優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年03月

朧夜
昼間の霞に対し、夜は朧といいます。セヌリエのオイルパステルを購入しましたが、ひとつ問題が。サクラクレパスでいろいろ工夫した結果、チョークホルダーにはさんで使うと描きやすいことに気がつき、シンワのチョークホルダーを数本購入して使っていました。ところが、セヌリエのオイルパステルはサクラクレパスよりほんの0.5mmほど直径が細く、チョークホルダーにはさむことができません。

一般のチョークは直径11.5mmほど、クレパスは10.5mmほど、セヌリエは10.0mmほどです。チョークホルダーはクレパスの太さまではしっかりおさえてくれますが、セヌリエになると固定されません。ほんのわずかのことなのに、すべってしまいます。チョークホルダーはとても便利で、汚れませんし指先を使う必要がないので楽に描けます。ですから、セヌリエもぜひこういう形のものにはさんで使いたいと考えているのです。

以前、クーピーペンシルを使っていたときは鉛筆と同じ径(クーピーの方が心持ち太い)だったため、鉛筆用の補助軸を活用しました。今度はセヌリエのホルダーを考える必要があります。太すぎるとホールドできないし、細すぎると入らない、悩ましい問題です。ま、クーピーペンシルのときもクレパスのときも、頭をひねった結果いい案にたどりつきましたから、今回もいろいろ考えてみようと思っています。

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暖かくなりました。昨日は一日お天気が安定していて日差しがあふれ、風も無く春爛漫という天候でした。梅林には蝶や虻がきて盛んに花の間を飛び回っていました。ようやく巡ってきた春らしい暖かさに彼らも敏感に反応しています。この暖かさで桜の蕾がぐっと膨らんだことと思います。

霞は水蒸気が山野にたちこめ、ぼんやりとかすんでいるさまを言います。霞はもともと中国では朝焼けや夕焼けを意味していました。日本でこのような意味で使われるようになったのは、大和盆地や山城盆地の山々が春の訪れとともに霞の中に姿を隠す風景に古代の人々が心惹かれ、このように詠ったからだといわれています。

昨日は風が無く、穏やかに晴れて播磨灘、淡路島、六甲山すべて霞の中に隠れていました。頂では昨日と同じ蝶が三角点の標に来てとまっていました。日差しの中にいると早くも汗ばむ心地でした。まだ少し寒くなる日はあるかもしれませんが、やはり「暑さ寒さも彼岸まで」は季節の変化をよく言い当てています。

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梅の花
全体としてはいいお天気でも、一時的に風が吹いたり雨が降ったりということが最近よくあります。昨日もお昼どきに雨がぱらつきました。梅林は満開で、毎日グループや家族連れ、三脚を持って撮影する方などに会います。梅の香りもかぐわしく、周りにはヤブツバキの花もたっぷり咲いています。

セヌリエのオイルパステルが届きました。フランスからの輸入品で、棒状のオイルパステルが壊れないように厚いスポンジのケースにおさまっています。48色そろうと壮観です。しかし、中に入っているカタログには全色(120色)の色見本が載っていて、こういうものを見ると、またこれがほしくなってしまいます。しかし、しばらくは48色で様子をみましょう。

『優嵐スケッチブック』の作品が千枚に達したら、セヌリエ120色というのもいいですね。今、毎日2枚ずつ朝夕にアップしていますので、このまま描ければ八月中には千枚になります。毎日描いているうちに描くスピードが速くなりました。読書も数をこなせば読むスピードがあがり、より多くより速く読めるようになります。きっと何でもまず習うより慣れろなんだと思います。

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初蝶
増位山の頂で今シーズン初めて蝶に会いました。ここは日当たりがよくて暖かく、春から夏にかけての昼間には多くの蝶をみることができます。ツバメの姿を私はまだ目にしていませんが、「もう来ているよ」という人の話をききました。いつも巣をかける橋の下で姿を見られたとか。間もなく四月です。

セヌリエのオイルパステルの48色セットを注文しました。届くのが楽しみです。昨日の坂井泉水さんの絵で試してみた方法をクレパスでもやってみました。セヌリエよりはなめらかさに欠けますが、同じように描くことができました。オイルパステルにはほとんど技法書というものがありません。ですから、これまでは幼いころに覚えたクレパスでの描画のイメージをひきずったままでした。太いクレパスでぐりぐりと力をこめて塗りこんでいく、そういう感じです。

