使があの光を使って地上に降りてくる
冬の淡い日差しなら
本当にそんなことがありそうに思える

□◆□…優嵐歳時記(2765)…□◆□

  葉牡丹の植えられ残り少なき日   優嵐

ホームセンターへ行ったら、注連縄やミニ門松といったお正月の飾り物が並んでいました。クリスマスはもうここでは終り、ポインセチアは割引されています。シクラメン、センリョウ、マンリョウ、ハボタンなど年始の鉢植えがたくさん売られていました。

昨日、『優嵐スケッチブック』にアップした鷹の絵で初めてパンパステルを使いました。これは、非常に細かな粒子の顔料をパンケーキ状に固めたものです。肌理の細かな専用のスポンジで塗り広げると、あっという間に背景を塗ることができました。さらに消しゴムで修正することもできます。粉っぽくなく、べたつくことも無いという、広い面積を塗るには理想的な画材かもしれません。

また、オイルパステルで描いた部分には、ヘアドライヤーを使いました。ドライヤーの温風をあてると、オイルパステルが柔らかく溶け、地塗りしているアクリル塗料の凹凸の隙間に、容易に入り込んでくれます。これは昨日のアートワーク参加者のおひとりから教えていただいた方法です。

熱を加えればオイルパステルが溶けるということは知っていました。描いた上からアイロンを使おうか、なんて考えていたのですが、ヘアドライヤーの温風には全く気がつきませんでした。視点を変えることの難しさ、コロンブスの卵です。パンパステルとドライヤーを併用すれば、楽に広い面積の絵を描くことができそうです。教えてくださったにきにきさん、感謝です〜!

IMG_2511<何に使えるか>
「コップは何に使えるか」
ISIS編集学校での課題だった

ヘアドライヤーは何に使えるか
これはその応用編
頭を柔らかくするとはこういうこと

コップの使い方を
20通り以上すぐにあげられるなら
ヘアドライヤーを大いに活用できるはず

□◆□…優嵐歳時記(2764)…□◆□

  ひとり来てまた鍋つつく忘年会   優嵐

アートワークのために大阪へ行ってきました。日曜日もよく晴れ、霜が降りていました。一年のしめくくりとして、最初に一枚の紙に今年一年を「流れ」として振り返って描くワークを行いました。一年があっという間に過ぎた気がしますが、あらためて振り返ると、その一年を貫くテーマのようなものが見えてきます。

この一年は私にとって珍しく親族関係でいろいろな交流があった年でした。叔母が亡くなったことが最大の出来事でしたが、これまであまり意識しなかった「親族」というものを考える機会が多かったと思います。それぞれの出来事をいいとか悪いとかいうのではなく、その時期にはそれにふさわしいことが起きるものだと感じています。肝心なのはそれを見て自分の内側に何を育むかです。

続いて、一枚の紙を三つに分け、「今年一年」「現在」「来年」をそれぞれ簡単な一言で表現するというワークを行いました。最初に出てきたのが「現在」についての一言で、”模索”でしたが、漢字を思いつかず、”研究中”としました。

何かを成し遂げて完成させるというよりも、人間みんな生きている限りは模索しており、研究中なのではないか、と最近思います。自分が今、絵の描き方について考えているということもありますが、それを抜きにしても誰もがみな途上であって、生きていくことは途上である、と思います。

ワークが終わったあと、お鍋を囲んで忘年会をしました。他のクラスの方も途中から参加され、お店でやる忘年会とはまた一味違うゆったりくつろいだ雰囲気のものになりました。

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□◆□…優嵐歳時記(2763)…□◆□ 

  備長炭の上で煮えおり牡丹鍋   優嵐

姫路市夢前町の明神山(667m)へ行ってきました。詳細はこちらをご覧ください。山を降りた後は夢前町新庄にある「夢季庵」で忘年会をしました。地元の食材を使った郷土料理を楽しませていただけます。この日はメインが牡丹鍋でした。

今日登った明神山は猪狩のシーズンで、ここで獲れた猪の肉だとのこと。猪は味噌で煮込んで食べます。この味付けにそれぞれの店の個性がでます。こちらはあっさりとした上品な味付けで、スープのまま飲んでも美味しくいただけました。

そこにご主人が育てておられるごぼう、にんじん、大根、白菜などが入ります。いずれも新鮮でやわらかく、「野菜を召し上がっていただきたい」とのご主人のお話も納得でした。お鍋が始まる前に天ぷらが出たのですが、これがそれぞれ一味違った素材のものばかり。りんごや柿、梅干の天ぷらというのを初めて食べました。

