2012年05月28日 【2985】葉桜の影なす川辺に子らの声 ◆葉桜 晴天であれば日中の戸外は暑く感じられるようになっています。木陰とそこを吹いていく風の心地よさを最も感じられるころです。水辺の風景が慕わしく思えるようにもなってきました。ようやく歩きかけたくらいの赤ちゃんが水たまりをぴしゃぴしゃたたき、声をあげて喜んでいる光景を見ました。水が近くにあるところには、人間、ひきつけられますね。
2012年05月27日 【2984】青鷺のからだ伸ばして堰に立つ ◆青鷺 アオサギは身近に見られる野鳥では最も大形のものです。川や池のほとりに佇んで獲物を待っています。首をすくめて身体全体を丸めるようにして、ほとんどの場合単独で立っています。何か思索しているような印象を受けます。珍しくずっと首を伸ばし、鶴のような姿で立っているところを見ました。 近隣では八重のキバナコスモスが咲き始めています。通常のコスモス(オオハルシャギク)とは同属別種です。コスモスより暑さに強いため、夏の間から咲き、花の期間は6月から11月と長く、育てやすい花です。
2012年05月27日 【2983】やまぼうし花咲く影に目白の巣 ◆やまぼうし ヤマボウシの花が咲いているお宅を見つけて見ていると、「メジロの巣があるんですよ」と教えていただきました。毎年そこに巣をかけるのだそうです。今年はなぜか巣を作っただけで、その後姿が見えないそうですが。「山法師」も「目白」も夏の季語です。ヤマボウシはミズキ科の落葉高木です。梅雨のころ、山中で白い花を咲かせます。侘びた風情が茶人に愛され、茶花にもなっています。
2012年05月27日 【2982】薔薇の香に包まれるまで寄りにけり ◆薔薇 気持ちのいいお天気です。戸外では少し暑さを覚えるころ、薔薇を求めて近所を回ってきました。住宅街を歩くといたるところに薔薇の姿を見ることができます。今まであまり意識していませんでしたが、薔薇はやはり人を魅了する力が強いのですね。 住宅地ですから、庭先をのぞきこんでいると、そのお宅の方と顔をあわせることもあります。花が間にあると、それをきっかけにお話ができます。自然の花というのもいいですが、こうして人が心をこめて世話をし、咲かせる園芸品種というのはまた異なる楽しさ、美しさがあるものだと思いました。
2012年05月26日 【2981】葉桜の揺れにし影の濃くなりぬ ◆葉桜 日差しはもう七月ごろと変わりないものになっています。シイの花の時期は終わりました。落葉樹の新緑の色も濃くなり、色さまざまだったものが濃い緑へと収斂してきています。サクラは落葉が早く、夏の終わりには葉を落とし始めているものがあります。五月はじめから七月半ばの二ヶ月ちょっとくらいがサクラの葉が最も活発に活動する時期なのでしょう。
2012年05月26日 【2980】なめらかに黄菖蒲開く真昼かな ◆黄菖蒲 随願寺境内の放生池のほとりでキショウブが咲いています。咲いているのを眺めていて、もう少し近寄ってみようと思いました。そばへ行ったら、そのとき、花の中で何かが動きました。風はありません。たくさんある蕾のひとつが開きだしたのです。そのうちに目の前にあった蕾もぱあっと開いてくれました。感激しました。 花が開くなんてなんということでもないじゃないか、と言われそうですが、実際に目の前で生きている花が開くのを見ると、えもいわれぬ何かを感じます。開いたばかりの花の内部を撮影してきました。
2012年05月26日 【2979】明易し部屋深くまで朝日さす ◆明易し 日の出が早くなっています。初夏のいまごろになると、日の出の場所が北に寄り、昇る朝日が部屋の中に入ってくるようになっています。太陽は高く昇るため、日中の日差しは部屋に入らなくなります。窓を開ける季節の到来です。初秋になると、日中の日差しが徐々に部屋の中にもれ入ってくるようになり、「秋だな」と思います。 こういう季節のニュアンスが季語には凝縮されています。俳句は短い詩形ですが、このニュアンスを、作り手と鑑賞者が共有するゆえに、そこにある空気、情景、雰囲気といったものを分かち合うことができます。「明易し(あけやすし)」という季語には五月半ばから夏至前あたりまでの感覚があります。
2012年05月25日 【2978】真夜中のしじまを破りほととぎす ◆ほととぎす 先ほど突然ホトトギスが三度ばかり鳴きました。深夜ですから時おり通る車の音程度で戸外は静かです。ホトトギスは夜も活動するのでしょうか。こっそり忍んで卵を托す鳥を物色しているとか。 近くに(といっても山の中ですが)カラスの集団ねぐらがあります。今は雛を育てている時期なので、それぞれが別行動をとっていると思いますが、秋になると、そちらに移るようです。夜中にカラスの鳴き声が聞こえて最初は驚きました。もしかしたら、ホトトギスが近所でねぐらをもっているのかもしれません。雛は別の鳥に育ててもらうとしても、自分自身はどこかで眠らないといけないでしょうから。
2012年05月25日 【2977】雨あがり自転車を駆る初夏の夕 ◆初夏の夕 日が長い時期です。散歩に出かけなかったので、代わりにマウンテンバイクに乗りました。タイヤを町乗りタイプにしているので軽快に走ります。自転車で風を切る感覚というのは、自転車だけが持っているものです。オートバイなどの動力駆動のものとは感覚が全く違います。子どものころから自転車は好きでした。ひとりで自転車に乗ってあちこちうろうろするのが一番楽しい遊びでしたね。
2012年05月25日 【2976】夏草の刈られし匂い野辺に満ち ◆夏草 朝の雨はいったん昼ごろにあがりました。しかし、午後になってまた弱い雨が降りだしました。今は再びあがって日が差しています。夏は草木の勢いも凄く、梅林では下草が生い茂り、梅も生い茂り、鬱蒼とした感じになっています。一部は草が刈られ、すっきりとしていました。しかし、この雨でまた草が生長することでしょう。あらゆるものが今は伸び盛りの時期です。