しかし、今回の描き方はそーっと色をわずかずつ置くように塗っていきました。この方法のヒントは水彩画からもらいました。透明水彩は紙の白さを生かして描きます。絵具の皮膜を通して白い紙の色が絵にとけこみ、それが透明水彩に光の透明感を与えます。それをオイルパステルでもやってみようと思いました。オイルパステルは技法書がほとんど無い分、自分で考えてあれこれ試行錯誤できる余地があります。ここが一番おもしろいところかもしれません。

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春北風
気温の低い日が続いています。春は移動性の高気圧が日本列島の上を西から東へと交互に進み、お天気が周期的に変化します。低気圧が東に去り、西から高気圧が進んでくると、一時的に西高東低の冬型の気圧配置になります。俳句ではこのときの北風を「春北風(はるきた)」と呼びます。

今日は坂井泉水さんの月命日です。セヌリエのオイルパステルを購入しました。考慮の結果トライアルセットの6色入り(白、赤、青、黒、緑、黄)にしました。それで坂井泉水さんの肖像を描きました。オイルパステルでこんな絵が描けるとは以前は考えられませんでした。しかし、最近別のところでヒントをもらい、その描き方もあわせて試してみました。

<El Mirageの風>
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モンバルキャンソン紙 300g F2(192×239mm)、万年筆PARKER SONNET(M)&プラチナ顔料ブラック、セヌリエ・オイルパステル、PILOTクレオロール&ゲルマーカー

セヌリエを使った感想は、描画のなめらかさという点ではやはりゲルクレヨンにはかないません。ゲルクレヨンはゲルインキ製造の技術から生まれた全く違う画材ですから無理もありません。しかし、クレパスよりはなめらかです。さらに、発色の美しさは、さすがにピカソのために作られたオイルパステルと感嘆します。

この絵の、特に坂井泉水さんが着用している赤のスーツの色の美しさ。この絵の中のスーツとクルマにセヌリエを使っています。車体のブルーもなかなかの美しさです。この色を見てしまったら、学童用には戻れないなあと感じます。

この絵のもとになった写真は、カリフォルニア州のモハーベ砂漠にある干上がった湖El Mirageで97年4月に撮影されています。このとき制作された映像は、ZARDの22番目のシングル『永遠』(97.8.20)のPVになり、2004年の初のツアー、その後の追悼ライブでもオープニングで使用されました。67年式のポンティアックGTOコンバーチブルを駆って砂漠を走る彼女の姿が印象的な映像でした。


枝垂梅
お彼岸が過ぎ、高知では桜が開花したというニュースが伝わって来ました。しかし、昨日の日曜日は気温が低く、真昼の外気温は10℃をきっていました。夜からずっと風が強くお昼ごろに雪がちらほら舞いました。風は午後にはおさまりました。梅はあちこちで咲いています。間もなく桜が咲き始めます。梅も桜もバラ科で、花だけをそばで見るとよく似ています。違いは梅には香りがあることでしょう。

Twitterをそれほど見るわけではないのですが、参加しているグループで使っているので、一日のうちに何度かはサイトへ行きます。最近表示が変わったと思っていたら、昨日から「おすすめユーザー」というものが表示されるようになりました。私は通常FireFoxをブラウザに使っていて、以前のバージョンではAdblock plusの「画像をブロック」をクリックするだけで非表示にできていたのですが、それがまた表示されるようになったわけです。

再び「画像をブロック」をクリックしましたが、消えません。そこで検索すると、方法を解説したページが見つかりました。いろいろやり方はあるようですが、その通りやっても消えないことがあるようです。私の場合は、Fire FoxのAdblock plusのブロック項目に||api.twitter.com/1/users/*を入れると消えました。

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芽柳
春の木の芽の中で特に日本人に愛されてきたのが柳です。これを「芽柳」といいます。お彼岸があけ、淡い緑が柳の枝から霞むように萌え出ているのが遠目にもわかります。柳といえばまずシダレヤナギとの連想が働きます。昨日は風があり、芽吹き始めたシダレヤナギの枝が風にあおられて盛大に揺れていました。柳の種類は多く、川原にもよく見られます。

