優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

2012年05月

夏鴨
夏鴨とは、カルガモのことです。「夏の鴨」とすると、冬鳥として渡ってくる鴨類一般で、ケガなどのため北へ帰らずに残っているものをさします。増位山の池にはつがいのカルガモが住んでいます。蛇ヶ池でも放生池でも見かけます。同じペアだろうと思います。卵を産んでいましたが、カラスに食べられてしまったようです。ハスの浮葉が覆い始めた水面で二羽そろって嘴を翼に入れて浮いていました。

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青葉
青葉は、若葉のころが過ぎ、葉の形が整い、緑が定着して濃くなったころの木々の葉を意味します。明日から六月、若葉の淡い緑の時期はすでに過ぎたようです。増位山のドライブウェイの途中にある休憩場所にトライクを停めて休んでいる人を見かけました。トライクはオートバイの後輪が二つある三輪オートバイです。法律上は普通車に分類されるようです。そのため、ヘルメット着用の義務はありません。開放感は最大だろうな、と思いました。

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薄暑
今日で五月は終わりです。日が長く湿気もまだ少なく、過ごしやすいのが五月という月のイメージです。薄暑(はくしょ)は、いまごろの気候を意味します。暖房も冷房もいらず、着るものも軽い。静かに座っていてちょうどよく、少し動くと汗ばむ、そういう感じです。

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薔薇
小学生の通学路に指定されているところは、車の通りが極力少ない道が選ばれています。住宅街の中ということも多く、今はあちこちでバラが咲いています。その中を狭い道いっぱいに広がってふざけあいながら帰っています。ああいう時間は結構貴重ではないかと思います。小学生のときにしか持てない時間のような気がしますから。

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午後の雷雨は激しいものでした。姫路では一部の地域で雹(ひょう)が降ったところがありました。街路樹の青葉が裂けて散っており、風がひどかったのだろうかと思っていたら、雹だったとのこと。かなり粒が大きく、そのとき自家用車の中にいた人は、「フロントガラスが壊れるんじゃないかと思って怖かった」と言っていました。「雹」は夏の季語です。激しい夕立の前に降る事が多いからでしょう。

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白雨
さきほど激しく降った雷雨があがりました。今は日が差しています。白雨(はくう)とは夕立のことです。大粒の激しい雨のために向こうが白く見える、だから白雨なんでしょう。ちなみに緑雨(りょくう)という言葉もあります。こちらは梅雨や夕立など特色のある雨をのぞいた夏に降る一般的な雨をさします。緑が濃くなって以降の雨のイメージですね。

一番激しく降っているとき、水色の傘がその中を走っていくのが見えました。ちょうど小学校の下校時刻にあたったようです。激しい雨でいっそずぶ濡れになってしまい、家にもどって乾いた服に着替えさっぱりする、それもまた夏の快適というものです。

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雷雨
午前中に一度短い雷雨がありました。今日は大気の状態が不安定で、激しい雷雨になる可能性があるそうです。お昼ごろは空が明るくなっていましたが、今は再びどんよりと不穏な雰囲気の空に変わっています。梅林の梅が膨らんでいます。間もなく梅雨です。

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短夜
暮れが遅く、明けが早い今頃を「短夜(みじかよ)」といいます。不眠症とは無縁です。最近は特によく眠っていると感じます。明け方の夢、目が覚めたときは、いま夢を見ていたということがわかりますが、言葉にしようとしたら、うまくとらえられません。手に取ったら消えていく雪の結晶のようです。「うつし世は幻、夜の夢こそまこと」と江戸川乱歩は言ったそうです。それが実感されます。夢は幻ではなく、そこにあって、夜と昼が共存できないように、裏表になっているように、そこに確かにある、そんな感覚です。

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杜若
随願寺の放生池でカキツバタが咲いてきました。キショウブと隣り合わせて咲いています。キショウブはそろそろ最盛期を過ぎようとしています。うまく時期がずれるものです。そういうタイミングで虫の便宜を図っているのか…。カキツバタは水深10cmほどのところを好み、ここもそういう場所です。もう少し深いところではコウホネが繁っており、その間を錦鯉が泳ぎまわっています。

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◆冷奴
先日、絹ごし豆腐にブルーベリージャムをかけて食べてみました。食感がパンナコッタなどと似ていると思ったからです。このときは、やや豆の青臭さが残っていた豆腐だったため、「ん、まあまあかな」という感じでした。私はたいていのものが美味しく食べられるので、他の人に勧めると「それ、おかしい」と言われそうで、黙っていました。しかし、今日、スーパーで売っていた絹ごし豆腐のパッケージに、「メープルシロップをかける」とあり、やってみました。この製品は豆くささを抜くのにかなり成功しており、これならデザートとして十分いける、と思いました。

豆腐はそれ自身に強く主張する味がなく、工夫次第でいろいろな調味料とあいます。塩味系で食事という意識が強かったのですが、甘味系とあわせれば、デザートとしての可能性はかなりあるのではないでしょうか。この夏はアイスクリームよりもメープル冷奴かもしれません。

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