IMG_2502お鍋の前にヤマメのお刺身、サワガニを蒸したものが出て、これらもとても美味しく、どんどん箸が進みます。牡丹鍋はテーブル中央に自在鍵で吊るされた鍋で作られ、火には備長炭が使われていました。隅々まで細やかな心遣いが生きています。坐ったところが床暖房で、お尻がほわんと暖かいというのも感激しました。

お鍋の最後は岩津葱を使った「ねぎしゃぶ」となり、これも初めて食べるものでしたが、ネギの甘味と歯ざわりが新鮮でした。苦しくなるほどの量があり、最後に食べるはずのクサギご飯はお土産に包んでいただきました。

□◆□…優嵐歳時記(2762)…□◆□

  冬麗の虚空ゆるりと飛行機ゆく   優嵐

冬のよく晴れた日をあらわす季語には、「冬晴れ」「冬うらら」「冬麗(とうれい)」といった季語があります。瀬戸内、太平洋側には冬はこういう日が多く、眩しい青空が広がります。夜は冷えるようになりましたが、昼間でお天気がよく風がなければ暖かです。

特に増位山頂はよく日が当たり、北西の風が遮られて冬はとても心地よい場所です。ここの上空を飛行機がよく通ります。飛行機雲が出る日と出ない日があり、真っ青な空に飛行機だけがぽかんと浮かんでいるように見えることがあります。飛行機はもの凄いスピードで飛んでいるのですが、下界から遠く眺めている分には、飛行船のように見えます。

IMG_2402<簡単なこと>
うまくいっていないときは
愚痴を言わない
うまくいっているときは
慢心しない

なぜなら
それが一番簡単なことだから


□◆□…優嵐歳時記(2761)…□◆□

  風通るかさりと応え枯葉散る   優嵐

コナラとアベマキはよく似ています。アベマキは幹がコルク質で、コナラよりごつごつした感じです。アベマキはもうほとんど葉を落としています。コナラの葉は黄色から茶褐色になっているにもかかわらず、まだ落葉していないものがたくさんあります。そのためかこの辺りの山は紅葉というより茶葉という感じになっています。

オイルパステルに関してまだ思案しています。広い面積を手間なく塗るにはパンパステルがいいという話を聞きました。パンパステルは最近登場した画材です。まるで化粧品のようなケースに入っており、ファンデーションを塗るときのようなスポンジを使うので、広い面積を一気に塗れるのです。色は一色ずつ単独で売られています。

私の絵の場合、広い面積を塗るのは空や水面といったブルー系統の色が今はほとんどなので、それらをパンパステルで塗って、その後オイルパステルを使ってもいいかもしれません。水溶性パステルも試してみて、オイルパステルとの発色の違いや描き心地を確認する必要もあります。そしてそれらの最適な組み合わせを考える…。

メーカーや画材店できいてみても、描く本人のイメージを伝えきれるわけではありません。こういう風に描きたいという感覚は私の頭の中にしかないわけですから。それでもこうした方たちの話を聞くと、思いがけないヒントがもらえることがあります。パンパステルもそうでした。使えるかどうかは別にして、そういう画材もあった、と新たな発見でした。

画材のパンフレットを見ると、画材店の人すら説明しきれないほどいろいろなものが並んでいます。値段もさまざまで、ちょっと試すといっても仰天するような価格のものもあります。価格が高ければいいというものでもなく、こちらの意図するものをどう探り出すかがポイントだと思っています。

IMG_2479<創造>
日の下に新しいものは無い
あるのは
新しい組み合わせだけ

それはすべてにあてはまる
新しい組み合わせを見つける
それが創造性と呼ばれるもの


□◆□…優嵐歳時記(2760)…□◆□

  光りつつ光る海へと冬の川   優嵐

増位山の頂から播磨灘は南に位置します。今は太陽の南中高度が低く、海はとても眩しく感じられます。そこに向かって眼下を市川が流れて行きます。

これまで『優嵐スケッチブック』にオイルパステルで絵を描いてきましたが、ここに来て描き方や画材を考え直すときだと悟りました。オイルパステルでの描法はこれまで試行錯誤してきて、最初はカットキャンバス、次にアクリル塗料を塗ったシナベニアやMDFボードに変わり、最近はもっぱらMDFボードを愛用してきました。

描線も最初は水性顔料インクの筆ペンやマーカーを使っていたのが、油性マーカー、次にアクリル塗料の黒と変遷し、今は描線を使わない方法で描くようになっています。これで自分なりのオイルパステルの描法ができたかな、と思っていたのですが、思わぬ障害が出ました。

今の方法だと、肘に負担がかかりすぎ、描き続けるのが難しいとわかりました。今は、オイルパステルを塗ったあと、色を画面に定着させたり色合を調整するために布などで拭いています。描く面積が狭ければこれで全く問題がないのですが、大きな画面になると肘にかなり負担がかかります。