金曜日の夜から土曜日の朝にかけては風雨が強かったようです。増位山の麓で満開だった八重の紅梅がかなり散っていました。風にあおられた花びらが一面に舞い散り、花の色が桜より濃いだけに濃厚な花吹雪です。

午後から図書館まで久しぶりにMTBで行ってきました。昨年末にチェーンとタイヤを交換しましたが、その後は腕を痛めたこともあって冬眠状態でした。彼岸明けから自転車生活も始動です。歩くのもいいですが、自転車もいいなあとやはり思いました。オートバイも好きですし、自動車も運転そのものは好きです。

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彼岸
昨日でお彼岸があけました。今年は彼岸の初日が雨、最終日も雨でした。出かけずに部屋で絵を描いていました。線描にこれまで万年筆とプラチナの水性顔料インクのカーボンブラックを使ってきました。最近購入したゼブラSARASAの0.7を使ってみたら、これがなかなかいいのです。黒はもちろんいいですが、茶やブルーブラックは黒と微妙に違う線描が得られます。

黄色以外の19色を持っているので、濃い目の色で他の線描も試してみようと思いました。ゼブラはこのインクを「ジェルインク」と表記しています。ところが、パイロットは「ゲルインキ」、三菱uni-ballでは「ゲルインク」と書いています。結局同じもののようなのですが、なぜこんなにばらばらな表記になったのか不思議です。

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木の芽張る
木の芽は、季語では一般に「このめ」と発音します。春に芽吹く木の芽には、葉芽と花芽があり双方を含んでこういいます。芽吹きは樹木の種類によって時期、色、形ともにさまざまです。雑木林の芽吹きの時期はそれらを楽しむことができます。「木の芽張る」とは木の芽が萌え出ることです。

昨日はうすぐもりでした。播磨灘には霞がかかり、海も島もその後ろに隠れていました。梅林には毎日人の姿があります。観梅というのは静かな雰囲気です。蛇ヶ池のほとりで雄のジョウビタキを見ました。まだ帰っていなかったのです。あと十日もすればツバメが姿を見せます。渡り鳥が入れ替わる時期です。

IMG_3034<川>
川はどこからどこまでが川だろう
完璧な始まりも終わりも特定するのは困難

川は川岸でも川底でも川の水でもない
それらをばらばらに取り出したら
それはもはや川ではない

川は流れる水の動きそのもの
つかみとって手元に固定しておくことはできない


春の空
梅がかなり開き、梅林へ行くと梅のそばへ行かなくても梅の香りがします。早生種と晩生種が混在していますから、全部がいっせいに満開になるということはなく、晩生のものは間もなく開花というところです。梅林のまわりのヤマザクラの大木たちの蕾も膨らんできています。枝の先が丸みを帯びているのが下から見上げるとわかります。ソメイヨシノも見事ですが、樹木の大きさという点ではヤマザクラの迫力にはかないません。

ヒヨドリは翼を開いては引き絞り、開いては引き絞りを繰り返して波型を描くように飛びます。なぜあんな飛び方なのか不思議です。家の近所では数日前からキジが鳴いています。木の芽や花の蕾が膨らみ、野鳥のさえずりが聞こえる向こうに見える浅葱色の空、それが春の空です。

腕を痛めて最近はもっぱらゲルクレヨンでSMサイズのスケッチブックに描いてきました。腕は完治し、ふと気がついたのが、オイルパステルの種類を変えてみたらいいかもしれない、ということでした。これまでサクラクレパスやぺんてるくれよんを使ってきました。安価で手に入りやすいというのが一番の理由でした。もっとも高価なセヌリエ オイルパステルはサクラクレパスの五倍くらいの値段で売られています。

学童用のサクラクレパスで十分描けるじゃないかと思い、これまでそれを使ってきたのですが、セヌリエの特性のひとつにやわらかさがあります。セヌリエを紹介するHPやブログには、クリーミーだとか、ぬるりと音がしそうなほど、とか表現されています。ぬるり、というのはもしかしたらゲルクレヨンに通じる感触かもしれません。

クレオロールゲルマーカーはとてもいいのですが、色数が少ないという点に問題があります。セヌリエは120色あり、最高級というだけあって高価ですが、この「やわらかさ」という点は見落としていました。今の自分にとってこれはとても重要なことです。もう腕を痛めることは避けたいですから。描いてみなければどういう感覚かわかりませんので、少量買い求めてみようかと思っています。

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