先日、白鳥の絵を描き、その後、富士山を描いて、腕が疲れたと思っていました。ところが、翌日テニスをして、肘に痛みが出、今の描画法のツケがここに来たと痛感しました。今、次の方法を考えているところです。オイルパステルで描画し、ターペンタインやペトロールでこすれば色合の調整はできそうです。ただ、これは匂いが問題です。あの匂いが苦手であえて布でこすっていたのです。

もうひとつは、水溶性パステルで描くという方法です。「カランダッシュ・ネオカラー供廚箸いΔ發里それで、水溶性色鉛筆のクレヨン版みたいなものでしょう。実際に描いてみないとどんなものかわかりませんが、色合の調整を水でできるなら、匂いの問題もクリアできます。こうやってああでもない、こうでもないと考えるのが、実は一番楽しいことだったりするんですよね。

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□◆□…優嵐歳時記(2759)…□◆□

  葉牡丹の植えられ残り少なき日   優嵐

今年もあと20日を切りました。とはいえ、子どもの頃のように「新しい年がきたから」、という気持ちはありません。それよりも、「その日一日を充実させて生きよう」と考えた方が現実的ですし、年末年始などの特別な切れ目がなくても意識できます。一日の終りにその日を振り返り、また明日、と考えればいいのですから。

これは別に毎日何か特別なことをやるとか、プロジェクトを進展させるとかそういうことではありません。「何かをする」というのは、極端に言えば二の次でいいことなのではないか、と最近は思っています。doではなくbe、何かをするのではなく、いかにあるか。そう考えると、外面評価ではなく、自分の内面でどうか、ということになります。

IMG_2434<お告げ>
うまくいかないサインが来たときは
方向転換すべきとき

今のままではよくない
それをする必要はない
考え直せ
もっと別の方法がある

いずれにしろそういうこと
そこを無理矢理押し通そうとしない
恨み言や愚痴を言わない

それはお告げなのだ
導き手があなたに告げている
そっちじゃないよ

□◆□…優嵐歳時記(2758)…□◆□

  裸木に青空透けている真昼   優嵐

葉を完全に落としてしまった落葉樹を「裸木」といいます。人間は着込んで冬を迎えるのですが、樹木は逆に裸になって冬を越すというのはおもしろいですね。自然歩道のそばにあるアベマキの多くが一気に葉を落としきり、あたりがふかふかの落葉で埋まっています。

パソコンのDVD-RAMの書き込みができなくなっていたと以前書きました。デジカメの映像を保存するのにオンラインストレージを使うことにしました。サービスはいろいろありますが、無料で容量無制限のMediaFire というサービスを見つけ、これを使うことにしました。英語のサイトですが、操作は直観的にわかるようになっており簡単でした。

ちょっと前までは容量無制限で無料なんて考えられませんでした。しかし今後は、こういうものがあたり前になっていくでしょう。インターネットが始まった頃、ダイヤルアップで時間を気にして接続し、写真一枚ダウンロードすることさえままならなかったのを考えると隔世の感があります。

IMG_2450<変革>
産業革命がおきて歴史は大きく変わった
いま私たちはそれ以上の変革の時代にいる

歴史を動かすのは英雄ではない
社会基盤が大きく変わるとき歴史は変わる

インターネットによって引き起こされた革命は
まだまだ始まったばかり

100年後、200年後の歴史家は
1990年代が離陸地点だったと記すだろう
紙の書物にではなく
ウェブでつながった電子書籍に

□◆□…優嵐歳時記(2757)…□◆□

  さくさくと落葉踏みたり日向道   優嵐

日曜日は増位山駐車場から弥高山経由で広峰山をぐるっと回ってきました。タカノツメの黄葉がまだまだきれいで、それを楽しみながら歩きました。足元にはコナラ、アベマキなどの新しい落葉がやわらかく積もっており、それを踏みながら歩くのが新鮮でした。

広峯神社の奥に一軒の廃屋があります。土塀が崩れていますが、かつてはそれなりの庭があった模様で、今も真っ白なサザンカが咲いています。イロハモミジが二本あり、ソメイヨシノもあります。崩れた土塀の中に入ってみると、洗濯機がそのまま残されていたりして、不思議な気持ちになります。空家になったのはいつごろなのでしょうか。

IMG_2446<ひとり>
ひとりで山の道を歩いている時間が好きだ
誰かといていろいろな話をしたり
何かを体験する時間も好きだけれど
しみじみとした幸福を感じるのは
ひとりでいるとき

ひとりで自分の中の自分と対話しつつ
自然の中の何かとも対話する
それだけで満たされていて
それ以上は何もいらない

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